グアテマラの首都、グアテマラシティZona4 (第4地区)、夜の9時。
ぼくは、Le clubという大きなナイトクラブの前に立っていた。
グアテマラは周辺諸国と違い、住所を、名前ではなく番号で区別する。
日本の住所は、横浜市北区青葉台…のように番地の前に地名がつく。各地域に名前がある。
グアテマラ場合、この名前がない。
住所表記の例をあげると、グアテマラシティ第4地区2-15。これで郵便物が届く。
通りのかどには、この番地が標記されている。道に迷うことなく目的地に着くことができる。シンプルでよいが、あまり人間味を感じない。
Zona9、10が新興開発地域で、最新のビル、オフィスが立ち並び、高級ナイトクラブも乱立している。
巨大なショッピングモールの中に、おしゃれな店が勢ぞろい。休日は多くの客でにぎわう。
この地域にいると、ここが開発途上国であるということを忘れてしまう。
かつて、街の中心はZona1。ここには、現在でも、大統領が住む大統領府公館が設置されている。中央公園の向かい側。古めかしいが、時代を感じさせる立派な建物だ。
Zona4はどんなところなのだろう。
Zona1が首都の中心として栄えた時期、高級ホテルと歓楽街で栄えたのがZona4だ。その名残で、一部のホテルとナイトクラブが今でも営業を継続している。
かつての華やかさはなく、どことなく暗い、影のある繁華街だ。
Zona4は危険区域。今では貧困層の住む地域となっている。
開発途上国では、経済レベルが住む地区まで決めてしまう。
日本でも、田園調布などの高級住宅街はある。でも、開発途上国のようにな明確な線引きはできない。グアテマラでは「この地区は富裕者、あの地区は貧困者が住む地域」という説明ができてしまう。
住む地域によって、その人の富裕度がわかってしまうのは、開発途上国の特徴の一つだ。
グアテマラシティ最大の市場(マーケット)がZona4バスターミナルを取り囲むように広がっている。治安は最悪。だから、日本人でこのあたりをうろうろする人は誰もいない。特に夜。
たった一人の日本人を除いては…
週末、大多数の日本人は首都に集まり、ともに時間を過ごす。
おしゃべり、食事、ショッピング。ときには観光旅行。
ぼくは日本人のたむろする場所には行かなかった。
「せっかく開発途上国にいるのだから、現地の人と共にすごす」
などという高尚な理念をもっていたわけではない。
ただ単に、集まっている日本人の雰囲気が肌にあわなかった。
休日の昼間、クリシュナムルティ「自我の終焉」を読みふける。
理解を深めるため、英語の原書も読んだ。やさしい表現なので、辞書を片手に英語でも読めた。
私たたが根本から変化するためには、どのようなエネルギー、衝動、強さが必要なのでしょう?
外面からの圧力はそれを実現しませんでした。それはきわめて明らかです。それはあなたにとっても明らかですか?
社会を変えることによって、あなたが変わることはないでしょう。なぜなら、社会をつくりあげたのはあなただからです。それは明らかですか?
外側ではなく内の変革こそが真の革命であるとクリシュナムルティはいう。
世の中の混乱の原因、人の行動の真意…クリシュナムルティの残したことばには確かに真理が含まれているように思えた。
それでも、ぼくの心の中の矛盾は解決されることはなかった….
グアテマラの首都グアテマラシティの夜は肌寒い。その寒さを感じながら、先日のことを思い出す。
赴任直後の大臣との会議。グアテマラの慣習をよく理解していなかったばかりに、グアテマラ人某局長の機嫌をそこねてしまう。
ホンジュラスの田舎街でのあたたかな会話がなつかしかった。
何にでも自由に自分を表現できたホンジュラス。すべてを受け入れてくれるふところの大きさがあった。
田舎のナイトクラブで知り合った女性のあたたかさを求めて…
グアテマラでの一人暮らしの寂しさをまぎらわせるため…
葛藤から、心の空虚感から逃れるため…
ナイトクラブの前に立っていた。
これらは単なる理由。もてあました時間をすごすため、無意識に行動していたのかもしれない。
真夜中の街を平気で歩いた。
「グアテマラ人はこの通りを歩いている。同じような目立たない格好をしていれば襲われることはない」
自分なりの理屈をつけた。
怖い物知らずだった。
ドラッグ、ホモ、売春…
旧市街地のZona1、Zona4の夜の街には、人の心の闇の部分が顕現されていた。
多くの方に楽しい旅をしていただければと思います。
応援のクリックをどうもありがとうございます。
ぼくは、Le clubという大きなナイトクラブの前に立っていた。
グアテマラは周辺諸国と違い、住所を、名前ではなく番号で区別する。
日本の住所は、横浜市北区青葉台…のように番地の前に地名がつく。各地域に名前がある。
グアテマラ場合、この名前がない。
住所表記の例をあげると、グアテマラシティ第4地区2-15。これで郵便物が届く。
通りのかどには、この番地が標記されている。道に迷うことなく目的地に着くことができる。シンプルでよいが、あまり人間味を感じない。
Zona9、10が新興開発地域で、最新のビル、オフィスが立ち並び、高級ナイトクラブも乱立している。
巨大なショッピングモールの中に、おしゃれな店が勢ぞろい。休日は多くの客でにぎわう。
この地域にいると、ここが開発途上国であるということを忘れてしまう。
かつて、街の中心はZona1。ここには、現在でも、大統領が住む大統領府公館が設置されている。中央公園の向かい側。古めかしいが、時代を感じさせる立派な建物だ。
Zona4はどんなところなのだろう。
Zona1が首都の中心として栄えた時期、高級ホテルと歓楽街で栄えたのがZona4だ。その名残で、一部のホテルとナイトクラブが今でも営業を継続している。
かつての華やかさはなく、どことなく暗い、影のある繁華街だ。
Zona4は危険区域。今では貧困層の住む地域となっている。
開発途上国では、経済レベルが住む地区まで決めてしまう。
日本でも、田園調布などの高級住宅街はある。でも、開発途上国のようにな明確な線引きはできない。グアテマラでは「この地区は富裕者、あの地区は貧困者が住む地域」という説明ができてしまう。
住む地域によって、その人の富裕度がわかってしまうのは、開発途上国の特徴の一つだ。
グアテマラシティ最大の市場(マーケット)がZona4バスターミナルを取り囲むように広がっている。治安は最悪。だから、日本人でこのあたりをうろうろする人は誰もいない。特に夜。
たった一人の日本人を除いては…
週末、大多数の日本人は首都に集まり、ともに時間を過ごす。
おしゃべり、食事、ショッピング。ときには観光旅行。
ぼくは日本人のたむろする場所には行かなかった。
「せっかく開発途上国にいるのだから、現地の人と共にすごす」
などという高尚な理念をもっていたわけではない。
ただ単に、集まっている日本人の雰囲気が肌にあわなかった。
休日の昼間、クリシュナムルティ「自我の終焉」を読みふける。
理解を深めるため、英語の原書も読んだ。やさしい表現なので、辞書を片手に英語でも読めた。
私たたが根本から変化するためには、どのようなエネルギー、衝動、強さが必要なのでしょう?
外面からの圧力はそれを実現しませんでした。それはきわめて明らかです。それはあなたにとっても明らかですか?
社会を変えることによって、あなたが変わることはないでしょう。なぜなら、社会をつくりあげたのはあなただからです。それは明らかですか?
外側ではなく内の変革こそが真の革命であるとクリシュナムルティはいう。
世の中の混乱の原因、人の行動の真意…クリシュナムルティの残したことばには確かに真理が含まれているように思えた。
それでも、ぼくの心の中の矛盾は解決されることはなかった….
グアテマラの首都グアテマラシティの夜は肌寒い。その寒さを感じながら、先日のことを思い出す。
赴任直後の大臣との会議。グアテマラの慣習をよく理解していなかったばかりに、グアテマラ人某局長の機嫌をそこねてしまう。
ホンジュラスの田舎街でのあたたかな会話がなつかしかった。
何にでも自由に自分を表現できたホンジュラス。すべてを受け入れてくれるふところの大きさがあった。
田舎のナイトクラブで知り合った女性のあたたかさを求めて…
グアテマラでの一人暮らしの寂しさをまぎらわせるため…
葛藤から、心の空虚感から逃れるため…
ナイトクラブの前に立っていた。
これらは単なる理由。もてあました時間をすごすため、無意識に行動していたのかもしれない。
真夜中の街を平気で歩いた。
「グアテマラ人はこの通りを歩いている。同じような目立たない格好をしていれば襲われることはない」
自分なりの理屈をつけた。
怖い物知らずだった。
ドラッグ、ホモ、売春…
旧市街地のZona1、Zona4の夜の街には、人の心の闇の部分が顕現されていた。
多くの方に楽しい旅をしていただければと思います。
応援のクリックをどうもありがとうございます。