ジゼル | ||
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読了日 | 2021/04/03 | |
著 者 | 秋吉理香子 | |
出版社 | 小学館 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 341 | |
発行日 | 2017/10/01 | |
ISBN | 978-4-09-180479-4 |
日前(3月末の頃)、僕は木更津市立図書館で、秋吉理香子氏の『眠れる美女』を借りてきた。NETの画面その他で何度かタイトルを目にして、読もうと思った本なのだが、Anazonの解説で本書『ジゼル』の続編だ。
ということを知り、『眠れる美女』は読まずに、一旦返却して代わりに本書『ジゼル』を借りてきたというわけだ。どちらもクラシック・バレーを題材にしたトーリーで、元来僕はあまり関心がなかったのだが、どうやら面白いミステリーらしい、と言うことで読んでみようということになったのだ。
341ページという割と暑さのある本は、表紙の厚みもハードカバーと言うにふさわしいものだ。青を基調としたジゼルの場面を描いた装丁も素晴らしい。読む前からのストーリーの魅力を伺わせる。
この中にはいろいろと考えさせられるエピソードが満載だが、その中の一つに世界で一流のダンサーの引退ニュースがあり、バレリーナにとって、男女を問わず現役で踊れる時間は悲しいほど短く、ニュースを聞いて、その一流の踊りを二度と見られなくなることや、もしかしたら競演できたかもしれないチャンスも消えてしまう。と言う思いを抱くダンサーたち。そんな悲しみのシーンに、僕ははるか昔全く意味合いは違い、個人的なことだがだ20代後半の事を思い出す。
日活映画の全盛時代、石原裕次郎氏を始め日活アクションが、次々と制作されて僕ら青少年を魅了していた。そこに突然現れたのが赤木圭一郎という俳優だった。甘いマスクからトニーと呼ばれ、宍戸錠氏とコンビで主演した拳銃無頼帖など多くに主演して、多くのファンに認められて一躍スターの位置を取得した。
そんな彼が突然姿を消してしまう事件が起きた。撮影所の機材であったゴーカートで、運転を誤り壁に激突して命を失ったのだ。当時はビデオもまだ無く映画が一般的に記録として庶民が見ることのできる環境にはなかったから、映画館で赤木圭一郎特集などと称して、彼の出演作が上映される都度、そういう映画館を捜して見に行ったものだった。今のように古い映画もDVDやビデオテープで簡単にみられる時代が来ようなどとは夢にも思わなかった時代の話だ。
例によってわき道にそれた。
本書はクラシック・バレーの世界を描いたストーリーながら、ダンサーたちの華麗な世界を描くと同時に、様々な葛藤や人間ドラマがその根底に流れており、バレーに興味のない僕にも物語は、興味深く入り込んでくる。
さらには先述のごとく、いろいろと身近な問題にも及んで、考えさせられた。
が家の庭に立つ百日紅の葉や花が、時折吹く風に揺られてそよいでいる。紅の花は百日も咲き続けるということからついた名の通り、まだ満開ではなく4分咲きと言ったところか、それでもその勢いを見せつけるような趣が、二階の僕お部屋から見渡せ、夏の日差しの中でも負けていない。
さて、本書は東京グランド・バレー団の15周年記念公園の演目が、「ジゼル」に決まったことからスタートする。実はその「ジゼル」は15年前、東京グランド・バレー団のプリマの姫宮真由美が代役・Aのダンサーと揉みあいの末、Aが誤って姫宮真由美を刺して殺してしまうという事件があったため、15年の間「ジゼル」は封印されてきたのであった。
未成年だということで名前を伏せられていたAが、現在東京グランドバレー団のプリマである、紅林嶺衣奈だということは誰しもが知っている事実だ。
それが、15周年記念公園とは言え、演目となったことは団員のみならず、世間一般のファンの間にも大きな衝撃を与えたのだった。
そうしてスタートしたストーリーは、団員たちの配役を巡る葛藤など、それぞれのドラマを繰り広げて、「ジゼル」公演の成功を願って猛練習が繰り返されるのだ。
第5波の急激なコロナウィルス感染者の増加に伴い、首都圏3県を含む追加地区が緊急事態宣言を発出されるも、これといった確かな対策はなく、感染者の増加には歯止めがかからない状態だ。
オリンピックの開催が、ステイホーム&テレビ観戦の効果で、人の流れが減少しているといった、政府機関のいい加減な発表に人々は呆れている感じだ。にも拘らずアスリートたちの活躍はメダル獲得に一層の拍車をかけて、その効果を発揮しているようだ。
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