隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1090.夜明けの・晩・に

2010年08月28日 | サスペンス
夜明けの・晩・に
読了日 2010/8/5
著者 斎藤澪
出版社 角川書店
形態 文庫
ページ数 267
発行日 1985/11/25
ISBN 4-04-159703-X

 

上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。

 

達て読んだ「赤いランドセル」のところで、少し書いたが、著者の持つ物語性に惹かれて、第3作である本書も続けて読みたいという欲求に襲われた。 デビュー作の映画化で、冒頭のやり切れないような暗く、陰惨なシーンが印象に残り、しばらく僕はこの作者の作品に、間違った評価を下していたのかもしれない。そう云う感慨に似たものがわいて、しばらく斎藤氏の作品を読み継いでみようかと思い立ったのだ。 25年も前の作品は、少なからず暗い雰囲気を漂わせるストーリーで、まさに僕はこうした物語を気持ちのどこかで期待していたのか、とも思い始めた。



日光戦場ヶ原で発見された、焼けた乗用車と男女二人の焼死体。
調査の結果、車の所有者は東京に住む代田洋一と判明、焼死体の男も同人とだと思われた。調査に当たった日光警察署は心中事件として扱ったが、警察からの呼び出しに東京から駆け付けた男の姉・代田やすかは、弟が心中するとは信じられなかった。
そして、東京に戻った彼女に不気味な電話がかかってくる。
「弟は生きている。警察には知らせるな!」
さらに、それを裏付けるような出来事が起きた。弟から届いた小包にどんな秘密が隠されているのか?
舞台は、北海道へ・・・。
ストーリーの進展とともに、少しずつ明らかになっていく、姉弟の出生の謎に絡み、ふたりを身動きの取れない状況へと追い込む。

 

の作品は昭和57年に発表されたのだが、まだ第2次大戦の影響を色濃く感じさせる場面もあって、そうしたことも暗い雰囲気を漂わせる一因となって、僕を少し酔わせる。

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿