7/2旅人 

山と旅が好きです。

2021年02月19日 | 独り言

 

さて前回の続き

ゲルに落ち着いた、しんしなーと僕は、上席らしき場所に座った。

しんしなーは特別な交渉したの様子は無く。

自然に此処きてしまった感じなのだ。

カザフの人々は遊牧民である。

遊牧民は客を手厚くもてなしてくれる。

(何の前触れもなく訪れる旅人は神様が使わした贈り物である。)

そして旅人は大切な情報源だった。

遊牧民は家畜だけで、生活しているわけではない。

塩や香辛料、小麦などを、山羊やバターと交換する、交易民族でも有る。

そして戦いとなると馬に乗って戦う遊牧民達は、最強の騎馬軍団となる。

鉄砲などが無い時代、無敵の機甲軍団だった。

夕闇がせまってきた。 なにやら動物の断末魔が・・・

そして夜、晩餉が始まった。

家長が、僕としんしなーに料理をよそってくれた。

それは、肝臓だった。レバーが一番のご馳走なのだ。

ありがたく頂戴した。 カザフの人達の言葉は解らない?

しかし、しんしなーと僕は谷の奥へ行きたいことを伝えた。

翌朝、また馬が用意され谷の奥へ。

だんだん傾斜がキツくなってきたので。

僕には都合よく馬はスピードを上げない。

2時間ほど進むと、おチビと兄ちゃんは此処までだよ! 

って感じで馬を降り僕たちにサヨナラをした。

そうだねもう標高は3000m超えているだろう。

しんしなーと僕は、まあ行けるところまでと歩き始めた。

「タッカー はりー 早く来い。」 無茶いうな、しんしなーの身長は190cm以上はあるだろう。

手足も僕1、5倍はありそうだ。 しんしなーが二歩進むと僕は三歩進まないと追いつかない。

凸凹コンビは谷を登りつめ峠に立った。 そこから、雪と氷の世界だった。

二人は口をあんぐり開け、景色を見入った・・・

もちろん僕らは登山許可など持っていない。

此処までだね、としんしなーと僕は、ゆっくり降っていった。

この活動日記を書くに当たり、ちょっと調べたら。 此処はすっかり観光化されたらしい。

皆、スマホや端末を持ち情報を得、いろいろな物欲に悩んでいるのだろう。

もう素朴な彼らには逢えないかもしれない。

旅人の勝手な言い分だけど。

僕らは世話になった、人達に僅かな金銭を渡した。

あんまり嬉しそうでは無かった。

山を降りて、荷物を調べたら。

僕の一リットルの鍋が無くなっていた。 やりやがったな・・・

でも、不思議と腹は立たず。

お金なんかより蓋の付いたアルミ製の鍋のほうがよっぽど良かったんだ。

今でもあの鍋が、あのゲルで使われていたら と思うと。

なんか嬉しく。

僕は今でも、お腹の中でクスっと笑ってしまうのだ。^ー^

ごちそうさまでした。 ありがとう、美味しかったよ。

 

ゲルの中は暖かい。 そしてそこに住む人達も温かい。

山羊君も付けているよ、マスクをしよう!!