この作家の名前をみて、どう言う作家だかわからなかった。
読み始めたら面白くて、裏表紙の経歴を探してはじめて「女たちのジハード」の作家だときがついた。
流行ると手が出ない私の性分で通り過ぎ、そのままになってしまったのだろう。
ホラー作家とご本人は言っているようだから、書棚で見てもきがつかないのかもしれない。
いやあ、痛快だ!書いてあることがはっきりしていて好きだ。
いろいろそうだそうだと喝さいを挙げたエッセイがあるのだが、15年近く前にこれだけはっきりと、
今の状況に警鐘を鳴らしていることに拍手を送りたい。
(前略) 本来ありえない人工環境をビル内につくり上げ、一歩出ればそのビルから吐き出された熱気とアスファルトの照り返しによる灼熱地獄が待っている。化石燃料を燃やし尽くすまで、こんなことを続ける気なのか、それともいくつもの過疎地を核燃料基地に変え、国中に原子炉を林立させるつもりなのか。(後略)―――四十女のルーズソックスから抜粋
役人を経験したという作家は、全部が全部庶民の視点ではない。だが、これは役所はこう言う視点でものを言い、行動に移していると解説してくれる。
そうかあ、そういうことかと思ったエピソードもあった。食わず嫌いはよして、直木賞受賞作から読んでみようと思う。
でもある時期から「ヤバイでこの人」と感じて読めなくなりました。なるほど、「ホラー」色が濃くなって読めなくなったんだ、今更ながら理解できました。でもね、ホラーって言うより宗教的に感じました。だんだん異様な世界にのめり込む感じで恐ろしくなってやめました。
読んだら感想を書いて下さいね、楽しみにしてます。