WHITE STREET 徒然記

フォトグラファーの端くれである吉澤忍の気まぐれブログです。

侘数寄常住 茶乃湯肝要

2006-10-05 22:38:37 | Weblog
将にマンガ「へうげもの」の世界か!!
(リンクは「へうげもの」作者・山田芳裕さんのブログ)

今朝の中日新聞での記事で茶の師である母親と共に盛り上がってしまった。



名古屋の美術館に名品戻る
美術品窃盗の男保管




 名古屋市昭和区の昭和美術館から10年前に盗まれた古美術品の茶わん25点(当時の時価総額約3億5000万円)がすべて見つかり、9月末に返却されたことが分かった。福島県警が8月に別の事件で逮捕した男が名古屋での犯行を認め、盗難品を所持していた。同館は「半ばあきらめていたので、戻ってきたなんて夢のよう」と喜んでいる。

 昭和美術館の窃盗事件は1996年6月8日朝に発覚。企画展に展示してあった茶わんのうち、安土桃山時代や朝鮮李王朝、中国明朝時代の作品などがなくなっているのを職員が見つけた。

 当時の時価で6000万円相当の江戸時代の「黒織部茶碗(わん)」、朝鮮李朝時代の「鬼熊川(おにこもがい)茶碗」などが含まれていた。同館や昭和署が全国の美術館などに写真付きの盗難品リストを配り、情報提供を広く呼び掛けたが、行方は全く分からなかった。

 ところが、盗んだ国指定重要文化財など3点を売ろうと偽造の住民票を使ったとして、福島県警会津若松署が今年8月に偽造有印公文書行使容疑で逮捕し、起訴された横浜市旭区、無職但馬維昭被告(48)が、全国各地で53点(時価10億円相当)の古美術品類を盗んでいたことを供述。その中に昭和美術館の品も含まれていると分かった。但馬被告は「目録を見て欲しくなった。趣味で楽しんでいた」と話しているが、窃盗罪の時効7年が成立しているという。

 但馬被告は盗品の中でも「鬼熊川茶碗」を特に気に入り、福島県警の捜査員に対し、「死ぬまで自分の手元に置いておきたかった」と話していたという。盗品はきちんと保管していたらしく、割れやひびなどはなかった。昭和美術館は「大切にしてもらっていたのはありがたかった」と苦笑いしている。


黒織部茶碗鬼熊川茶碗の写真も載っていたのだが…
特に鬼熊川茶碗は母親と2人で
「えぇ茶碗だ~…」
と朝っぱらから茶の湯談義。


しかし…
感心するのはこの窃盗犯。
この鬼熊川茶碗(銘を「薄柿」というらしい)を「手元においておきたかった」と…
物の価値が判る人間でないと、この感動は共有できないだろう…



片や窃盗を受けた昭和美術館
老朽化も激しく「いつ収蔵品が盗まれてもおかしくない」とも言われていた矢先の事件だったことだが、一向に改善の兆しなし。HPの作り方からしても管理者が気合を入れてないのが一目瞭然である。Wikipediaの解説でも評価は低いようだ。

当代には侘数寄の心がないと見える。

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