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50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

歩道のアート。

2007-06-13 00:26:51 | パリ
犬の落し物が気になって下を向いて歩いていると、時々歩道に描かれたデザインが目に飛び込んでくることがあります。

最近目立っているのが・・・

マンホールなどから救いの手を求めているデザイン。あるいは、這い出そうとしているデザイン。どちらにも見えますね。

色は、気がついたもので2色。ピンクとオレンジです。色の切れ目など、まったく同じですから、版画のように彩色したのでしょうね。

でも、いったい誰が、そしてどのようなメッセージを込めて、やったのでしょうか。

メッセージのはっきりしているデザインも、もちろんあります。

女性の顔の下に書かれた文字は、Ingrid Betancourt(イングリッド・ベタンクール:一部にブタンクールという表記もあり)・・・コロンビアの政治家で、2002年に大統領候補になったまま、ゲリラ組織に誘拐されてしまっている女性です。

父親は教育大臣を二度務め、母親も後に上院議員となる、という両親の下、コロンビアで生まれる。父親がコロンビアのユネスコ大使であった関係からフランスで育ち、エリート校であるパリ政治学院卒業。結婚後、二児の母となり、フランスで平穏な家庭生活を送っていましたが、1989年、コロンビアで時の大統領候補が母親の眼前で暗殺されたのを機に、汚職にまみれた祖国を助けたいと、コロンビアへ戻る。母親の上院選挙を手伝った後、財務省へ。そして1994年に下院議員、1998年には上院議員に。2002年、ついには緑の党から大統領候補となる。しかし、2月23日、親友であり、選挙キャンペーン責任者であるクララ・ロハスと一緒にゲリラ組織に誘拐されてしまう。

5年が過ぎています。あまりに長い人質生活。彼女の二人の子どもたちは、今もフランス国内で、母の帰りを待っています。サルコジ大統領は、当選するや彼女の子どもたちを直接励ますと共に、彼女の解放活動に介入。ゲリラ側の要求する政府側捕虜の釈放を実現。もしかすると、イングリッド・ベタンクールの解放も近いかもしれません。
*彼女の自伝『それでも私は腐敗と闘う』、日本語訳が草思社から出版されています。
*詳しくは、www.educweb.org/Ingrid
 (日本語もあります。)

靴で踏まれる歩道のアートにも、思わぬメッセージが込められていることもあります。街を見、人を見、たまには下を見て歩くのもいいことですね。

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (papas)
2007-06-13 20:33:05
トラックバックありがとうございます。
本当にどちらにも見える手ですね。

これからもよろしくお願いします。
返信する
政治的アート! (pinky)
2007-06-13 23:29:09
政治的なメッセージをこういったアートで表現する…Takeさんの「難しい話題を易しくわかりやすく」のポリシーに相通じるものがありますね。フランスならではの手法でしょうか。
Ingrid Betancourtの事件については全く知りませんでした(無知でお恥ずかしい)
ご紹介のサイトをじっくり読んでみたいと思います。
返信する
Betancourt (take)
2007-06-14 01:30:19
pinkyさん

実は私もベタンクール女史に関しては最近調べたばかりです。以前から写真やニュースではよく見かけていたのですが・・・知らないことは、まだまだたくさんあります。知らないことだらけです・・・せめて無知の知を理解して人生を終えたいと思っています。


papasさん

御社のご発展をパリでお祈りしています。
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