隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1824.孤独な女相続人

2018年02月06日 | リーガル
孤独な女相続人
The Case of The Lonely Heiress
読了日 2018/02/06
著 者 E・S・ガードナー
E.S.Gardner
訳 者 高橋豊
出版社 早川書房
形 態 文庫
ページ数 346
発行日 1984/11/30 2刷
ISBN 4-15-070225-X

 

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約のキャンセルミスから、木更津市立図書館でかりてきた3冊のうちの1冊、「掏替えられた顔」を前回、間に挟んで読んだが、考えてみれば長浦おかのうえ図書館で借りた文庫の方が、返却日は早いのだから、何も間に挟んで読むことは無かったのだと、読んでしまってから気付くのが僕の頭の回転が悪い証拠だ。
僕が長浦おかのうえ図書館で係の女性に、わざわざ書庫から文庫を出してもらい借りてきたのは、文庫の方がポケミスよりはいくらか新しい刊行なので、時にはフォントのサイズが大きいことや、手に馴染みやすく読みやすいということからだ。
当たり前のことだが、ポケミスも文庫も内容に変わりはないのだが、ポケミスは上下2段組のテキストだから、なんとなく文庫の方が読みやすいという先入観がある。
しかしそうしたことも読み始めて、ストーリーが佳境に入るころには、すべてを忘れさせるのが、このシリーズの一連の物語だ。そうでなくて、何十冊をも読み通せるものではない。
そうは言っても僕は義務感でこのシリーズを読み通そうというのではない。やはり読んで面白く、楽しいストーリーでなければ、続くものではないのだ。これからも滞りなく続くという予感もする、このぺリイ・メイスン・シリーズの読書は本書でまだ37冊目だ。前に読んでいる13冊を加えても、ようやく50冊だから楽しみも当分続く。

 

 

ここでまたタイトルについて。英語の表現には単数と複数での違いに、言い方が変わる単語がある。例えば子供のChildは複数になるとChildrenとなる。あるいは男女の血が相もある。本書のHeirは相続人だが男性を指す。女性になると、本書のタイトルにあるようにHeiressとなるのだ。
僕がそんなことを言うのは、英語に堪能でないからなのだが、今回Heiressを和訳通りかどうか、辞書を引いて分かったのだ。

度々僕はタイトルの意味などについて、辞書を引いているが、そうしたことで英語の言い回しの面白さなどを発見することもあり、もう30数年使い続けている古い三省堂のコンサイスを手放せないでいる。
実はこの辞書を買う時に長く使うことを念頭に、ちょっと値段は張るが革表紙のものを選んで買った。もう背や角の所々が剥げかかっており、だいぶ年季の入ったものになったが、手放せなくて愛用している。
今は、たまに新聞広告にも載っている電子辞書の時代となっているが、僕はあの薄い紙をめくる時の、多少のワクワク感を大事にしているのだ。
早くからパソコンを利用している割には、電子辞書、電子書籍には関心が向かないのは、そうしたところだけ古い人間を自覚する。
今は亡き鶴田浩二氏の歌に、“古い奴ほど新しいものを欲しがる・・・”というセリフがあったが、僕もそういった一面があることはあるが、人は誰しも一つの側面だけを持っているわけではなく、いくつかの異なった面があるから、僕にも古いところと新しいところが同居しているのだろう。

 

 

独な恋人”出版社という、なんとも人を食ったような名前の出版社の、ロバート・キャドという男がメイスンの事務所に表れた。彼は「孤独な魂は求める」という名の雑誌を発行しており、そこには結婚や交際を希望する男女からの投書が載っており、出版社はその仲介を業としているというのだ。
彼の相談というのは、そこに投書された一件についてだった。
ある女性からの投書は、自分は莫大な遺産を相続することになっている、ついては誠実な男性との交際を望む、と言った内容だった。だが、その投書について、「でたらめな内容で、読者を欺いている」ということで、告訴されたというのが、ロバート・キャドの話だった。
女性の投書については、彼も調べたところ本当らしいというのだ。
メイスンは興味を覚え、ロバート・キャドの依頼を引き受けることにして、早速その女性に手紙を書くことにするのだった。
だが、メイスンが考えていたより事件は複雑な様相へと変化していった。

厳しい寒さが続く原因は、大陸からの寒波の影響らしいが、平年を下回る継続的な寒さも、地球の温暖化が影響しているのだと、テレビで専門家が語っていた。気候変動の協議において、Co2の削減について各国からの数値目標が示された、いわゆるパリ協定からアメリカが抜けるという宣言が出されて、話題となった。
詳しい事情は分からないが、そうしたことがこの先どんな影響を与えるのか、無学な僕にもわかるように、教えてほしいものだ。
今朝は雑紙類の収集があるので、たまった紙類を手押し車に載せて、集積所までの本の10数メートルを行き来しただけで、手足が凍り付くような寒さだ。ストーブに手足をかざすもしばらくは感覚も鈍いほどの冷たさだった。早く春が来ることを願うばかりだ。

 

 

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