会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1543

2017-09-20 23:39:58 | Weblog
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法隆寺壁画と鈴木空如 2014・6・19(木)

 鈴木空如(1873~1946)と言う日本画家をNHKの日曜美術館で知った。法隆寺金堂壁画12面の原寸大の模写を単独で生涯3度も行っていて、1949年の火災による壁画の焼損後、1967年に行われた再現模写事業に無名の空如の模写は貴重な資料となったと言う。
 再現模写が完成したことは嬉しいことだが、空如の模写があったことも素晴らしい。
 会津八一は法隆寺に何度も足を運び、壁画の歌を多く作っている。そして壁画について鹿鳴集自註でこう書いている。
 「・・・これ等の壁画の保存方法につきて意見を求められしに対して、作者は、これら十二枚を、いとも周到なる用意のもとに切り取りて、別の安全な処に保管し、その跡には現代作家をして新(あらた)に揮毫(きごう)せしむるに如(し)かずとの意見を送りたるに、忽(たちま)ち法隆寺の内外より猛烈なる反感を招き、不謹慎、不敬虔の譏(そしり)をさえ受けしが、その後、その寺にて不注意より起こりし火災のために、壁画は殆ど全滅とも云ふべき大破を来(きた)したり。」
 八一の嘆きとは別に、空如のような目立たないところで価値ある仕事をした人を評価したい。