男女共同参画週間の昨日午後、上越市では男女共同参画センター講座としてドキュメンタリー映画『何を怖れる~フェミニズムを生きた女たち~』(120分)の上映会が市民プラザでありました。松井久子監督による映画は、(あいうえお順)池田恵理子、井上輝子、上野千鶴子、加納実紀代、桜井陽子、高里鈴代、高橋ますみ、滝石典子、近山恵子(駒尺喜美)、中西豊子、田中喜美子、田中美津、樋口恵子、米津知子さんら14人で、70年代の日本のウーマンリブに始まる40数年の日本のフェミニズムの歴史と、現在も続いているさまざまな活動を映像で綴ったドキュメンタリーです。
14人の女性たちはお会いしたことのある方やよく知る方も多く、男社会から疎まれても同性たちの偏見や誤解の目にさらされても、すすんで自らを「フェミニス ト」と名のり、目の前に立ちはだかる壁と闘いながらエネルギッシュに生きてきた“先に歩いた女たち”です。そんな女性たちも年齢を重ね、回顧の季節を迎えており、その軌跡は今を生きる私たちに大きな勇気を与えております。
またとても身近な“先に歩いた女たちの”お一人、高校時代の同級生のお姉さんが書かれた『小便校長は豪雪地のボス』という本に出会いました。上越市の橋爪法一さんが16日付けブログで、「昨日は知り合いから『小便校長は豪雪地のボス』(㈱新聞編集センター)という本をすすめられました。著者の田中寛子さん(旧姓永野さん)は旧能生町出身で、ご姉妹の方が(上越市)吉川区在住です。この本は50年も前の、代替女性教員だった田中さんの奮戦記。舞台は浦川原か安塚か、それとも大島か、いずれかでしょう。小便校長とたたかい、女性のストーブ尻あぶりを認めさせるなど痛快なお話です。先生と子どもたちの暮らしぶりは私の記憶と重なります。笑いあり、感動ありの物語で、いっきに読み終えました。」と書き込んでいたので、これは読まない訳にはゆかないと・・・。
直ぐに出版元や業務提携のASA(朝日新聞販売所)へも問い合わせたものの手に入りそうになく、同級生のR子さんへ電話を入れました。少し手持ちがあるということで送ってもらうことにし、翌日の夕方には当日便で届く行動力の素早さです。夕食前に一気に読み終え、昭和33年頃の教育現場の男女差別の実態に驚きながら、夜にはお礼を兼ねてR子さんへ電話です。
ご姉妹のお父さまの永野伍作さんは、能生小学校の18代校長を長く務められた素晴らしい教育者で、亡き母も社会教育委員だったこともあり交流がありました。そのお父さまの風貌は相馬御風さんを思わせ、高校生の頃によく汽車に乗って小学校校庭の北側の小高い丘のお家へおじゃまをしていたことを思い出しまします。そして今、お姉さんの寛子さんは都内に在住で昨年一気に本をまとめ、挿絵もすべてご自身で書かれたそうで、その奮戦記から私も勇気とエネルギーをいただき、貴重な一冊は糸魚川図書館か能生図書館へ寄贈することにします。
写真は新幹線の座席前にあるJR東日本発行「トランヴェール」の中の棚田で、寛子先生が歩いたと思われる山間の風景です。ところで6月号は新潟・長野特集ですが、広告ページに糸魚川市が見当たらないのは何とも寂しいかぎりです。寂しいといえば、男女共同参画週間や市の推進委員会も形骸化して活動が見えません。4年前の「にいがた女と男フェスティバル」での藻谷浩介さんの講演「今こそ、発展のカギは男女共同参画!」を思い出します。