木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

ロスト・イン・トランスレーション

2009年09月17日 | 映画レビュー
もうすぐ秋の連休。DVD化されている映画の中で何本かお勧めの映画をご紹介したいとおもいます。



ロスト・イン・トランスレーション

ソフィア、ありがとう!
これほどまでに日本を正確に捉えていた映画はあったであろうか。

風鈴の音を聞いて涼しさを感じたり、こおろぎの鳴き声を聞いて秋の訪れを感じたりするのは日本人だけらしい。
それだけ、日本人は繊細だということだ。
ハリウッド映画などは、出会った男女がすぐにベットイン。
妙に違和感があるなあ、と思っていたら、日本人の感性のほうが大雑把になってきた。

ソフィア・コッポラは名前でも分かる通り、フランシスフォード・コッポラの娘である。
日本に住んでいたこともあって、日本に対する造詣は深い。
LとRの発音が出来なかったり、悔しいけど事実といった内容も盛り込まれている。

「ロスト・イン・トランスレーション」はソフィアが2003年に作った映画である。
過激なストーリー展開はなく、どちらかというと、淡々と物語は進んでいくのだが、よくありがちなエピソード挿入によって成り立っている映画とは違う。
病院でビルマーレイとおばあさんが遣り取りをする場面など日本人監督のような演出である。

ヒロインのスカーレット・ヨハンソンは初々しくて可愛い。
し主人公のビル・マーレイは中年の落ち着きと諦めをよく演じている。まばたきの多さがによって心境を表そうとするのは、まるで谷啓のようである。

音楽とカメラワークも素晴らしく、観終わった後も爽やかな気分になれる。
抱えた問題はすぐに解決しない。時には諦め、時には我慢しながら問題が解決するのを待つ。20代の女性の持つ悩みと中年男性の持つ悩みでは違って当然である。それぞれの年代にそれぞれの悩みがある。この映画は悩みの解決方法については回答してくれない。
だが、誰もが悩みを持っていて、その悩みは自分の中で解決しなければならないことを教えてくれる。だが、解決のヒントを与えてくれる人はいる。この映画の二人の出会いは、一期一会なのだろうが、思い出は永遠だろう。お互いに触発されるような人間関係を築きたいものだ。

映画から
The more you know who you are
and what you want,
the less you let……things upset you.

(もっと自分を知り、自分が何をしたいのか分かる様になると、
周囲に振り回されなくなる)




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