隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

2002.銀色の国

2020年09月10日 | サスペンス

 

銀色の国
読了日 2020/08/04
著 者 逸木裕
出版社 東京創元社
形 態 単行本
ページ数 381
発行日 2020/05/29
ISBN 978-4-488-02809-1

 

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うだいぶ前に書いた文章の内容が、少し古い印象を与えるかもしれない。それでも新型コロナウィルスの感染状況は、依然としてその勢いを止めることがなく、不気味な感じを現し続けている。
2千冊と言う目標を達成したから、と言うわけでもないのだが、なんとなく力が抜けてここに書くことにも、情熱を傾けられなくなったみたいだ。僕のようないたって凡人が今までよく続けてこられたというのが、どうやら本音のようだ。
それでも思い返せば、何人もの好きな作家諸氏を知ることが出来たこと、さらにはそのいくつもの作品を読むことが出来たこと、好きな作品を読みながらミステリーの奥深さを感じられたこと等々、20年と言う短い期間だったが、いろいろ考えさせることにも出会ってきた。
改めて言うことでもないが、そんな素晴らしい読書を続けてこられたことに、少なからず感謝をしている。 と言うことで、以下は8月初旬に書いたものだ。

 

 

新たな感染者数が過去最高を示す数値が、毎日のように更新される様子を見ていると、何やら落ち着かない雰囲気が漂い、そうした所に出かけることない僕も、何かしなければならないというような気になる。
まさかこんなに早く第二波が来るとも思っていなかったから、三密にもかかわりなく過ごしているので、感染することはないから、割合落ち着いた日常を過ごしていたが、一体どんな必要があって接待を伴い三密の発生するところへ出かけなければならないのだろう?とおもうが、やむを得ない事情もあるのだろう。
それより政府として確たる対策を講じる用意がないのが、理解できないことだ。何の学も経験も知識もない僕には、偉そうなことは言えないが、東京都の毎日の感染者数の推移を見ていると、無策、無作為に寄る正にパンデミックに近い状態を生み出している、と言う思いが湧く。

 

 

し時間が経てば自分のバカさ加減がよくわかるが、なかなかその時点では分からないから厄介なのだ。いやいや、厄介だ、では済まされないのだ。絶えずここで告白しているように、僕はあまり裕福ではなくどちらかと言えば貧乏と言える部類に入る。
実は本を買う金にも不自由しているくらいなのだ。それでもなおかつ後先考えずに、その時に持ってる金を惜しげもなく本につぎ込むという、愚行を成すのが僕という人間だ。
そんな自己批判をしても何の役にも立たないが、そうしたことをここに書くことの反省に依って、いくらかは後の行動に役立つのではと思うが、実のところ何の役にも立っていないのが悩ましいところだ。

しかし、読みたいと思わせる魅力を感じる作品が、次々と現れて僕の懐を寒からしめるのは、まだ良いとして、新たな作者がそうした作品を携えて、デビューするのも世の趨勢と言えるのか?

 

 

実は次なる僕の標的もすでに決まっており、そちらも何とか都合して、手に入れるつもりでいる。たかがわずかな本代で、身上をつぶすことはないと思うが、それが終わったらしばらくは新たに本を買うことを控える決心をしている。
声を大にして言うほどの事ではない、図書館に数冊の予約をしてあるだけの事だ。

もっと前にもその図書館の利用をしていれば、僕の読書人生は今よりも華やかなものになっただろうとは思うが、いまさらそんなことを言っても間に合わない。40年も前に千葉市から木更津市に越してきて、当時木更津在住の作家がサントリー・ミステリー大賞を受賞したということで、木更津市立図書館で作家の後援会が開催されて、僕はその講演を聞きに行ったことから、図書館を利用することになったのだった。
作家の名は典厩五郎氏、作品名は『土壇場でハリーライム』というスパイ小説だった。が、木更津市在住の作家と言うことから、木更津市立図書館にはその全作品がそろっているのではないかと思う。
余分な話になった。

 

て本作品は、自殺を防止することを目的とした、NPOの活動を描いた物語なのだが、一方ではコンピュータアプリケーションによる、集団自殺へ導くということを企てる者もいて、世は複雑怪奇。
物語は二方向から進んでいく。人生に夢も希望も見いだせず、自殺願望を抱えた若い女性。一方では、世の中の自殺者を事前に助けたいと願って、NPOを立ち上げた男性と、その意思を尊重して一緒に働くことにした女性。
並行して進む二つの視点が、どこでどういう形で結びつくのか、想像もつかないまま物語は進む。
主人公たちは、いや主人公の一人はアプリを立ち上げ、集団自殺を企てる者を探して、四方八方駆け回るのだが、簡単に見つけることはできない。そればかりか次第に彼を取り巻く者たちからも、浮く存在になっていく。

 

 

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