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Abats奥村@松原通烏丸東入ル俊成町:夏の限定 冷やしおざる中華
丁度一年前、平日の昼に機会を作って初訪し、提供してくれる麺料理の素晴らしさにコレは良いお店に巡り会えたと喜んだものだった。で、今年もこの時期にチャンス作ってこの日訪れることにした。
ランチメニューはレギュラーで六種あるが、
夏の暑い時期、狙い目はコレ。ワタシは2玉260gで、同行者は1玉130gで注文。
昨年の夏限定は「冷やしざる中華」だったが、今年は「冷やしおざる中華」。「お」に、塩味テイストであることをさり気なく表現。さーて、それでは、いただきます。
麺の器。おしながきには「三重県産あやひかり100%麺屋棣鄂製の小麦香る細麺」とあるが、ある識者からの情報では、この麺が棣鄂の「MA1」なのだそうな。MA1なんていうと、1980年代あたりに流行ったアメリカ空軍のフライトジャケットを想起するが、アレとは全く関係がない。(そら、そうやろ。)
それはさておき、昆布水に浸ったこの麺、そのままでもスルスルと啜り込んで、危うくそのまま平らげてしまいそうになるほど。
それはさておき、昆布水に浸ったこの麺、そのままでもスルスルと啜り込んで、危うくそのまま平らげてしまいそうになるほど。
麺の上に置かれたキュウリは少し水分を抜いて中華ダレを忍ばせてある。また、鶏ムネ肉は低温調理で柔らかく仕上げてあり、この季節にさっぱりといただけるようになっている。興味深かったのは海苔の代わりのようにして飾り付けてある昆布。おぼろ昆布の海苔バージョン???これ、寿司屋さんでバッテラとかに用いられる「白板昆布」だそうな。こういう使い方もできるのねナルホド。
つけ汁の器。昨年の「冷やしざる中華」では醤油ベースに出しゃばり過ぎない甘みと酸味をアレンジされた。今年は「塩」がベース。画像には見えないが、汁の底には塩漬けにしたようなアサリの身がひそめてある。そして、ミニトマト。これも画像では確認しづらいが、オレンジ色のと、赤色のに加え、ブラックチェリーだったかしらん?黒っぽいのとの3種が仕込んである。とりわけ、オレンジ色のやつは、大原の生産者さんの肝いりで作られたものを特別に入手したそうで、まあ、奥村さんの素材に対する思いがよく現れたものだ。というわけで、今年の「冷やしお」は、理屈でいえば、アサリの旨味成分コハク酸とトマトの旨味成分グアニル酸、そして麺に沁む昆布水のグルタミン酸を用いた「旨味の相乗効果」を巧みに用いている。 そこに邪魔にならない程度にちょちょっとパクチーの緑を浮かべ、ミニトマトの赤とで彩りも添える...。
こういうアイデアは、果たして、どこから来るのだろうか。最初から「旨味の相乗効果」を計画的に狙ったのか、素材を足し引きして試作するうちに偶然たどり着いたのか、それは知らないが、味わいに関してこういう引き出しを持っているのが、彼だ。そんな旨味の組み合わせに、微妙は塩加減で「いい塩梅」を引き出してくる。この塩加減も、足りなければ麺を啜り始めての序盤はいいけど、やがて単調さに繋がりかねない。さりとて塩味が強すぎるとしょっぱく感じられる。「そのへんがムズカシイところ、なんですよね。」...御意。そして、お楽しみはさらに続くことになる。
こういうアイデアは、果たして、どこから来るのだろうか。最初から「旨味の相乗効果」を計画的に狙ったのか、素材を足し引きして試作するうちに偶然たどり着いたのか、それは知らないが、味わいに関してこういう引き出しを持っているのが、彼だ。そんな旨味の組み合わせに、微妙は塩加減で「いい塩梅」を引き出してくる。この塩加減も、足りなければ麺を啜り始めての序盤はいいけど、やがて単調さに繋がりかねない。さりとて塩味が強すぎるとしょっぱく感じられる。「そのへんがムズカシイところ、なんですよね。」...御意。そして、お楽しみはさらに続くことになる。
途中からの味変アイテムに用意された「煮干しお肉そぼろ」。ちょっとピリ辛な肉そぼろの中に、結構ニンニクパンチと煮干しの味わいを含ませている。
麺を味わう途中につけ汁に入れてもいいけれど、追加の〆ゴハンでコレを味わう。そこで、さらに「良かったら、これもドウゾ」と出していただいた、なにやら自家製ふりかけみたいなスパイスボトル。中身は自家製の煮干カレー粉だという。煮干し粉に、カレー粉をブレンド。コレも味の脳内引き出しの為せる技であろう。
それらを、つけ汁にドボンしていただく。冒頭の麺の器の昆布水に始まり、ここまで、飽きることない変化を連続して楽しませてくれる。これほどまで冷やしメニュー、やはり食べに来て良かった。一流のつくり手は、本当に、料理をいただくことを、楽しませてくれるものだ。
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