ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」は2日、ロシアの無人機がウクライナ南部オデーサ州の港湾と産業施設を攻撃したと伝えた。火災が起き、穀物を運ぶエレベーターに被害が出た。オデーサ州では7月24日にも、ルーマニアとの国境に近く、穀物の輸出拠点であるイズマイール港につながるドナウ川沿いが無人機で攻撃された。

 ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領はSNS上で「受け入れられない」と強調し、民間施設へのロシアによる相次ぐ攻撃が戦争犯罪にあたるとの認識も示した。ロイター通信によると、ウクライナの副首相は、2日の攻撃で、アフリカ中国、イスラエル向けの穀物約4万トンが被害に遭ったとの見解を示した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領もSNSで「ロシアのテロリストが再び、港、穀物、世界の食糧安全保障を攻撃した」と非難した。

 一方、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は1日、ロシアで今後、「未確認の無人機が増える」とSNSで投稿した。ロシアの首都モスクワで無人機による攻撃が相次いだことを念頭に、同様の攻撃がさらに増えると示唆した。

 英スカイニュースは、相次ぐモスクワへの攻撃には、露国民の間で「プーチン大統領は国民を守ることができない」との懸念を強めようとするウクライナ側の狙いがあるとする、軍事アナリストの分析を伝えた。