木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

皮肉と婉曲表現

2010年07月14日 | 日常雑感
「ええなあ、あんたの性格」
「余裕がある人は違うなあ」
「ほんまに、敵わんわ」
皮肉屋の言葉はにはトゲがあり、腹が立つ。皮肉というのは婉曲表現であるから往々にして、こちらも曖昧に言葉を返すことが多い。
だが、相手の皮肉に全く気づかない人がいる。惚けているのかと思うくらいの反応をする人もいて、端にいる者は皮肉屋と鈍感屋の間の会話をハラハラする思いで見ることになる。
皮肉屋の胸の内は、もちろん言っていることと正反対のことを言いたいのだが、そこには一種の羨望があるのも事実。
「ええなあ、あんたの性格」は、「その性格なんとかしろよ」と言う意なのだが、一方でそんなお気楽な性格が羨ましいと思う心もある。
「余裕がある人は違うなあ」は「仕事量が少ないんじゃないか」と思う心があるが、「俺も仕事量を減らして欲しい」という気持ちがあるかも知れない。
へんてこな言い方をしないで、直裁な言い方をすればいいじゃないか、と思うくらい皮肉が嫌味に聞こえる時もある。
ドライブの最中、「喉が渇かない?」と彼女に聞かれたら、それは「私は喉が渇いたのでどこかでお茶したい」という意味であるという。
対人関係を傷つけまいとして、行っているつもりの婉曲表現はかえって、人間関係を阻害することにもなりかねない。婉曲表現に限らず、自分ではよかれ、と思って行っていることが、結局は独りよがりの行動に過ぎないこともある。
自分でも気を付けたいものだ。

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