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万葉うたいびと風香®’s ブログ

万葉うたいびと風香®のブログです。

誰そ彼?と万葉うたいびと

2017年12月18日 | なごみ
黄昏の語源、誰そ彼(たれそかれ)。

万葉集にその表現がみえる。

誰そ彼と 我をな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つ我を(巻10ー2240)

誰かしら、あの人は、、、と夕暮れ薄暗くなると顔の見分けがつきにくくなる、後世になってその時を黄昏(たそがれ)、黄昏どきというようになったという。
ちなみに対義語は 彼は誰(かはたれ)となり、 明け方のまだ暗くて見分けのつかなくなる、その時間帯を 彼は誰時(かはたれどき)という。
こうなると万葉うたいびととしては古代信仰についても語りたいが、こちらはまた別の機会に。

暁(あかとき)の  かはたれ時に 島蔭を 漕ぎ去(に)し舟の たづき知らずも(巻20ー4384)


奈良大図書館で手にとった上野誠教授の新書『万葉集から古代を読みとく』の序文。
映画『君の名は』にみる万葉集についてまさにこの「誰そ彼」について書かれていた。

書籍については私なぞが語るすべもないのだが、誰そ彼?と問い続け、自分と他人を区別することにより、自分のなかのもうひとりの自分を見つけ出すことができるという。そして自分が誰かと問える人が万葉集を学んでいるというようなことが書いてあった。

万葉集を歌っていると、実に多くの疑問にぶち当たる。

なぜこの歌がこの場所で読まれたのか?
歌人は誰そ彼?

そして万葉うたいびとである私は誰そ彼?
なぜ、この歌を歌っているのだろうか?
やはり私は?誰そ彼?

このタイミングにして名著に出会った奈良大図書館、やはり蔵書53万冊を誇る大学図書館恐るべし!


高の原からバスの予定が、、、出たばかり。。。
以前を思い出して、止む無く徒歩で向かう。見慣れた景色にヤマガラ、シジュウカラ、メジロも集う。


講義中。


図書館。

せっかくなので、、、

学食ランチ。日替わりで根菜と豚肉の胡麻味噌煮と春雨サラダ、小ライスで400円也。まさに早い、安い、美味いっ!
あれ?お皿に校章入ってたっけ!?
奈良大学食も恐るべし。

平城(なら)の地で歴女たちの女子会、「あをによし茶論」。

すでに満席のためご入会はできません(笑)

今回旅のプランナーが選んだ場所は、、、「唐招提寺」。

西の京駅で降りた私が、薬師寺に立ち寄らないのは今回がはじめて。

人気なんだなあ、鑑真さん。

ちなみに薬師寺東塔はまだ覆屋被っておりました。


唐招提寺。

この日はお身拭いの日、普段見られない場所もご開帳(!?)されておりました。


苔むす鑑真和上御廟付近。なんでもこのあたりの池は清水が湧く湿地帯だったとか。苔はほぼ自然体で冬もこのままの姿で自生しているらしい。
なんともありがたいことにお寺の方にご案内いただき、中でも瓦からみる唐招提寺の変遷をお聞きすることができました。


文殊と巴紋は火と水を表し、火防の意味があるそう。


こちらの瓦は皇室との関わり、菊花紋。


こちらは葵の御紋。

古い建築物を他所から譲渡してもらったり徳川家より寄進を受けたりと様々な経緯を辿りながら現在の唐招提寺が維持されているとか。
ご苦労されています。




クチナシの実。


金魚葉椿(きんぎょばつばき)の葉。葉先の形が独特。(ひどい写真でごめんなさいっ、一応証拠)


お世話になりました。

夜のJR奈良駅。


宴は友ご用達の薬膳料理のお店。


薬膳料理というとなんとなく独特の匂いとお味が、、、と少し及び腰でくぐった暖簾だったが。。。
奈良野菜をふんだんに使った本日のコース料理は、、、実に美しい!

奥側中央のやや茶色いものは古代のチーズ「蘇」。優しいお味です。


蓮の実の炊き合わせ。



にゅう麺も。こちらは吉野葛入り。スープは烏骨鶏から。


高麗人参などの天ぷら。お行儀よく盛り付けられています。手前お豆腐の天ぷらの中には雲丹。


赤米。

そしてシメの1品は、、、、!

ガーン!
亀ゼリー!!!
無理っ!!!!!!!

しか〜し!
気を取り直してコーヒーがくるまで待つことに。そして勇気を出して1口。
黒砂糖のシロップを使っているせいか以外に全く癖はない。
でもきっと今回が最初で最後っ!


こちらはキンカン。

食べ終わった頃には、身体ポカポカ。ほんわかしておりました。

いにしえびとたちの時代から伝わる薬草。

正倉院に残る史料をみても古代宮廷人たちの食生活は以外にも豊かだ。

現代は旬がわからないほどにいつでも 食 が 手に入る。

いつでも手にできることによって、旬の感覚が少しずつ失われていく。

それは食のみに限らず、文化も同じだ。

便利になればなるほどに失われていく感性。
もちろん得るものもあるのだろうが。

久しぶりの平城(なら)旅は、自身の居場所を問い直す旅ともなった。

誰そ彼 である。


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