半農・半Xの生活

思いついたことを思いついた時に綴ります。

また、土木学会誌絡みで

2015年01月06日 17時33分36秒 | 日記
またもや、土木学会誌の記事で土木技術者の端くれとして
誤解を解いておきたい気持ちになったので書いてみる。
土木学会誌2015年1月号に東大名誉教授の上野千鶴子氏が
「誰のための、何のための土木事業か?」というタイトル
で寄稿されていて、その文中に気になるところ一部転載す
る。

(以下転載はじめ)
山に登るわたしは、奥に分け入るほど、呆然とすることが
ある。どんな山間僻地の渓流沿いにも、砂防ダムがあるこ
とだ。どれも年月を経て土砂に埋まっている。おそらく所
期の目的に資する期間は短かったに違いない。いったいこ
んな登山道沿いに、どうやって重機を入れたのだろう、と
不審に思うほど。短期間で使い物にならなくなる砂防ダム
に、いったいどれだけのコンクリートが、そして公共事業
という名の税金が、つぎこまれただろう?
(転載おわり)

 砂防ダムが土砂に埋まってしまっていることを問題にさ
れているようだが、砂防ダムは砂が埋まって(満砂)から
機能を発揮するものなんです。溜まった砂で、浸食や崩壊
が激しい渓流の岸(渓岸)を押さえることで、流出する土
砂をコントロールすることができます。
ですから、渓岸の浸食が激しい区間に階段状に砂防ダムを
設置することで、浸食による流出土砂を押さえることがで
きることはもちろん、階段状になったことで、土砂を含ん
だ洪水の勢いを減勢することも可能となります。
例えば、富山市を流れる常願寺川は、江戸時代から立山か
ら流出する大量の土砂が下流で川を埋め、頻繁に起きる洪
水で貴重な人命、財産が失われていたけれど、明治になっ
て造られた白岩砂防堰堤等によって、土砂流出も抑えられ
人命・財産の保全が可能になったのです。
        

但し、流出土砂を抑制し過ぎると、下流河川の河床低下に
繋がることから、現在は、“流す砂防”という考え方が取
り入れられています。つまり、段差の無い砂防ダムも採用
するなど、社会環境や周辺環境に配慮しながら計画されて
います。

 土木技術者として、コンクリート=悪のイメージが定着
してしまったことは悲しいことですが、コンクリート(セ
メント)は紀元前に発明され、現在に至る優れものです。
確かに、高度成長期には、行政が一方的に提供するような
無駄な構造物もあったかも知れませんが、今は、誰のため
の、何のために必要なのか、住民の皆さんに説明し、合意
形成を図るように進めているように思います。

個人的な意見を言わせていただくと、群馬県の八ッ場ダム
は、必要ないと思います。あれは、原発と同じの村社会の
発想で進められた事業かと思います。為にする巨大プロジ
ェクトでしょう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。