こぶた部屋の住人

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「疥癬」の、それは楽しい勉強会その1

2012-09-14 22:54:56 | 訪問看護、緩和ケア
昨夜は横浜で、神奈川県皮膚科医会在宅医療勉強会主催の「疥癬」のお勉強会に行ってきました。
皮膚科医会の先生方のショートプレゼンテーションの後、今回の「疥癬の診断と治療」と言う講演がありました。

赤穂市民病院の皮膚科医長である和田 康夫先生の講演です。

これが、本当に面白かったんです。
疥癬の講義がこんなに面白くていいのか、という感じですね。

和田先生は、温厚そうな優しいおじさんと言う感じの先生で、自虐ネタを入れつつスライドも動画を多くして、一時も飽きさせることなく話を進めていきました。

先生がなぜ疥癬を研究するに至ったか。
それは、赤穂市民病院内での疥癬の集団感染から始まったのだそうです。

たった一人の疥癬の患者さんを、誰も気がつかなかったために、角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の悪化とともに、1ヶ月後には職員、入院患者、その家族などとんでもない拡大をもたらしてしまったのだそうです。

さいわい、近年イメルベクチンと言う特効薬が出来たため、何度も再検をしながら1カ月以上かかって終息したそうです。
既に退院している患者さんにも、検査の要請の手紙を出し、治療もすべて無料で行ったというので、その損害はとんでもないものだったのでしょう。

がその間、めげることなく和田先生は「疥癬」の生態を研究し、驚くべきはご自分の手に肥前ダニを這わせ、その動くさまや移動の速度を計測し、やがて自分の中指の第二関節付近にもぐりこむのも記録しました。

そして、肥前ダニが疥癬トンネルを掘り、移動し、産卵したところで一度注射針で掘り起こし、虫体と卵を確認、さらに1ヶ月の間ダニを自分の体で飼い続けたのです。

おかげで、ピンポイントでものすごくーく鮮明な肥前ダニの生体が撮影されたのです。
これって、誰でも出来ることではありませんよね。
以前、どこかの大学の寄生虫学の教授が、サナダ虫の卵を自分で飲みこんで、生まれたサナダ虫に名前をつけて飼っていた先生がいましたね。

本当の研究者って、こういう人なんだなぁ・・と感動しました。

とまあ、このへんから生態などの本題に入って行くわけです。
ちなみに推定で年間10万人から20万人と言われる疥癬ですが、なんと旬は秋だそうで、そろそろそういう季節になってきましたね。

というわけで、本題は明日に持ち越しです。

明日まで、疥癬の画像でもご覧ください。

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