すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

フランスの連帯・都市刷新法(SRU)

2011-01-15 07:20:07 | Weblog
13日深夜というか14日午前1時のフライトでフランスへ。朝の6時に到着、打ち合わせのあと、2時間ばかり高速を走って資生堂フランス工場見学。化粧品業界での苦労を聞く。パリに取って返して、在フランス日本企業幹部と打ち合わせ..強行軍だが、夕刻にパリ市の都市統合政策局のインタビューに赴いた。フランスでは深刻化する都市問題を解決するために2000年にSRU(la loi de solidarite ed de renouvellement urbain)法が成立した。これは3500人以上の住民を抱える都市に、住宅供給の20%を低所得者用の低家賃住宅供給を義務付ける、大変厳しい法律で、自治体側は数値を達成できなければ罰金を支払わなければならない。いうなれば究極の社会主義的政策で、とても現実味を持たないと考えるが、どうしてどうして、各都市が積極的にこのSRU法に基づいて住居供給を行っている。これまでのように、住環境のよい高級住宅地が市内に残り、低所得層・労働者・母子家庭などは郊外の低家賃住宅に追い、毎日地獄の通勤が展開される一方で、スラム化や犯罪が蔓延する...というパターンをやめ、逆転の思想で、思い切って高級住宅地に低所得層住宅を移し、さまざまな階層・民族が混在するミクシテ・ソシアルを作って都市を再生させようとする試みだ。エレベーターも行かない屋根上事務所で暮れていく中で、担当者から詳しく熱い説明を受けた。我々の知らないところで、思い切った革新的な社会実験がつぎつぎと実施されているのを見ると、フランス革命を生み出した社会の底力に圧倒される思いだ。今回のフランス訪問はこの一時間だけで十分に成果があったと言っても過言でないだろう。

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