森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

霊長類としての人間

2009年07月17日 08時04分29秒 | 過去ログ
一昨日は看護学科の講義の大詰め。
脳卒中、自閉症、骨折、認知症の事例の感情の変化を
脳科学からとらえ、そしてどのようにケアを提案するかについて議論した。
そのうち、1事例を選んで、課題レポートを提出してもらう。
脳を知ることで、対象者のこころを知ろうとする。
科学的な対応をナースが持つことで、
人間性をさらにUPしてもらいたい。

午後は来週に出向く文部科学省の履行調査について確認会議が行われる。

会議とはアナログであるが、
人の表情が見れるこのアナログ的関係性はいつまでも残すことが大切であるかもしれない。
ただ、デジタル的会議であるなら、メールでよい。

新型プリウスが売れているようだが、
その背景にある機械産業は電器産業にとってかわられているだろう。
時代の流れは速いし、その流れについていくだけで必至な感じがある。
ふと、パソコンのとなりには私の4代目ベースがあるが、
彼とは20年の付き合いになるが、
少々、故障気味だが、このような楽器は30年たっても変わらないであろう。
文化とは変わらないものだ。
絵筆が変わらないように。

脳はデジタルに向かっているが、身体は文化と同じでアナログのまま。
現代人がかかえているストレス社会はこの解離現象なのかもしれない。

昨日は、つくだクリニックの井口さんと自閉症の子どものケース会議を行う。
2週間に1度であるが、7月頭が忙しかったので1か月ぶりである。
面白い現象に考察を加える。

スーパーやコンビニで何でもモノがそろう時代。
人の顔を見なくても生きていける現代。
以前の八百屋や、魚屋であれば、
自然と非言語的コミュニケーションや言語コミュニケーションが生まれたが、
今は必要ない。
その時代の若者がいきなりコミュニケーションをとれ!といわれても、
図式化されていないからフリーズを起こしてしまうのかもしれない。
ヨーロッパには朝市がいまだに立つ。
そこでは人の顔を見るという
生物的な現象が続いている。
アナログ脳の再興が教育でも求められるのかもしれない。

午後は学科会議、教授会、大学院研究科委員会、リサーチカンファレンスと続いた。
学科会議では実習のこと
教授会では後期授業体制のこと
研究科委員会では博士論文の審査体制のこと
リサーチカンファではfNIRSの解析のこと
などを話あった。

その後、博士課程の信迫君と修士課程の清水君と研究の打ち合わせをした。


顔を見るという霊長類固有のコミュニケーションはこれからも伝承していかなければならない。


最新の画像もっと見る