壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

空白の一日

2009年10月03日 19時34分49秒 | Weblog
 今宵は陰暦八月十五日、中秋の名月である。いま名月が、お向かいの屋根の先で、雲間から顔を出したり、引っ込めたりして、雲と戯れている。
 今年の名月は病院で……と覚悟していたが、MRI検査が立て込んで6日になったため、一時、帰宅することになった。そのため、こうして我家でお月見の出来る幸せを、しみじみと感じている。

 また今朝は、2016年のオリンピックが、ブラジルのリオデジャネイロに決定したというニュースを見て、思わず独り万歳をしてしまった。
 これまで南米での開催がなかったのだから、二度目以上の都市は、遠慮するのが筋というものではないのか。それとも、オリンピック招致委員会というところは、血も涙もない我利我利亡者の集まりなのか。
 都民の貴重なお宝の使い道の優先順位を、しっかり考えていただきたい。

 さて、9月28日からブログを一時中断したが、俳句だけは一日一句、きちんと手帳に書き留めておいた。以下、それを記す。

      桐の実の散らばらぬうち外科病棟     9月28日(月)
      無患子のかくれなき色高みより      9月29日(火)
              ※無患子=むくろじ
      思案して引かるるときを烏瓜       9月30日(水)
      気管支鏡CT検査秋黴雨         10月1日(木)
              ※秋黴雨=あきついり
      束の間をしみじみ母の柚味噌かな     10月2日(金)

 今日、今治市の日本画家・川畑宜士先生より、『第23回 川畑宜士 個展』の案内状と、『春休みの絵日記』と題する絵葉書セット(全12枚)が送られてきた。
 キャンディボックス・ナルコユリ・かっこう草・ほたるかずら・黒葉リュウキンカなどなどを、透明水彩でスケッチされたものを、原寸大でポストカードにしたものだ。
 どの花も光り輝いている。喜びに満ちあふれている。どの花も一所懸命生きている。
 来週中頃にでも再入院する変人には、何よりのプレゼントだ。
 うれしいことに、先生の個展は、10月5日(月)から10日(土)まで、東京・銀座の「画廊 宮坂」で開かれる。ということは、個展初日だけは、拝見に行けるのだ。
 来週の火曜・水曜と外来で病院に行き、そのまま再入院の可能性が高い。きっと神様か仏様が、川畑先生の個展にお邪魔できるよう、“空白の一日”を下さったのだと思う。この貴重な一日をわくわくしながら待っている。


      大いなるものブラジルへ秋の雲     季 己

 ※「ブログ一時中断」を一時中断して、再入院するまで書きます。