隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1311.ラスト・チャイルド

2013年01月12日 | 冒険
ラスト・チャイルド
The Last Child
読 了 日 2012/01/09
著  者 ジョン・ハート
John Hart
訳  者 東野さやか
出 版 社 早川書房
形  態 文庫上下巻
ページ数 367/345
発 行 日 2010/04/15
ISBN 978-4-15-176703-6
978-4-15-176704-3

 

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xnミステリー(スカパーHD 649ch)のBOOK倶楽部で紹介されたのを見たのかどうか、僕が本書を知ったのはどこだったか忘れたが、タイトルだけは記憶の隅に残っていたらしい。
BOOKOFF木更津店で105円の文庫棚に、珍しく上下巻がそろっていたので買ってきた。今これを書いていて、いやもしかしたらこれを知ったのは、以前BS11(イレブン)で見たのかもしれない、とどうでもいいことだが頭の隅をよぎる。不況を伝えられる出版界の現況をよそに、否だからこそか、テレビの書評番組は打ち切られることなく、僕は楽しみに毎週見ている。
そのBS11で現在放送されている「宮崎美子のすずらん本屋堂」という番組を見ていて、最初はなぜ番組のMCに彼女が選ばれたのか分からなかったが、回を重ねるうちに宮崎美子氏が大変な読書家であることが分かってきた。しかもただ読むだけでなく、著者の狙いや内容を深く理解していることが、到底僕などが足元にも及ばないことも分かったのだ。
毎回作家をゲストに迎えて、新作についてのトークを行うコーナーでは、彼女がそれらの本をよく読んでいることが、トークの中で作家にも伝わっていくのがわかり、作家の対応が真剣みを増していくのを見るのも楽しい。以前はNHKで放送されていた「週刊ブックレビュー」という番組では、惜しくも亡くなった児玉清氏が名インタビュアーを務めていたが、宮崎美子氏のインタビューも、控えめながらそれに劣らない実力を示している。

 

 

ちょっとわき道にそれた。
最近は翻訳小説は読み始めてしばらく、舞台となっているその地方の環境や慣習、人々の生活や人情の機微に慣れるまでが、近頃は時間を要する。そんなことから翻訳物から遠ざかっているのかもしれない。昔はそんなことはなかったのになあ、と思うのは老人の繰り言か?
面白い本を読むには、それなりの努力???も必要ということか。努力といえば、物忘れも加齢とは関係なく、忘れないための努力が歳を経るごとに減ってきているのが原因だということだ。僕などはその典型だ。
全く努力をしなくなってきた。安きにおぼれるというが、楽な方楽な方へと傾いている。そんな中でこのブログが続いているのは奇跡のようなものだ。

 

 

こか定かではないところで紹介されていた内容は、全くと言っていいほど覚えていないが、何とはなしに、「誰かが行方知れずになって、その家の少年が捜し歩く・・・」というような、ストーリーではないかと思っていた。
読み始めて、確かに一人の少女が行方不明になっているというスタートだったが、いわゆる営利誘拐事件ではなく、失踪事件だ。事件は1年前に発生した。
失踪したのは13歳の少女・アリッサ・メリモンだ。彼女はジョニー・メリモン少年の双子の妹で、この1年傍から見たら異常とも思える行動とともに妹アリッサを探し続けている。メリモン家は、父親のスペンサー、母親のキャサリン、そしてジョニー、アリッサの兄妹の4人家族で、平和な暮らしをしていたが、突然のアリッサの失踪が、父親の家出や母親の薬物依存を招いて、悲惨な状態に陥っていた。
ジョニーはそんな状況の下、親友のジャック・クロスを巻き込みながら、あきらめずに妹を探し続ける。近隣の性犯罪者をしらみつぶしに調べるというジョニーの危険な行動に、ひそかにキャサリンに思いを寄せるハント刑事は、手を焼きながらも理解しようと努めるのだが・・・・。
そうした中、またもや一人の少女が行方不明となる。

悲惨な真実が分かる結末を迎えるのだが、事件解明のカギを握る人物の感動的な行動が胸を打つ。

 

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