こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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地域連携推進会議&福島の話

2012-02-23 22:23:44 | 訪問看護、緩和ケア
今週は、ハードな毎日でクタクタですが、19時から県立がんセンターの地域連携推進会議に行ってきました。

今までは、がんセンターのコマーシャルみたいな話が延々と続いて、各診療科のご紹介で大半の時間を使っていたような気がしますが、今年は大分変ってきました。
もちろん医療相談支援室長で、いつもお世話になっている清水さんの、連携に関するプレゼンは興味深いものでした。
でも、今年はさらに実際連携先である在宅療養支援診療所の先生と、T訪問看護ステーションの統括部長のYさんの講演もあり、本当に地域連携会議らしくなってきました。

これまで、この地域連携会議は、病院ドクターと在宅ドクターの連携に終始した感じで、実際在宅で患者さんの傍にいる訪問看護ステーションは、ただ聴いているだけの存在でした。

でも、連携先としての訪問看護ステーションの位置づけが、かなり変わってきたようです。

在宅支援診療所の先生の講演でも、訪問看護ステーションがいかに重要かを話してくださいましたし、これからの在宅に訪問看護は不可欠であることが、病院のドクターにも地域のドクターにも、すくなからず周知されてきたのではないかと思います。

もちろん、在宅を支えるためには、もっとたくさんの業種が関わり、チームとして機能しなければなりたたちません。

その代表として訪問看護師が、病診連携だけではない重要なメンバーとして認識してもらったのだと思います。

実際は、がんセンターとの連携関係はスムーズで、医療相談支援室が、ちゃんと機能しているので、とても助かっています。

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そうそう、話は変わりますが、先日福島の原発10Km圏内にある実家に、一時帰宅をしたスタッフがその時の話をしてくれました。

当然、線量計はとんでもない高値を示していて、もう生きているうちには帰ってこれないであろうことを実感した帰省だったようです。
一緒に行ったお母さんが、家の漬物の樽やら植木鉢やらを、持って帰りたがって困ったと笑っていましたが、何とも切ない話ですね。
実は、東電はこの原発でダチョウを2匹飼っていたそうです。
この地震で逃げ出し、そのうちの一匹が自由に田圃をを走り回っていたそうです。

真冬の誰もいない、放射線にさらされた荒れ果てた田畑を、それはもう元気に走り回っていたとか・・・
お母さんが、持っていたおにぎりを投げたそうですが見向きもせずに、写メをとろうとしたうちのスタッフを振り払うように去って行ったとか・・。

なんだかすごい風景ですが、ダチョウは本来もっと温かいところにいる動物なのだと思います。
真冬によくぞ御無事で。。という感じです。

「いったい何食べているの?」とスタッフに聞くと、「あの辺に、誰の説得もきかず住み続けているおじいさんがいて、やはり野生化した牛やあのダチョウに餌をやっているらしい。」とのこと。

なんだか、すごく悲しくなりました。

おじいさんは、家も家畜もどうしても捨てられなかったのでしょうね。
年齢を考えれば、今更知らない所へ行って、捨ててきた家畜を思って苦しむことよりも、そこにとどまることを選んだのでしょうか?

誰もいない廃墟と化した町で、黙々と動物たちに餌をやるおじいさんを思うと、胸が痛くなります。

エサ代大変だと思います。
餌自体どこから手に入れるのやら・・・

牛の糞にまみれた道路と、ダチョウが走り回る田圃、そしてたった一人の老人。

もう、平和で豊かな、美しいふるさとは、失われてしまったのです。