はなふく(華福)@伏見区鑓屋町

昨日訪れた「麺家」に引き続き、昨秋にオープンした伏見区の新店。
息子を連れて行って来た。すでに何人かの有名ブロガーさんが書いている通り、場所はかつて「A級」でその後「DX」になった後、取り壊されてしまったあの劇場跡地である。

上の画像の、このお店の玄関に位置する場所は、平日の夕方になれば、目の前の赤信号の交差点から信号待ちのクルマが溜まるところでもある。(ココ数年間で、仕事帰りに何度ココで信号待ちしたことか!)
扉一枚を隔てた店内は、4人がけテーブル席がひとつにカウンターも6人が精一杯、ととても小じんまりしている。日曜日のお昼はその店内にお客が満員で、熱気に満ちていたのだが、お店の外からはそんな様子は感じられない。


店内はメニューの文字やレイアウトをはじめ、例えば、カウンターの隅にあるこのグリーンなど若い大将のやはり若い奥さんの女性らしいセンスが感じられる。
同行の息子は、手書きのメニューには「鶏と豚でとったコラーゲンたっぷりとろみのあるスープ」とある「鶏とんこつ」を迷うことなく注文。なので私は「魚介(サンマ・アジ等)と鶏ガラでとったあっさりしたスープ」なしょうゆラーメン(魚介だし)を注文。値段はともに650円。
これにからあげ(3コ)を追加した。
厨房の様子を見ていると、普通なら寸胴が鎮座ましましているはずのところにあるのはフタんところに圧力計の付いた巨大な圧力鍋。営業時に出すラーメンスープは「鶏とんこつ」「しょうゆ」それぞれに小鍋にブレンドし、温めて出す方式をとるようだ。若い大将はカウンター席のの私の目の前で、30ccサイズのレードルにタレをきっちり計って鉢に入れ、小鍋から360ccサイズのスープレードルに移したブレンドスープを鉢に移し、スープレードルに40ccばかり残したところで注ぐのとどめるという作業をし、その後、合わせたスープを平たい小皿に移して味見しチェックして...と、とにかく一つ一つの作業がマニアックなほどに丁寧なのである。
と、まあ、そういう丁寧具合なので、ある程度待つことにはなるわけだが、私のような人間には、目の前でその作業を見ている時間は楽しくてしようがない時間でもあるのだ。
とにもかくにも、イケメン若大将と美人の若奥さんが、丁寧に、一生懸命に仕事に勤しんでいる様子には見とれてしまうものがある。

まずは息子が注文した「鶏とんこつ」。圧力鍋の利点を生かしたまったりとした粘度のある動物系スープが冴える。スープを味見してみると、高安のあの濃厚なスープに豚骨をガシャガシャ撹拌しもって出した骨の味が前に出た感のあるスープ。濃厚な京都ラーメンの一典型を、メチャメチャ丁寧に作り込んでいきました的な味わいで、しみじみと美味い。
そこに、青ネギをあえて「山さん」チックなザク切りでのせてくる。
というように、極めて「京都ラーメン」的濃厚さを高い次元で表現しようとしたラーメンであるようだ。
近いうちに再訪し、今度はスープの味見でなく、自分で注文して食べてみようと思う。

いっぽう、私が注文した「しょうゆ」。
あっさりとした中に、魚ダシが効いていて、記憶の中にある近い味でいえば「祇園みみお」のあのラーメンを彷彿とさせる味。
魚介系の香りはなかなかのものだが、もしかしたら素材の組み合わせを複雑にし過ぎているのかもしれない。魚ダシの輪郭を際立たせるためには、素材の「引き算」を行なうと反って効果が増すような、そんな気もする。
「鶏とんこつ」と「しょうゆ」とでは、違う麺を用いており、「鶏とんこつ」には中細の縮れ麺、「しょうゆ」には低加水ストレートの細麺としている。今回、スープと麺の相性面では自分が注文した「しょうゆ」のほうだけしかわからなかったが、もう少し、しゃきっと硬めの方がいいように思った。

そして、注文したからあげは若奥さんの担当のようで、注文が通ってから、タレに浸した鶏肉に揚げ粉をまぶしており、「作りたて」にこだわる姿勢を感じた。
というように、かくも丁寧な作りをするラーメン屋さんが伏見に現れたことをまず喜びたい。そして、昨日訪れた「麺家」と同様、今後の進化を期待したいところである。
あ、そうそう。
ココの大将のブログ、コチラに紹介しておこう。臨時休業情報等、コチラに載るようなので。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Li)
2008-01-21 14:54:41
看板も店舗も店主も可愛いでしょう?期待の新人ですわ。京都南部も明るくなってきました。
 
 
 
そうですね (t_cognac)
2008-01-22 20:58:48
ネットに散らばっているあっちこっちの情報を見て訪れたのですが、あのようにコレから先のことが楽しみに思えるお店が伏見に出来たことをとても喜ばしく思います。
南部にはなかなか現れなかったタイプのお店ですね。
 
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