こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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往診

2009-02-18 23:21:42 | 訪問看護、緩和ケア
うちの訪問看護ステーションは、医師会立ということもあって、いわゆるホームドクターの往診だけでなくて、耳鼻科や皮膚科の往診も積極的に取り入れています。
皮膚科の先生は、比較的往診してくださる先生が、いらっしゃるようですが、耳鼻科の先生はあまりいらっしゃらないようです。
診療単価も低くて、往診と言っても細かい医療器具がたくさんあるので、なかなか簡単にはいきませんので・・・
うちでは、耳鼻科の先生が理事をされていて、「地域の在宅患者さんこそが、耳鼻科を必要としている。これから、絶対に耳鼻科の往診は必要になってくる!」といって、ポータブルの吸引器、噴霧器、光源の機械などなど揃えてくれました。
それに、綿棒や、耳鏡、鼻鏡、鑷子、耳垢鉗子、舌圧子、吸引管など細かいものもひとり分ずつ分けて持っていきますので、かなりの荷物になります。

実は、介護保険で往診介助は認められていません。
なんでも、往診は介助者も含めて医師が用意するべきだから、ということだそうです。でも、ばかばかしいですよね。
先生だって、忙しい診療のさなかに、安い診療報酬で人件費まで割いて耳垢除去に回るのなんて、かわいそうすぎますよね。
皮膚科だって、褥創のデブリ用のクーパーから、いろんな軟膏、ドレッシング材、メス、ガーゼもろもろ持ってまわるんですよ。
しかも、おむつを外したり、創部を洗ったりしながら処置していきます。
一人では、到底無理です。
そんなわけで、うちのステーションでは、耳鼻科や皮膚科の往診に限って、保険外の実費負担で、訪問看護師が介助に回っています。
それに、普段の状況を一番よく知っている訪問看護師がつくのが一番だと思いますし・・・。
だから先生も、お車代とかとりません。
私が迎えに行って、事前にご希望のあったおうちを訪問して回ります。
皮膚科の先生も、耳鼻科の先生も素敵な女性のDrです。
もちろん腕もすごくいいです。
皮膚科の増田先生とは、巨大褥創を、いつも一緒に治してきました。
耳鼻科の木村 至信先生は、高畑耳鼻科の非常勤の先生ですが、実はプロのシンガーでもある異色のDRです。
往復の車の中で、いつもいろんな話をしながら、往診を回っています。
一つ言えることは、二人とも本当に素敵な女性であることと、在宅医療に本当に真摯に向き合っているということです。
訪問に行った先で、患者さんばかりでなく、そのご家族にもねぎらいの言葉や、わかりやすい説明を丁寧にしてくれます。
時々、ふんぞり返って「看てやっている」みたいな横柄な先生がいますが、あれは医療ではないですよね。
今日も、耳鼻科の往診で、めちゃめちゃ笑顔の可愛いおじいちゃんの訪問のあと、先生と二人で「たまらない~!かわいすぎる。やっぱり老後はかわいい年寄りにならなくちゃー!」と言って泣いてしまいました。
なんか、お年寄りがかわいいと言って、涙まで流す私たちは変なのかもしれませんが、ときどきいるんですよ。
神々しいまでに、いい笑顔をくれるお年寄りが。
いろんな年の取り方があるなーと、つくずく思ってしまいます。
うわべの体裁ばかりを繕って言葉をつずっても、あの笑顔には勝てませんよ~。
そんなこんなの往診は、結構楽しみでもあり、いろんな情報収集にもなっています。
ちなみに、木村至信先生は木村至信バンドというプロの歌手で、CDもいっぱいだしています。とってもハートのある、素敵な歌を歌っているので、ぜひ一度聞いてみてください。

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2 コメント

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あぁ、うれすぃわん! (木村至信)
2009-02-22 21:03:16
そうなんです。耳鼻科の往診てそうとうめずらしいみたいで、
やらせていただいて、光栄です。
あのおじいちゃま、素敵だったですねー!
可愛くて、切なくて、少し寂しげで、でも包まれてて。
誰にも必ず来る<老い>をいろいろと考えてしまいます。
やっぱり愛されるってすごく大事なんですね。
愛されるには、きちんと愛していた人なんでしょうね。
思い出しても、う、う、う。泣けて来ます。

そして分け隔てなくメディカルセンタースタッフの献身ぶりったら!!
<ありがとう>の一言のために、笑顔のために
あんなにがんばれるもんなんですね。
私もまだまだ心の修行、技術の修行がんばります

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きゃー!コメントありがとうです!! (こぶた部屋の住人)
2009-02-23 00:02:17
また、楽しい往診お願いしま~す!!
そして、私たちもかわいい老人に育つべく、みんなを愛していきたいですね
先生のブログにも、ちょくちょく遊びに行きます!!
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