ぽたん、ぽたんと、屋根から落ちる水滴の音とともに2008年4月7日の朝が開けました。窓から見上げる空は、青空。それなのに、屋根からは水滴が。その理由は、外に出て漸く知ることとなりました。
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そうです、この冬初めての積雪。暖冬で、いろいろな花の開花も、木々の芽吹きも早かったのに、4月になってからの積雪。天気予報では、最低気温0度。どうりで、夜寝ていて寒かったはずです。夜来の雨が雪に変わっていたようです。一年前の今頃は、最高気温が27~28度もあり、昨年で最も暑かった時期。それが、今朝は積雪を見る。何という気候でしょう。こうした気候風土が住む人の精神に影響を与えないはずはないと思うのですが、どう影響を与えているのやら・・・
しかし、この国の人々が、「人権」に敏感なのは事実。そして今日、人権といえば、北京オリンピックの聖火リレー。人権擁護団体の抗議運動も行なわれることが予想されていましたが、実際に・・・
まずは、シャイヨー宮前のテラスでの抗議運動。
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朝10時、そこにはすでにチベットの旗を捧げもった多くの人たちが集まっていました。希望者には、小旗やTシャツを配布し、連帯の気持ちを伝えています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/9d/29497565013c70f9114aed8bba70969b.jpg)
なお「国境なき記者団」が配布したのは、手錠が形作る五輪のデザイン。こうした抗議運動に参加しているのは、フランス人ばかりではなく、アメリカやいろいろな国から来ている人権擁護派の人々。交わされる言葉も、フランス語と英語。人権を守ろうという気持ちが国境を越えて集まっているようです。ただし、白人ばかり。アジアやアフリカでは人権意識はないのでしょうか。日本人の団体旅行のグループもいましたが、全く関心ないようで、記念写真を撮ると、さっさと次の場所へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/d6/1c0c78fcaf70042857bdfc631008dc18.jpg)
中国に異を唱えているのではない、独裁体制に反対をしているのだ・・・中国と全面対決するのではなく、人権を擁護しない体制に反対しているのだと、中国国内の人権派との連帯を考慮したようなスローガンも掲げられています。昼12時過ぎ、さらに多くの人々が集まり、演説も始まりました。“Liberté au Tibet”(チベットに自由を!)、あちこちから叫びが聞こえてきます。
そして、セーヌをはさんだ対岸、エッフェル塔の足元では、12時35分、聖火リレーがスタート。物々しい警備と、各国からの人権擁護派とチベットの人々、そして中国政府支持の中国人グループ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/2c/f851aa8935df63cca35ba670fe5439eb.jpg)
車道に飛び出す、チベットの人々。押さえつける警察。警護のクルマの直前に横たわり、身をもって聖火リレーを阻止しようとするチベットの人々。彼らがこれほどまでの行動を取る背景は・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/09/011eb646e48947e5ed121f7fdaa8c153.jpg)
聖火のトーチらしきものをもった車椅子の女性が通り過ぎましたが、本来の聖火リレーはこのあと。多くのフランス警察の車両と警護の中国人(話題の青と白の帽子を被っています)に取り囲まれて聖火ランナーが登場しました。周囲では、“Liberté au Tibet”(チベットに自由を)と「加油、北京」(北京、頑張れ)が木霊しあっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/6e/bec02926d9f0b5d98cbc2a7a06a68249.jpg)
人権擁護派と北京政府支持派の間では全く小競り合いも起きず、それぞれが自己主張をしながら、聖火リレーを追いかけて舗道を行進して行きます。
聖火リレーは、一路セーヌを下り、パリの外に出たあと折り返し、凱旋門からシャンゼリゼへ。午後3時半、ここでは周囲のビルからも多くの人が見守っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/50/87c41472b3c8695465e701d5d9c47279.jpg)
オグルビー・ワン・・・広告会社のオフィスでは業務上関係があるのか、仕事が手につかないようで、多くの人たちが窓から眺めています。北京オリンピックの公式スポンサーのうち、パリでの聖火リレーでプロモーションを行なったのはコカコーラ、サムソン、レノボ(聯想:IBMのPC部門を買収した中国企業)のみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/c6/cae4194482318728bef840464afa6266.jpg)
せっかく大金を投じてスポンサーになったのだからどんなチャンスも見逃さずイメージ向上を図りたい、とはいうものの、人権擁護派を敵に回すのも拙い・・・開会式への出席に悩む各国首脳のように、スポンサーたちも悩んでいるのかもしれません。
4時過ぎ、聖火ランナーはパリ市庁舎前へ。中国人街のひとつに近いせいか、多くの五星紅旗が。しかし、市庁舎の壁には、人権を擁護するポスターが(「パリは世界中の人権を擁護する」)。
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市庁舎前広場では漢族とチベット族の小競り合いが。突き飛ばし合う女性たち、マイクの前で実情を涙ながらに訴えるチベット人女性。市庁舎前で大きな旗を振る、西洋人のチベット仏教僧。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/64/2030b94cf46bb4530fca96bd6ae48a45.jpg)
この冬初めての積雪、そして眼前に見る聖火ランナーと人権擁護団体。2008年4月7
日は、雪原を渡るような寒い風の中、新たな記憶とともに暮れていきました。
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そうです、この冬初めての積雪。暖冬で、いろいろな花の開花も、木々の芽吹きも早かったのに、4月になってからの積雪。天気予報では、最低気温0度。どうりで、夜寝ていて寒かったはずです。夜来の雨が雪に変わっていたようです。一年前の今頃は、最高気温が27~28度もあり、昨年で最も暑かった時期。それが、今朝は積雪を見る。何という気候でしょう。こうした気候風土が住む人の精神に影響を与えないはずはないと思うのですが、どう影響を与えているのやら・・・
しかし、この国の人々が、「人権」に敏感なのは事実。そして今日、人権といえば、北京オリンピックの聖火リレー。人権擁護団体の抗議運動も行なわれることが予想されていましたが、実際に・・・
まずは、シャイヨー宮前のテラスでの抗議運動。
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朝10時、そこにはすでにチベットの旗を捧げもった多くの人たちが集まっていました。希望者には、小旗やTシャツを配布し、連帯の気持ちを伝えています。
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なお「国境なき記者団」が配布したのは、手錠が形作る五輪のデザイン。こうした抗議運動に参加しているのは、フランス人ばかりではなく、アメリカやいろいろな国から来ている人権擁護派の人々。交わされる言葉も、フランス語と英語。人権を守ろうという気持ちが国境を越えて集まっているようです。ただし、白人ばかり。アジアやアフリカでは人権意識はないのでしょうか。日本人の団体旅行のグループもいましたが、全く関心ないようで、記念写真を撮ると、さっさと次の場所へ。
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中国に異を唱えているのではない、独裁体制に反対をしているのだ・・・中国と全面対決するのではなく、人権を擁護しない体制に反対しているのだと、中国国内の人権派との連帯を考慮したようなスローガンも掲げられています。昼12時過ぎ、さらに多くの人々が集まり、演説も始まりました。“Liberté au Tibet”(チベットに自由を!)、あちこちから叫びが聞こえてきます。
そして、セーヌをはさんだ対岸、エッフェル塔の足元では、12時35分、聖火リレーがスタート。物々しい警備と、各国からの人権擁護派とチベットの人々、そして中国政府支持の中国人グループ。
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車道に飛び出す、チベットの人々。押さえつける警察。警護のクルマの直前に横たわり、身をもって聖火リレーを阻止しようとするチベットの人々。彼らがこれほどまでの行動を取る背景は・・・
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聖火のトーチらしきものをもった車椅子の女性が通り過ぎましたが、本来の聖火リレーはこのあと。多くのフランス警察の車両と警護の中国人(話題の青と白の帽子を被っています)に取り囲まれて聖火ランナーが登場しました。周囲では、“Liberté au Tibet”(チベットに自由を)と「加油、北京」(北京、頑張れ)が木霊しあっています。
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人権擁護派と北京政府支持派の間では全く小競り合いも起きず、それぞれが自己主張をしながら、聖火リレーを追いかけて舗道を行進して行きます。
聖火リレーは、一路セーヌを下り、パリの外に出たあと折り返し、凱旋門からシャンゼリゼへ。午後3時半、ここでは周囲のビルからも多くの人が見守っています。
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オグルビー・ワン・・・広告会社のオフィスでは業務上関係があるのか、仕事が手につかないようで、多くの人たちが窓から眺めています。北京オリンピックの公式スポンサーのうち、パリでの聖火リレーでプロモーションを行なったのはコカコーラ、サムソン、レノボ(聯想:IBMのPC部門を買収した中国企業)のみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/c6/cae4194482318728bef840464afa6266.jpg)
せっかく大金を投じてスポンサーになったのだからどんなチャンスも見逃さずイメージ向上を図りたい、とはいうものの、人権擁護派を敵に回すのも拙い・・・開会式への出席に悩む各国首脳のように、スポンサーたちも悩んでいるのかもしれません。
4時過ぎ、聖火ランナーはパリ市庁舎前へ。中国人街のひとつに近いせいか、多くの五星紅旗が。しかし、市庁舎の壁には、人権を擁護するポスターが(「パリは世界中の人権を擁護する」)。
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市庁舎前広場では漢族とチベット族の小競り合いが。突き飛ばし合う女性たち、マイクの前で実情を涙ながらに訴えるチベット人女性。市庁舎前で大きな旗を振る、西洋人のチベット仏教僧。
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この冬初めての積雪、そして眼前に見る聖火ランナーと人権擁護団体。2008年4月7
日は、雪原を渡るような寒い風の中、新たな記憶とともに暮れていきました。
せっかく咲きそろったお花たちがかわいそうですね。
パリでの抗議運動、takeさんなら乗せていてくれると思っておりました(笑)
ロンドンに続いてパリでも激しい抗議運動、生々しいレポートありがとうございました。
聖火も一時は消されてしまったらしいですね。
無事北京に届くのでしょうか?
パリのトーチ・リレー記事、現地ならではの臨場感あふれる写真とユニークな文に魅きこまれました。
アジア人は人権意識が低いのかというご指摘には、共感。最近の朝日新聞の記事によれば、日本で死刑制度存続を希望する人は全体の80%を超えるそうです。まさにクレイジー。日本もイジメ・差別国家には変わりなく、中国を批判できる立場にはないでしょう。
しかしフランスは世界で唯一、トーチ・リレーのボイコットが期待できた国なだけに、行われたこと自体が残念です。それでも、世界中に人権尊重のメッセージを訴える機会にもなったので、すばらしいデモになりました。久しぶりに、胸が熱くなるニュースでした。
何かを戦い取った歴史のない国は、幸運なのか不幸なのか・・・人権しかり、平和しかり。与えられて当然、あって当然と思っているうちに、気にも留めなくなってしまっているのかもしれないですね。まして、真面目、硬いこと、難しいことは悪であると葬り去ってしまった戦後の日本においては、「人権」なんていう言葉も死後に近いのかもしれないですね。
人権宣言・・・やはり本場です。伝統です。群れることを良しとし、異質を排除する社会からは、なかなか人権という観念は生まれてこないのでしょうね。長い年月が、人の血肉になっているのでしょう。一朝一夕には出来ないことですし、変われないものなのでしょうね。
滞仏中、日本人がいかにチベット問題に無知であったか思い知らされました。フランス人に限らずヨーロッパの人たちは“人権問題”に敏感ですね。
ユマケンさんはフランスの聖火リレーボイコットを期待されていたようですが(笑)、聖火リレーを受け入れ、赤い中国国旗も振られる中での抗議運動こそ“人権”とか“報道の自由”を求めるフランスらしかったと思います。
で、
ユマケンさん同様私も抗議運動は成功だったと思いました。
しかし・・・
なぜチベットの旗が一部の警備の者に没収されたのか。
「人権問題を主張しながら走る」と各マスコミで公言していた柔道家、ドイエ氏の聖火が中国当局によって消されたのはなぜか。
問題は残ります。
最後に、
BFM(インターネットTV)で中国人記者が、
「聖火リレーは何の問題もなく行なわれていましたが、ロンドンで幾つかの妨害があり、パリではそれにも増しての騒ぎがありました。しかし今後このようなことはありません。パリが最後です」
と笑みを浮かべながらキャスターに答えていたのが印象に残ります。
アメリカでどうなるか?
そして日本では?
日本では、長野県の担当者が言うように問題は起きにくいのでしょうね。何しろ、「人権」に対する関心はあまりないですからね。
世界への関心、社会への関心、人間への関心・・・彼我の差は大きいようです。フランスの学生たちの間では、新植民地主義の台頭への関心が高まってきています。世界は動いているようです。そろそろ眠りから覚め、ものを考えねばと思うのですが・・・
日本でも長野で聖火が走りました。
チベット支持者と中国人の留学生が対立して騒然とした中での聖火リレーでした。
聖火リレーを応援するため、バスを連ねて長野市に馳せ参じた中国人留学生。
純粋なスポーツの応援の為ではなく、この様な応援がリレーを行っている国の国民の感情を逆なですることに気が付かない事が悲しいです。
この様な行為が中国に対して決して好い感情を抱かなくさせる事が分かっていない留学生。
実に悲しいです。