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誰が日本の広告を変えていくのか:広告会社の価値:広告メディアのオープン化

2009年06月09日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
広告会社が重要視しなければならない4つの項目
  • Ad Technology
  • Client insight
  • Target insight
  • Client benefit

    直接的には
  • 新しい広告技術の取得
  • 広告主のニーズを見極める
  • ターゲットの行動を見定める
  • 広告主の利潤を第一に考える

    その行動は
  • 各メディアの機能をマッピングする。
  • コミュニケーションのコンテキストを練り上げる。
  • ターゲットのモードにあわせたメディアとクリエイティブ。
  • 広告効果を検証する。


  • 広告メディアに希少性がなくなりつつある現状において、希少なものを求める顧客(広告主)も、なくなりつつあるとの認識を持つべきじゃないか。

    もともと、広告主も希少な広告メディアを欲しがっているのではなく、ターゲットとの接触機会を持ち、そこでのインタラクションによって、自社の商品/サービスを購入して欲しいだけなのである。

    広告メディアの希少性が無くなった時

    それは、誰でも広告メディアを購入することができるということである。既に、Adwordsはクレジットカードさえあれば誰でも広告メディアを確保することができる。

    そして、広告メディアが自らの希少性の力を失ったときに広告メディアのオープン化が現れるであろう。すなわち、"買っていただける方にはもれなく売る"。

    過去の広告産業の仕組みは、広告メディア-広告代理店-広告主という流通スキームのなかで成り立ってきた。そのスキームの中で、広告代理店は広告主の欲しい広告メディアを探してきて届けるという御用聞きでもあり、広告メディアを広告主に届ける販売代理店でもあったのである。そして、そのスキームが成り立った要因は、「広告メディアの希少性」にあったと、私は見ている。

    そして、広告メディアの希少性の消滅。

    上にあげた4つ項目の2番目から下は、そもそも広告主が一番わかっていることだし、外の人の意見を参考にすることがあっても、広告主自らが分析判断するべきことなのだ。

    残った一番上の機能も、広告メディアのオープン化(希少性の消滅)によって、広告会社だけでなく、広告主も持ちえるものなのである。

    さて、今日の結論

    広告メディアの希少性の消滅によって、広告会社の機能も消滅する


    おっしゃるとおり(だれが?)、広告会社の経営者は、たこ焼き屋になる道を探る必要があるかもしれない。

  • 誰が日本の広告を変えていくのか:広告の価値

    2009年06月02日 | 誰が日本の広告を変えていくのか




  • それは、ターゲットに届いているか
  • それは、ターゲットを動かすか
  • それは、広告主に利潤をもたらすか

    上の3項目に当てはまらない広告ほどメディアと広告会社は、儲かるのである。(今まではね)

    お詫び:昨日のエントリー段階で、高広伯彦氏の苗字の漢字を間違えておりました。お詫びして訂正いたします。ご指摘をいただいたNさんに深謝申し上げます。

    日本の広告業界の風雲児「高広伯彦」氏が、日経産業新聞にコラムをもたれていた。本日はその12回目で、この回で終わりであることを、ご自身のblogで発表されている。blogにも書かれているように「広告業界の今後、について、自分なりの考えをコラムに入る文章量で記述」されている。

    日経産業新聞は、ビジネスピープルにとって、日本一の新聞である、と私は考えているし、家では日本経済新聞は取っていないが、日経産業新聞は購読している。しかし、多くのこのblogの読者は、そんな新聞があることすら知らないかもしれない。
    で、高広氏のコラムも残念ながら印刷した日経産業新聞と縮刷版でしか読むことはできない(日本経済新聞社のいくつかあるデジタルメディアから読むこともできない)。だからといって、今から、駅のキヨスクへ行っても手に入らないだろう(朝行っても、日経産業新聞を置いてあるキヨスクは少ない)

    で、件の文章がすばらしい提案をされており、広告にかかわる人たちすべてに読んでいただきたいので、全文をここに打ち込みたい気持ちもあるのだが、ま、それも日本の国内法的にまずいことがあるので、我慢する。

    高広氏が提案していることは、広告にかかわる人間に対して「視点を変えよう」ということだと思う。

    彼のこれから(只今かも)の広告ビジネスに対する定義は「"メディアビジネス"から"オーディエンスビジネス"へ」それは、「広告主は"枠"を買いたいのではなく"消費者との接触機会"を買いたい」という意味であるという。
    "オーディエンスビジネス"の根底にある機能は"シナリオプランニング"にあると彼は言う。メディアプランニングがクロスメディアプランニングと呼び方を変えようとも、彼にとっては「既存のメディアの組合せにすぎない。」と喝破する。そして、「消費者の行動や商品/サービスのベネフィットから広告の企画を考える」と「思わぬものが『メディア』として効果的かもしれないという仮説が生み出される」とつづけている。

    確かに、ケータイをトイレに落としてしまった人にとって、防水ケータイは魅力的であろうし、そのため、トイレが防水ケータイの広告メディアとして、価値が出てくるという考え方の流れは大変うなずくところがある。
    メーカー側の視点として「SIMカード挿入口のある携帯電話機能付き便座」といった商品企画を立てることも出来るだろう。ちなみに、この便座は毎朝、体温、体重、体脂肪、さらにケツアツを自動で量って健康管理センターのサーバーにデータを送るという機能もつけられる。

    ようするに、ユーザー目線(広告的には、ターゲット目線)をどこまで持てるかによって、広告プランニングの優劣が付いてしまうということなのだろう。

    そして、高広氏はシナリオプランニング時代のメディア提案は「メディアリミックス(※オリジナルを別バージョンに作り変えるという意味)」の必要性を示す。インターネット時代的の言葉で言えば「マッシュアップ(サンプリングを集合して新たな表現を作り出す)」と言えるだろう。

    高広氏は締めとしてこう記する

    「結局は広告の企画者、企業の宣伝担当が"新しいメディア"として、これまでの広告媒体と、これからの広告媒体を使えるか否かにかかっている」

    しかし、あえて私は言う。

    メディアのカンブリア紀的大爆発の現在において、これからの広告媒体を使う努力をするだけで、時間が過ぎ去ってしまうのではないか。これまでの広告媒体とこれからの広告媒体をインテグラルに消化する人は、そうそういないのではないか。

    そのあたり、高広さんはどう思っていらっしゃるのでしょうか?




  • 誰が日本の広告を変えていくのか?【IPTV】

    2008年10月26日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
    写真はシャリが違う江戸前寿司こちらを参照ください

    私は幸いなことに新幹線に乗れば3時間ほどで東京に行けるので、貴重なセミナーを聴くことができます。

    今回下記のセミナーに行ってまいりました。

    メッセージワイアードビジョン主催・IPTVセミナー第2回
    「IPTVビジネスはどのようにデザインされるか--コンテンツ制作の現場から」

    <内容>
    1:ITU-T ─ IPTVの国際標準化最新動向:岸上順一(NTTサイバーソリューション研究所・所長)
    2:NHKオンデマンドはどのようにプロデュースされるか:元橋圭哉(NHK-Ondemand方面の方)
    3:新しいデジタル公共圏の出現:水島久光(東海大学文学部広報メディア学科・教授)
    4:オープンコンテンツ時代の到来:角川歴彦(角川グループホールディングス代表取締役会長)

    私は用があって、角川歴彦氏の講演は残念ながら聴けなかったのですが、岸上氏、元橋氏、水島氏の大変興味あふれる講演(というよりは講義)を聴くことができました。

    IPTVというお題でのセミナーではあったのですが、私には「テレビ放送のオンデマンド化」に対するビジネスデザインについての議論であったように思います。このあたりはご参加者の立場ごとに違う味わいがあると思うので、あくまで私の受け止め方を記します。

    動画(テレビ放送番組を含む)のオンデマンド化は、技術的には既に完了されていると言えるでしょう(画質は別にして)。
    それが、ビジネスとして成り立つのかどうかは別にして、YOUTUBEやニコニコ動画などのCGMovieや、GYAOやISPが提供する動画コンテンツ、さらに、企業サイトに上げられている数限りない、いわゆるブランデッドエンタテインメントビデオ作品など、インターネットを経由して多くの人が「見たいときに見たい動画が見られること(VOD)」を体験している。

    したがって、今回は、"動画のオンデマンド化"では無く、あくまで"テレビ放送のオンデマンド化"についての議論であったことを押さえておかなければならないと思います。

    そういった視点で三者の講義を私なりに解釈すると、下記のようになります。

  • 岸上氏:単にテレビがIP伝送路を流れていくのでなく、NGNというネットワークに流れるIPTVは高品質を担保して視聴者に新しい興奮品質を届けるようにならねばならない。
  • 元橋氏:テレビ放送とは映像ジャーナリズムと文化創造という使命感を持つからこそできる、価値あるコンテンツを造り、届ける活動である。コンテンツに価値があれば、出口を問わず伝達するべしである。
  • 水島氏:IPTVを公共財としての放送サービスの延長に位置づけ、公共性を担保するために一定の秩序が必要である。

    そして、三者の主張を一つにすると
  • IPTVとは、テレビ放送事業者がジャーナリズムとしての使命感を持ち、視聴者に興奮品質レベルで高品質な番組を、高い公共性を持って届けていく、文化創造活動である。

    とまとめてみました。

    テレビ放送が新しいステージに立っていく(立たなければならない)という主張がこのセミナーで感じられたのであります。

  • そもそも、テレビ放送がVODに適するのか。
  • メディアはあくまで一つの主張の形であり、すべての人達の意見は代表できないのではないか。
  • 公共性は国体がベースになる。国体は政治制度であり、政治体制の整備・維持は別のシステムでの議論ではないか。

    といった派生する議論がいくつか思いつけるのですが、メディアの変化は極めて広い場でさまざまな議論を巻き起こす可能性があるわけで、今という時代がそれほど多様性に満ち満ちた状態であるということとも言えるでしょう

    いずれにしてもすべてのメディアはコンテキストを持つわけで、広告は、メディアの持つコンテキストに沿って対象商品を表現することであり、そのコンテキストに乗らない商品はそのメディアを使って広告するべきではない、と感じています。

    広告でメディアを維持しようとするのであれば、そのメディアが持つコンテキストと広告収入をあらかじめ、よくよく計算しなければならないでしょう。

  • 誰が日本の広告を変えていくのか?【広告代理店Ⅱ】

    2008年06月08日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
    広告代理店は誰の代理をするのでしょうか?

    大きく二つに定義付けられるでしょう。

  • 「広告スペースを売りたい媒体者のための販売代理」
  • 「広告をして商品を売りたい広告主の活動の代理」

    このblogをお読みの広告関係の方にお聞きします。どちらだと思いますが。ないし、どちらに重きを置いて考えてらっしゃいますか?

    すでに、広告は「受け手に最適な情報を最適なタイミングで届ける」という機能を発揮し始めています。

    そのときに、広告代理店は
  • 「マーケティング・広告の対象者の情報活動の代理」
    という定義ができるようになると考えています。

    メディア-広告主-消費者 の三角関係をコーディネートしていくのがこれからの広告代理店の形じゃないかと思います。

    それは、広告代理店と呼ばれるものじゃないかもしれませんが。

    だから、媒体の販売代理としか広告代理店を捉えていないような人とは、心底お話したくないのですが・・・。