ウイルス・ゾーン RIVERS OF THE BLACK MOON |
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読 了 日 | 2015/11/28 |
著 者 | アンドリュー・ゴリチェク |
訳 者 | 佐和誠 |
出 版 社 | 早川書房 |
形 態 | 文庫2巻組 |
ページ数 | 319/297 |
発 行 日 | 1998/04/30 |
ISBN | 4-15-040871-8/040872-6 |
学ミステリーの大家ロビン・クック氏の著作を思わせるようなタイトルに惹かれて、このミステリー読書を始めてまもなくの頃、新刊で買った文庫だ。サラリーマン現役の最後の頃だったから、まだその頃は手に入れる本が新刊と古書半々くらいではなかったかと思う。
それにしても随分買ってから読むまでの時間がかかったものだ。そのころの僕はあるテーマに夢中になると、そればかりに目が行って同様の本を探しまくると言う状態だった。そうして次から次へと買っては読むのだが、やがて飽きるとまた他のジャンルに目を向けることになり、買ってあった本から目をそむけることになって、積ン読本が増えると言うことになる。
近頃はそうしたことを少し反省して、と言うよりいよいよ懐が寂しくなって、古書店通いも控えている。
二日に1回くらいの割合で古書店を訪れていたことを止めて、もう2か月、否3か月くらいになるか、書店を覗いてみたいという気持ちが嘘のように無くなった。やはり、経済事情の悪化には勝てないということだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b8/b4ec98792d6e79306238ce5aa9fb40bc.jpg)
しかし、読み始めてこの壮大なドラマ性に驚いた。途中少し疑問に感じるようなこともあったが、全体を通してみれば次々と主人公たちを襲う危機が、サスペンスに満ち溢れて、連続活劇の様相を呈す。
少なくとも僕はそう思って面白く読んだのだが、もしかしたら本書はあまり評判が良くなかったのか?それほど売れなかったのか?
僕がそんな疑問を抱いたのは、この著者の作品が他にもあるのか検索したところ、わが国で翻訳されているのはこの1点だけだが、著者はこの他にも「In the Name of Science」、「World Order」など数冊の著作があることがわかったからだ。もしかしたら大学教授として(著者はノース・カロライナ州の大学教授だ)著した学術書なのか?と思ったりしたが、英語に堪能でないから詳しくは分からなかい。
そうした面白いと思った海外ミステリー(ミステリーに限らず)の著者が、他にも作品を発表しているにもかかわらず、翻訳されないという事例は今までにもあって、海外の作品を紹介するということも、なかなか大変で難しいことなのだろう、と思うばかりである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b8/b4ec98792d6e79306238ce5aa9fb40bc.jpg)
994年12月、スコットランドはエジンバラのアパートで、腹が割かれ内臓を引き抜かれたなどした惨殺死体が発見されたところから、物語は始まる。被害者はアメリカ・ユタ大学医学部の教授、リチャード・ザーノフだった。捜査の指揮にあたったのはスコットランド・ヤード特別国際捜査部のジェームズ・マクファデン警部。
殺害されたリチャード・ザーノフ教授は、数日後に行われる国際会議で、「中央アフリカにおけるエイズ疫学」というタイトルでの研究発表を行う予定だった。その発表が何某かにたいする不都合な内容が含まれていたのか?そしてその人物、あるいは組織によってザーノフは殺害されたのか?
特別国際捜査部の主任警部・チャールズ・フィッツヒューの命により、ジェームズ・マクファデン警部はアメリカ・ユタ州に飛ぶことになる。そして、ユタ州の大学で、ザーノフについて聞くため、かつての恋人であったマーガレットと会い、マクファデンは一目で彼女に引き付けられる。だが、それがもとで彼らはアメリカ国際情報局から執拗に狙われる羽目に陥るのだ。
多少都合のよい展開もあるが、先述の通り僕は面白く読んだ。できれば同じ主人公でシリーズになってもいいのではないか、とさえ思ったくらいだ。
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