森岡 周のブログ

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New Paper Accepted!!

2016年07月12日 00時41分39秒 | インフォメーション
New Paper Accepted!!

博士後期課程の石垣 智也君の筆頭論文が国際雑誌Neuroreprtに本日受理されました。
Ishigaki T, Imai R, Morioka S. Cathodal transcranial direct current stimulation of the posterior parietal cortex reduces steady-state postural stability during the effect of light touch
この研究は、彼が修士課程の時に行った姿勢バランスの安定化に貢献するLight Touch効果時の脳活動(Ishigaki T, Ueta K, Imai R, Morioka S. EEG frequency analysis of cortical brain activities induced by effect of light touch. Exp Brain Res. 2016;234(6):1429-40 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26758719)の責任領域に迫ったものです。



修士課程時に調べた研究では、後頭頂皮質の活動(EEG)がLight touch効果に関連している(あくまでも相関関係)ことを示しました(http://www.kio.ac.jp/nrc/kio_ishigaki_press)が、今回は後頭頂皮質の活動を陰極tDCSによって一時的に抑制すると、姿勢バランスが不安定化することを明確化しました。同時に感覚皮質においてはその影響はなく、Light touch効果は体性感覚入力を与え感覚皮質の興奮性を高めることによる効果でなく、姿勢定位に貢献する感覚統合による効果が大きいと結論づけられました。この知見は姿勢バランスを向上させるための臨床メカニズムに大いに貢献できると考えています。
この研究は博士学位申請論文のメインとはせず(あくまでも修士論文の延長線のreportなので)、彼は今やっているそれを発展させたユニークな研究(博士学位申請)を行うことで、私たち療法士が何気なくやっている手続きを明確にするつもりです。これがはっきりすれば、私たちの「手」はとても大事な情報源として認知されると思います。楽しみです。
先ほどまで行われた大学院ゼミ。彼は先週所用でいませんでしたが、本日、臨床を終え、ゼミに来るだけで、場の空気を優しくも厳しくも安定させるという力をもっています。彼はどこにでも出せますし、その反面、手放したくない人材でもあります。

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