7/2旅人 

山と旅が好きです。

羽釜

2021年04月08日 | 独り言

今は昔

僕は、中央アルプス大田切本谷を、仲間二人と空木岳を目指し登っていた。

山頂まで小滝がいくつもいくつも、延々と続いた。

そして空木岳頂上へ。

ここで、仲間二人は下山、僕はそのまま南下し縦走を続ける予定だった。

登攀具は下山する彼らに任せ、炊事用具と一泊二日分の食料を背負い。

別れを告げた・・・

天気は下り坂で、百間ナギの避難小屋に着いた頃にはずぶ濡れになった。

入り口に雨水を貯めるためか、お釜が置いてあった。

寒い寒い・・・

さあ、バーナーを付けてラーメンを作ろう!

ザックを開けて中身を出す。

ありゃ あれえ バーナーはあるのだが鍋がない。

荷物を分けた時に、確認しなかったのだ。

困った。

食料はラーメンを一袋。 それと僅かばかり行動食だけだ。

雨で体が濡れて、寒い。 温かいラーメンが食べたい!

しかし、鍋は無し_| ̄|○

寒さに体が震えてきた。

ラーメン齧って寝ちまうか、と思っていた。

用足しに外へ出た。 そして気がついた!!

雨水を貯めているお釜が使えないかな?

水をあけ、小屋に入れて眺めてみた。

一升炊き、いや二升炊きかな。

ガスバーナーの五徳にのせてみた、うう、不安定だ。

しかし、支えていればなんとかラーメンが出来そうだ^ー^

十分後。 サッポロ一番みそラーメンが出来上がった。

食器も持っていないので、お釜から直接ラーメンを食べた。

鍋を傾かせるのが難しく、お汁を飲もうとすると顔中がラーメンになった。

お釜自体が重いので、相当腕力を使ったがとても美味しいラーメンだった。

次の日、行動食のチョコやらビスケットを齧り越百岳まで登り下山した。

そして街に出た。 このまま、白馬岳から後立山連峰へ行くつもりだった。

食料を買い足し、なにより鍋を買わなければ。

そして1リットルの片手鍋を買った。

そして、その鍋は随分といろいろな山で活躍したのだが・・・・

鍋を買った。

このままだと、柄が邪魔なので、自転車さんでノコギリを借りて。

三分の一の長さに切り。自転車のハンドルに巻く布テープを巻いた。

ところが、この鍋も別れる時が来た。

そう、カザフのゲルでこの鍋は無くなった。

いやプレゼントしてきたのかな?^ー^」」

 

 

お終いなのだm(_ _)m


追悼 矢口高雄さん

2021年03月22日 | 独り言

今は昔 僕は鶴岡市大鳥にいた。

大鳥池を経て以東岳へ登るためだ。

本来の計画は新潟県側から登るつもりだったが・・・

通行止め。

仕切り直しで山形県側から大鳥池を目指し登った。

今日の泊まり場は大鳥池。

そうタキタロウ伝説。

矢口高雄さんの「釣りキチ三平の舞台」にもなった大鳥池だ。

矢口高雄(漫画家) 秋田県出身。

前職は、銀行員だった。

しかし、漫画家の夢は捨てきれず上京。

水木しげるなどに評価される。

釣りキチ三平が釣りブームの火付け役となり一躍人気作家となった。

2020年11月20日、永眠・・・・

僕は、中学校までは釣りが好きだった。

でも、それ以降たまに沢で釣りをするぐらいで・・・

矢口高雄さんの作品は釣りだけではなく。

野生動物、自然を題材とした作品が多い。 個人的には「マタギ列伝」が一番好きだ。

そうだ!ツツガムシの怖さを知ったのは矢口高雄さんの漫画だった。

一時期は症例が減ったが、また増えているようだ。

他にも、たくさん作品が学校の教科書に、採用されている。 是非これらの作品を見かけたら。 手にとってほしいm(_ _)m

 


ささみ

2021年03月14日 | 独り言

山へお泊まり。

食料は、背負ってきたものだけだ。

コンビニやスーパーがあるわけでないので、持ってきたものを食べるしか無い。

ある日一泊二日の予定で山に入った。

途中コンビニで食料を買い足したビールを買い、おつまみを少々。

ミックスナッツともう一品。

陳列棚を覗きながら、鳥のささ身の文字が目に入った。

そうそう、タンパク質が大事なんだよ~買い物かごに入れた。

そして、泊まり場に着いた。 テントを張って、ビールを飲む。

ミックスナッツを頬張りながら、ビールを飲む。

そして、買ってきた。鳥のささ身を食べた・・・

うん?さっぱり味、というか味がしない。

まあいい、あっさり過ぎて美味いとは言えない。 そして、メインディッシュは、ウルトラランチ、ビバークレーションお茶漬け味だ。

初めて食べる。アルファ米は出来上がりまで20分、ビバークレーションはたったの2分だ。

かさばらず、カロリーもアルファ米よりも高い。

良いとこづくしなのだが。

食べてみたら。不味い。 不味いのだ。

今回の食料は、外れだね。

朝、昨夜食べたものを片付けていたら・・・

鳥のささ身に猫のマークが?

もしや、このささ身( ゚д゚)ハッ! ニャンコ用のささ身だったのだ。

あははhは・・・

まあ、別にお腹を壊したわけではなく。

体調は変わりない。 ま、いいか^ー^

 


2021年03月01日 | 独り言

藪こぎは、辛いものだ。

どんな登山形態でも適期があって。 藪こぎは、暑い時期、春の虫が増える時期はやめたほうが良い。

真冬の時期は藪こぎ向きなのかな^ー^

しかし、地図読みとコンパスは必須!

最初は登山道から、5mか、10m離れて歩いてみるのも良いかもしれない。

安全第一だけど・・・

藪こぎグレード。 面白いものを拾ったので引用させて頂きます。m(_ _)m

『群馬の山歩き130選』の藪漕ぎグレード

1級:腰から胸までの薮で、周囲の見通しは良好、楽しむ感じ。

2級:普通の薮。手でかきわけて進める。見通しも悪くなく、不安はほとんど感じられない。

行く手も良く見渡せる。 3級:手だけでは漕げず、足の力も借りないとかきわけられない。手足に傷が出来うっとうしさを感じる。

4級:前方視界2、3m。グループで行っても頼れるのは自分だけ、顔にも傷が出来、疲労と不安が交互に来る。大幅なタイムロスが気になり出す。

5級:足は地に着くが、力関係は薮の方が強い。焦りが頭を駆めぐり、傷の痛さも忘れてしまっている。山登りに来てしまった事を後悔する。

6級:手足とも地に着かず、樹中でもがくだけ、時速50mの世界で、目の前は真っ暗。完全なパニック状態。

hははh、面白い! 僕だけか・・・

Ⅰ級:自然に出来た踏み跡で歩きやすい。

Ⅱ級:両手を使い始める。

Ⅲ級:本格的なヤブ。

Ⅳ級:非常にきつく、ヤブをこぐ気力を失うようなところ。

Ⅴ級:自分が過去に体験した中で最もひどい部類のヤブで、その中に入ると身動きできなくなるようなところ。

Ⅵ級:自分がいまだかつて体験したこともないような猛烈なヤブ。 これを書いたのは細貝栄さん。 伝説の登山家である。

引用させて頂きます。

「僕の荷物というのは、背負子に食糧を入れた一斗缶をつけ、さらに大きな袋とキスリングを縛りつけているので、まるで洋服ダンスを担いでいるようなものだ。その格好でⅤ級の藪に飛び込むと身動きできなくなり、時には発狂するほど苦しくなる。」地図上の平面距離で290キロもある那須から浅間を、単独・ノンサポート・ノンデポで大縦走したときの激しい藪コギの様子を綴った一節だ。このほかにも、南アルプス全山縦走(冬期26日間)、日高山脈全山縦走(積雪期33日間)や断食山行など、ある意味自虐的とも思えるような山行をくり返し展開した。 「290キロもある那須から浅間」地図開いてみると! う、ちょっと強烈すぎ。凄すぎだあ!

 

2021年02月19日 | 独り言

 

さて前回の続き

ゲルに落ち着いた、しんしなーと僕は、上席らしき場所に座った。

しんしなーは特別な交渉したの様子は無く。

自然に此処きてしまった感じなのだ。

カザフの人々は遊牧民である。

遊牧民は客を手厚くもてなしてくれる。

(何の前触れもなく訪れる旅人は神様が使わした贈り物である。)

そして旅人は大切な情報源だった。

遊牧民は家畜だけで、生活しているわけではない。

塩や香辛料、小麦などを、山羊やバターと交換する、交易民族でも有る。

そして戦いとなると馬に乗って戦う遊牧民達は、最強の騎馬軍団となる。

鉄砲などが無い時代、無敵の機甲軍団だった。

夕闇がせまってきた。 なにやら動物の断末魔が・・・

そして夜、晩餉が始まった。

家長が、僕としんしなーに料理をよそってくれた。

それは、肝臓だった。レバーが一番のご馳走なのだ。

ありがたく頂戴した。 カザフの人達の言葉は解らない?

しかし、しんしなーと僕は谷の奥へ行きたいことを伝えた。

翌朝、また馬が用意され谷の奥へ。

だんだん傾斜がキツくなってきたので。

僕には都合よく馬はスピードを上げない。

2時間ほど進むと、おチビと兄ちゃんは此処までだよ! 

って感じで馬を降り僕たちにサヨナラをした。

そうだねもう標高は3000m超えているだろう。

しんしなーと僕は、まあ行けるところまでと歩き始めた。

「タッカー はりー 早く来い。」 無茶いうな、しんしなーの身長は190cm以上はあるだろう。

手足も僕1、5倍はありそうだ。 しんしなーが二歩進むと僕は三歩進まないと追いつかない。

凸凹コンビは谷を登りつめ峠に立った。 そこから、雪と氷の世界だった。

二人は口をあんぐり開け、景色を見入った・・・

もちろん僕らは登山許可など持っていない。

此処までだね、としんしなーと僕は、ゆっくり降っていった。

この活動日記を書くに当たり、ちょっと調べたら。 此処はすっかり観光化されたらしい。

皆、スマホや端末を持ち情報を得、いろいろな物欲に悩んでいるのだろう。

もう素朴な彼らには逢えないかもしれない。

旅人の勝手な言い分だけど。

僕らは世話になった、人達に僅かな金銭を渡した。

あんまり嬉しそうでは無かった。

山を降りて、荷物を調べたら。

僕の一リットルの鍋が無くなっていた。 やりやがったな・・・

でも、不思議と腹は立たず。

お金なんかより蓋の付いたアルミ製の鍋のほうがよっぽど良かったんだ。

今でもあの鍋が、あのゲルで使われていたら と思うと。

なんか嬉しく。

僕は今でも、お腹の中でクスっと笑ってしまうのだ。^ー^

ごちそうさまでした。 ありがとう、美味しかったよ。

 

ゲルの中は暖かい。 そしてそこに住む人達も温かい。

山羊君も付けているよ、マスクをしよう!!