本サイト「お店で食べたラーメン」にこのお店のことを記したのは2002年の6月のこと。あれから3年以上経つ。
「並」を注文。豚骨と鶏ガラをしっかりと煮出してとった動物系の濃厚なうまみは健在。
場所柄なのか、京都でも屈指の古参店でありながら、「ますたに」やたかばしの老舗二店や、私の里である山科の「夜鳴きや」のようにマニア的視点からの着目を浴びることは少ないような気がする。
また、必ずしも「昔と同じ味」ではないと思う。昔はもっと野菜をクタクタに煮詰めたときに漂うある種の臭みが却ってここの味でもあったように思うが、今の方が旨いラーメンになっているんじゃないかと私は勝手にそう思う。
少なくとも、放っておいても観光客、南座観劇のヒト、祇園界隈に徘徊する酔っぱらい等々、多くの人が行き来する超A立地な場所にあって、業務用スープでごまかすことなく、数十年間以上ブタとトリの骨をクタクタに煮込んで来ていることは窓越しに見えるダシがらが物語っている。もうすぐ、春の観光シーズン。京都観光で四条・祇園界隈に行った時、観光客相手の「京風ラーメン」ではない、ジモティな「京都ラーメン」を味わうのには良いと思う。ただし、カウンター9席の超狭い店舗なので、団体での訪問はやめといた方が良いことを書き添えておこう。