50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

切手を貼って、手紙を出そう・・・というイベント。

2008-03-05 02:41:00 | パリ
最近、手紙を出したことはありますか。もちろんですとも、年賀状!・・・確かに、賀状も手紙ですが、はがきではなく、便箋に文を認め、封筒に入れて、切手を貼り、郵送する・・・なぜか、大昔のことのように思えますが、まだ30~40年ほど前までは(個人差が大きいとは思いますが)そうしていたのではないでしょうか。でも、いつの間にか、手紙よりもっぱら電話、手紙は賀状と旅先から出す絵葉書、それに事務手続き上必要な書類の郵送、それくらいになってしまいました。それがさらに、インターネットの普及で、いっそう手紙離れが進行。それはそれで時代の趨勢。抗っても仕方ないと思うのですが、たまには手紙でも書いてみると、気持ちの整理、あるいは思わぬ感情の発見が自分の中にあったりするかもしれません・・・などと、これではまるでコマーシャル!

実はそうなんです、3月1日・2日は、切手の祭典。

2月29日のメトロ紙に出ていた広告です。タイトルは“Fete du Timbre”切手のお祭りですが、実は正式名称が別にあって“La Fete du Timbre et de l'Ecrit”、切手と文を認めることの祭典・・・まずは、手紙を書こう、そして切手を貼って郵送しよう! もちろん主催はフランス・ポストなのですが、いくら広告とはいえ、正式名称を使わないあたりが、日本とは違いますね、大した問題ではないですが。

この切手の祭典、始まったのが1938年だそうですから、今年で丸70年。しかし、特に何も謳っていません。昨年70周年を祝ったのでしょうか。でも、どちらにせよ、これも些細なことです。

さて、さて、今ではこの切手イベント、フランス全土115都市で行なわれているそうです。パリの会場になっている、11区のキロン・エスパース(Kiron Espace)に行ってみました。

しっかりバナーが貼られ、準備は良くできているようです。このイベント会場のすぐ前が郵便局ですから、そこの職員がもしかして準備したのかもしれないですね。


イベント・キャラクターは、ドルーピー(Droopy)・・・1943年にアメリカでテックス・アヴェリー(Tex Avery)によって創り出された短編マンガの主人公。少し眠そうな表情は常に変わらず、作品によって、警察犬になったり、普通の犬になったり。でも、どうしてこのマンガの主人公が切手イベントのキャラクターに使われているのでしょう? ご存知の方いらっしゃいますか。会場ではアニメも上映されていました。


会場は、それほど広くないのですが、ハリー・ポッターやドルーピーをはじめ多くの記念切手が展示されたり、売られていました。販売窓口には、例によってなかなか進まない長い行列ができていたのですが、そこで気付いたのは、大人ばかり! 切手収集は、日本では子ども時代に趣味にする人は多いのですが、大人になっても続けている人はそれほど多くはないのではないでしょうか。こうしたイベント、日本なら大勢の子どもたちが来ているところでしょうが、パリでは会場にいるのは大人ばかり。それも、年配の人ばかり。e-mailなんかそんなもの知らない、気持ちを伝えるのはやはり手紙さ、という世代なのか、あるいは切手収集人気がジリ貧で、若い人がやらないのか。いずれにせよ、正式タイトルに“l'Ecrit”と付け加えられているように、フランスでも郵送される手紙の数が減っているのでしょうね。やはり、ネットの普及で、メールに取って代わられているのかもしれません。ただそれでも書類文化のフランスでは、事務手続き上、どうしても郵送しなくてはいけないものも多く、日本よりはまだ郵便件数も多いような気もしますが、それでも以前と比べれば激減しているのでしょうね。


会場では、切手の保存上の留意点や、集める際にはテーマを絞って収集すると面白いとかいった注意をまとめた「切手収集ガイド」や本のしおり、そして今年のカレンダーなどを無料で配っていました。昨年末、5ユーロを寄付した際にもらったフランス・ポストのカレンダーよりも高級なカレンダーが自由に持って帰れるようになっていました。ちょっと複雑・・・

ネットに押され、郵便事業者としては、やはり何らかの対策を行わないと、この先明るい展望が開けてこないのは、世界共通なのでしょうね。起死回生のアイディアが出ますかどうか・・・

切手といえば、パリには切手市もあります。帰り道に寄ってみました。以前にもご紹介したことがあるのですが、場所は8区、エリゼ宮の近く。レストラン・マキシムのすぐ前の道に切手商が店開きしています。

マルシェのような店構えをする切手商もいますが、もっとカジュアルに、ベンチの上で店開きの人も。

商売成立、お互い満足しての握手でしょうか。

そして、すぐ前、シャンゼリゼに面した公園には・・・

モクレンが満開。先週末の最高気温は13度ほど。この暖かさなら、ベンチでの商売も問題なしですね。

本当なら、こうした切手のイベントや切手市の様子を手紙で出したいところですが、今日も今日とて、ブログでご紹介。フランス・ポストさん、ごめんなさい、とあまり心にもないことを言って、今日はこれで失礼します。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
映画「シャレード」を思い出しました (アルキメ君)
2008-03-05 14:06:55
こんにちは、アルキメで~す(*^_^*)
パリで切手と切手市のお話なんて、粋ですね!
すぐに映画「シャーレード」を思い出しました。
アメリカ映画なのに舞台はパリ。
ジヴァンシーのシンプルなコート姿のオードリー・ヘプバーンの素敵だったこと・・・
初めて見た時は、小学生(?)だったのか、筋はむずかしくてわからないのに、バトー・ムーシュのお食事場面とか、おシャレでした。
アメリカでなく、パリに憧れが芽生えたのもこの頃からだったのかもしれません。
映画の中の切手市が開かれたのは、リュクサンブール公園だったでしょうか?
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Unknown (えみ)
2008-03-05 17:14:28
このようなイベントがあるのですね!
行ってみたいたなぁ~~!
どこであっているのですか?
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ヘップバーン (take)
2008-03-05 17:50:11
アルキメ君さん

私が最も回数多く見た映画は、『ローマの休日』です。映画の中のイタリアは、今でも憧れです。でも、フランスで会うイタリア人を見ていると、行きたくなくなってしまいます。映画は映画、夢の世界。現実は、厳しいということでしょうね。
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2日間のイベント (take)
2008-03-05 17:53:35
えみさん

Fete du Timbreで検索すると、詳細が分かります。Kiron Espaceの住所は、11, rue de la Vaquerieですが、ここでの催事は、2日間だけ。今週は、各郵便局で、それなりの展示を行なっているようです。サイト(www.fetedutimbre.com)をご覧ください。
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ヘップバーン 大好き (Bon)
2008-03-05 18:31:41
そうでしたね、高額な切手が落ちでしたね。シャレード、とてもオシャレなミステリーでした。
ヘップバーン 、ローマの休日の初々しさから、大人の淑女になっていて、スキー場から帰って来た時に日本ではまだ一般には知られていなかった、ヴィトンのトランクが幾つも並んでいたのを覚えています。
takeさんが、イタリアに憧れていたとは、意外でした。
モクレン満開ですね。
パリは暖かいのですね、東京の今日は真冬に逆戻りです。
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イタリア (take)
2008-03-05 23:58:27
Bonさん

『少年少女世界の文学』で夢中になったのは、『三銃士』、『ああ無情』だけでなく『クオレ』。これイタリアの作品ですね。初めて買ったLPはジリオラ・チンクエッティ。初めて見た(テレビでですが)サッカーのチャンピオンズ・カップ(今のチャンピオンズ・リーグ)の決勝戦(確か1969年か70年)で勝ったのがACミランで、優勝トロフィーをかかげたキャプテンは、ジャンニ・リベラでした。そのときからのカルチョ・ファン。映画も『にがい米』、『鉄道員』、『自転車泥棒』、『道』、『愛の泉』、『ニューシネマパラダイス』・・・そして『ローマの休日』とイタリア映画やイタリアを舞台にした映画が好きでした。大学の専攻を仏文にするかイタリア語にするか迷って、結局文学部に決めてしまった結果、今ローマではなくパリにいます。
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私も、ファンです (アルキメ君)
2008-03-06 10:10:02
おはようございま~す、アルキメで~す(*^_^*)
うわ~っ、どうしましょう、朝から話が弾んじゃいます。Bonさん、takeさん、素敵な話題をありがとう。
映画の切手市は、シャンゼリゼ公園とのことです。やはり切手市の場所にも伝統があるのでしょうね。ヘプバーンが、リュクサンブール公園を歩いていたのは、ピーター・オトゥール相手の映画「おしゃれ泥棒」の方でした。ヴァンドーム広場を車でグルグル回るのが印象的でした。ヘプバーン、ゲーリー・クーパー主演の「昼下がりの情事」の舞台もパリ。パリを舞台にラヴ・コメディをというのは、1900年代中頃までのアメリカ人の、フランス文化への憧れでもあったのでしょうね。
「講談社少年少女世界文学全集」買ってもらって、こちらも大ファンでした。「ああ無情」「最後の授業」「愛の妖精」「マテオ・ファルコーネ」「風車小屋だより」なんか懐かしいですね。
中でも、最高傑作は、「モンテ・クリスト伯」です。「岩窟王」の訳のころから読んでいて、ハラハラドキドキ、エドモン・ダンテスがパリの社交界へ出没するところなんか、ソレ行け!でした。
ひとりで、はしゃいで、ごめんなさ~い。
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出版社 (take)
2008-03-06 17:54:28
アルキメ君さん

『少年少女世界の文学』の出版元は講談社でしたか。引越しを繰り返しているうちに、全てなくしてしまい、手元には一冊も残っていません。せめて『三銃士』が入っている南欧編の1だか2だかが残っていてくれればいい思い出になるのにと残念です。
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