杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

見てる・・・

2010年05月30日 | 日記
全日空58×便は、午後〇時××分晴れ渡る松山空港の
滑走路へ滑り込んできた。

乗客が次々と出てくるのだが私の目当ての人間の姿が見えぬ、
(搭乗出来なかったのか ?) 一瞬不安がよぎったが ?
乗客が途切れて少し後、3人の乗客の姿がガラス窓の向こうに
見えた、3人は私の姿を確認して笑顔を見せた。

シ-クレットの事情があるため男女の別、仔細は公表できない。
超大国某国大使館員である。

数日前、私の元へ一人の館員から電話がかかってきた。
旧知の間柄の彼は、ある仕事を兼ねてこの松山へ来るという、
その合間を縫って会う約束をしたのである。
わずか1時間半ほどの時間だったが人目のつかない場所を選んで、
お茶に興じた。

私には彼らの目的は判らない、あえて問うことも無い。
公私を切り離すのが我々の鉄則である。
仕事を離れた間には、堅苦しいしきたりは無い、普通の人間同士
としての交友が今日まで続いている。

楽しい語らいと私の健康に対するいたわりに長年の友情を再確認する。
今回は、ひとつだけ彼らに私の質問を投げかけた・・・?
私の、仕事、背景の不条理に対する疑問と、不測の事態を想定して、
助言を求めたのである。私の身の安全への担保でもあった。

松山空港は、さまざまな人たちの出入りでにぎわっていた。
もろ手を挙げて孫を迎える者、涙を流して恋人を見送る者、
そこには、いろんなドラマが展開していた。

青空の中に、流れるような千切れ雲、空がさらに高くなったような
まるで真夏の到来を思わせる陽射しがアスファルト道を照らしていた。

談笑は終わった、仕事に向かう彼らと笑顔の中でさよならした。
次は、東京で会いましょう !? しかし・・・?
世界を股に駆ける彼らとゆっくり会えるのは何時になるか判らない。
田舎の街で生活する者に、大きな舞台は見えない。
時と場合、戦乱の地に身をおく彼らに安息は無い。
神のお加護と幸運が有ることを祈らずには居られない。

朝、ある依頼の電話が旧知の社長から入っていた。
館員との所要時間を想定して、午後の時間を指定していた。
空港から約50分走った所にある社長の家をお訪ねした。
ある手続きの相談、依頼であった。

打ち合わせを終えると、奥さんが美味しいコ-ヒ-を入れて
下さった、(ああっ! 旨いな !) コ-ヒ-カップを両の手で
包みながら心のうちで呟いた。

町並みから少し奥まったところにあるご自宅は、
云わば奥座敷、心置きなく雑談に興じることができる。

社長の口から思わぬ言葉が出た ?
「見てる 聞いてる 判ってる」 ・・・
弘法太子がおっしゃった言葉という・・・

私が、よく言う、(お天道様はお見通し)
これと全く同じ意味合いを話された。
人生の最後には、かならず辻褄が合う !? (帳尻が合う)
これも私の信念と同じである。

貴重な話も伺ったが、これは社長がよく相談に伺うあるお寺の
住職さんの不思議な話であった。
人間が推し量ることのできない宇宙の神秘、大自然の力・・・
不思議なことがあるものだ、やはり人を騙したり、いじめたり
したらいかんということだ。
そのしわ寄せは必ず来るぞと、おっしゃられるのである。
肝に銘じ、姿勢を正し、まっすぐ歩かないかんということか !?

若いころの無頼 !・・・人を震え上がらせた侠気 !・・・
社長の若きころの一面である。
それが、年とともに人間が練れて、金持ち喧嘩せず。

どう云う訳か、私とは気が合う、
弱い者に目を向け、手を差し伸べる男肌が、私と共鳴するところ。
「強気をくじき弱気を助ける」 同じ人間が居るんですね !?
「また、話に来てください !」 奥さんの声を背に家路に急いだ。

社長の別の顔・・・!
田植えの準備に没頭する米つくりのプロがそこに居る。

昼間見えていた周囲の峰の入道雲が、夕方になると姿を隠し、
たなびく雲が、夕焼けに映えていた・・・。。。

                      合掌

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