こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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めぐみ在宅クリニック第3回「追想の集い」その1

2009-10-11 20:18:42 | 訪問看護、緩和ケア
コブクロ  『蕾(つぼみ)』


今日は、第3回めぐみ在宅クリニックの「追想の集い」でした。
今年も献杯の音頭をとりましたが、去年と順序が違って、先にグラスの用意が始まったので、フライング気味になってしまいました。

ともあれ、懐かしいご家族にお会いすることができで、とても暖かな時間を過ごすことができました。

一番乗りは、Sさんの御主人でした。
「お父さん!!元気でした?」そばによると、満面の笑顔で答えてくれました。
「おー!おおたけさん。世話になったね~!!いやーうれしいよー」って、
もう止まらない状態でお話をしてくれました。
Sさんが奥さまを亡くされたのは、去年の今頃だったでしょうか・・・
明るくて、いつもご夫婦で笑顔が絶えないご家庭でした。
でも、在宅療養はそんなに長くは続きませんでした。
あっという間に、腹水がたまり、おなかが苦しくて耐えられない状況に・・・
緊急訪問で、何度か先生と腹水穿刺に伺いました。

腹水は、おなかに水がどんどんたまって、パンパンになった腹水が肺も圧迫して、激しい苦痛を伴います。
腹水にはタンパク質のなどの栄養もたくさん含まれています。
ですから、腹水を抜くたびに一時的に苦痛は減りますが、衰弱は進みます。
でも、お父さんは苦痛を取ることを優先しました。
「なんとか、楽にしてやってほしい。」と。
そして、何度目かの腹水穿刺のあと、「楽になったよ~。ありがとうね~。」
笑顔で喜こぶ奥さんに「苦しかったね。それじゃあ少し眠ろうか。」
「うん、そうするよー」そして、眠ったまますっと、逝ってしまったのでした。

お父さんは、何もかも覚悟していたんです。
今日お父さんは言っていました。
「おれさー忙しいんだよ。かあちゃんがいなくなっただろう。洗濯や掃除や、ご飯も自分でしないといけないし。でも、おこれないんだよー。
母ちゃんの遺影さー、孫と撮った最高の笑顔の写真なんだよ。あの笑顔見るとさ、何にも怒れないんだよ。」そう言って満面の笑顔をくれました。
今は、ボケ防止と体力維持のため、夕方の新聞配達をしているそうです。
会の間、隣に座っていた同じ奥さまを亡くされた、同年輩の方と話がはずんでいるようでした。

そして、やはり奥さまを亡くされたOさん。
壮絶な看とりをされた方です。
担当のYナースと、早くも盛り上がっています。
私もご挨拶に。「いやー、お世話になりました。でも、だめだね、まだ。なんかあの時のこと、思い出すと辛くてね。なるべく考えないようにしているんだよ。
今は、健康のために歩いてるんだよ。ダイエットだよ。」
それからは、Yナースと私の所をいったりきたり、たくさんの話をしました。
「こんど、そっっちに寄るから。」にこにこ優しいOさん。

奥さまは最後まで、ベット上の排泄を良しとしませんでしたから、最後の日までお父さんがお母さんを抱えてトイレまで行っていました。
夜も昼も、眠れない日が続いて、お父さんが先に倒れるのじゃないかと、Yナースは心配していました。
お父さんの要請で、Yナースは、日曜もずっと毎日訪問していました。
いまだに、私達の話題に登るお父さんです。
冗談交じりに笑顔でお話ししてくれましたが、時々うるんでいた目が、Oさんの寂しさを教えてくれました。

それからも次々に懐かしいお顔が・・・
今日これなかった方もいらっしゃいますが、本当にあえてうれしかった。
今日の感動はまだまだありますが、続きは明日にします。

家族ケアとか言いますが、私たちにとっても、大きな支えとなる会でした。