金田一耕助のモノローグ
金田一耕助のモノローグ | ||
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読 了 日 | 2005/03/25 | |
著 者 | 横溝正史 | |
出 版 社 | 角川書店 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 136 | |
発 :行日 | 1987/08/30 | |
ISBN | 4-04-130496-2 |
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者横溝正史氏のエッセイ集。
戦時中岡山県の山村に疎開していた当時の話は、戦中、戦後と物のない厳しい時代を子供だった僕にもいくらか記憶にあるので、苦くも懐かしい思いが蘇る。
氏は、この時の疎開が縁で、かの名作「本陣殺人事件」をはじめとする岡山や、瀬戸内の小島を舞台とする金田一耕助シリーズを生み出した。
「本陣殺人事件」や、「獄門島」はかなり後になって僕は読んだのだが、その後探偵小説誌「宝石」に連載された「悪魔の手毬唄」あたりからは、リアルタイムで読んでいる。
あの頃文字通り胸躍らせて読んだことを思い出す。
同時に、原作とは全くの別物であるところの、片岡千恵蔵扮する金田一映画も残らず見てきた。
というようなことも思い起こさせるエッセイである。
片岡金田一を、見たのはまだ中学生のころで、まだ金田一幸助を知らなかった頃だったと思う。だから、その後原作を読むようになってから、ところどころで原作と合致するような筋運びもあるものの、主人公のキャラクターがこうも違っていいものかと感じたものだ。
しかし、昔ながらの活劇ともいえる片岡千恵蔵氏の、颯爽たる金田一耕助は、それはそれで楽しんでみていた。「三本指の男」(本陣殺人事件)から、「獄門島」、「悪魔が来り手笛を吹く」等々、田舎の小さな映画館で、胸躍らせながら見ていたことが、思い出される。
このエッセイが新聞に連載されていた頃は、、僕が活字離れを起こしている真っ最中だった。
思えば、その活字離れが僕にもたらした損害は、計り知れぬものがある。しかし、こうしてまた、古今東西のミステリーを思う存分楽しめるときが来たのだから、良しとしよう。
金田一シリーズも機会があるごとに読み返すとしよう。
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