Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

マイティ・ソー バトルロイヤル

2017-11-06 21:37:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


私はもともとソーのシリーズはそんなにお気に入りではなかったし、ハルクなんかバナー含めて全く論外だったので、実はこれ見に行かないかも・・・と思っていました。

ところがツイッターの神様が好評ツイを私の顔にペシペシ叩きつけてくるものだから、これではそのうちネタバレも投げ込まれるに違いない!

と思って、どういうわけかそれは嫌(見ないと言ってたのに)だったので大急ぎで予約して行ってきました。

(しかもオープンしたての「TOHOシネマズ上野」に仕事帰りにちょうどいい時間帯が。映画館の神様も見なさい、ってこと?)

ああ、神様たち、お導きありがとうございます。

雷神ソー、

「こんなのが見たかった!」

「これがアメコミ、マーベルだ!」

と心で野次を飛ばしながら見ましたよ!!

神の国の話のせいか英語がとても聞き取りやすくその台詞がいちいち面白いし、ロキちゃんの出番も多いし、ソーの大喜利見せ場もこれ見よがしにカッコイイし、

あとあと、私の嫌いなジェーンは出てこないし(ナタリー・ポートマンは女優として好きだけど、あの役の存在がソーをつまらなくしていたと思う)、

ハルク/バナー博士まで可愛いし、スタークの服もご愛嬌だし、

アイアンマンとキャップ抜きのマーベルでこんなに壮大で面白いなんて、

無名の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が面白かったのと同じくらいのショックじゃないでしょうか?

戦闘シーンにぴったりマッチした「あああ〜〜〜あー!」が印象的なレッド・ツェッペリンの名曲には、もう誰でも身体が反応したと思いますが、そのタイトルが「移民の歌(原題もImmigrant Song)」だったと思い出し、映画の終盤でアズガルドの民が宇宙船に乗って「故郷は場所じゃない」と去っていくシーンでは、そうだったのか!!と震えました。

コークの中の人の演技が並み居る豪華キャストにも劣らずすごい!と思ったらそれが監督さんで、タイカ・ワイティティというニュージーランドの人でした。懐かしいニュージーランド航空のLotRの機内安全ビデオの人でした。


しかし、マット・ディモンには私まったく気が付きませんで、なんてブサイクなロキ役者!って思ったくらいでした。後で記事を読んでびっくりしました。無名の俳優さんかと思ってましたので。

それを確認するつもりではありませんが、劇場公開のうちにもう1度見たいです。






ストレンジャー・シングス

2017-11-05 10:32:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
80年代のアメリカ映画はそれほど見てないにもかかわらず、80年代アメリカの田舎町が舞台のこのドラマの匂いにとても惹かれて、このためにネトフリを再開してシーズン1を見終わりました。

負け犬男子4人組は、「スタンド・バイ・ミー」を思い出させますが、キャラ構成はだいぶ違っていて、まずリヴァー・フェニックスに相当するイケメンキャラはいません!

その代わりナヨナヨ系の子が2人もいて、彼らがとっても可愛いんです!

まず失踪するウィル。



左が真面目でプライドの高いルーカス、中央カエル顔とドラマ中で言われていたけど、どこか変だけどそれもチャームポイントでかわいいマイク、右がみんなのまとめ役ダスティン。



そして謎のパワーを持つイレヴン(エル)。



ストーリーは、平和な田舎町の子供たちが失踪し、逆に突如と現れた謎の少女をめぐり、友達を探す子供たちと、その家族が体験する未知の世界!というSFスリラーです。

4人組の会話にはスター・ウォーズや指輪物語とホビットが出てきて、町の映画館で上映されてるのはターミネーター、家にはゴーストバスターズのグッズが転がったりして、

そうかと思うと、疾走した男の子ウィルの家は、父親がアル中で離婚、母親(ウィノナ・ライダー)がスーパー働くという恵まれない環境で兄のジョナサンはUKパンクを聴いてるんですね。うむ、当時は労働者階級の上中流に対する自己主張の音楽だったものね。

でもUKだったら交わらないはずの中流の家庭の子マイクの家の地下室にウィルはいつも遊びに行ってるんです。

マイクのお姉さんも優等生ながら面白いキャラなんですが、彼女が聞いてるのがトーキング・ヘッズでした。あれは当時のインテリ層に世界的に受けていましたもの。

と、今の私たちに魅力的に映る80年代カルチャーをちりばめて、ファッションもまたファッショナブルじゃないところが滅茶苦茶クールで、男の子4人とイレヴンががすごくいいんです!

肝心のストーリーも、構成が見事で、気に障ってたウィノナ演じる熱い母親も最終的にはなんだかストーリーに不可欠だよな、と納得し、シーズン1が完結。


そして最近10/27にシーズン1のラストから1年後という設定でシーズン2が配信開始されました。前シーズンでは12歳だった子供たち、声変わりしてる子もいてハリポタシリーズみたいに物語とともに成長しています。

エピソード名も第1話は「マッドマックス」ですよ。新キャラ転校生のマックスは、ゲーセンでパックマンをしていて胸が震えました!これから2話以降です。楽しみです。

イヴォ・ヴァン・ホーヴェのオセロー

2017-11-03 21:30:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


東京芸術劇場にて今日から3日間公演のある「オセロー」です。

監督は、去年ブロードウェイで「るつぼ」を発表したイヴォ・ヴァン・ホーヴェ、美術・照明デザインも「るつぼ」のヤン・ヴァースウェイヴェルド。

同じビル地下にあるシアターイースト/ウエストの小劇場は、オックスフォード大学演劇協会のシェイクスピア作品を見に行ったことがありましたが、

メイン劇場の2階にあるプレイハウスに初めて入りました。

内部は広すぎず、客席がとても舞台を見やすく配置された印象ながら、壁面がレンガとスチームパンク感ある機械パーツ風のデコレーションがされていて、風変わりな劇場です。

席に着こうとチケットに書かれた「C」列を目指し3列目に足を踏み入れて席を読むと、「E」列とあるではないですか・・・そこでやっと気づいたのは、私は最前列の席だったのです。

赤いベルベットの幕が開くと、ブルーの幕に囲まれた舞台が現れ、イヴォ監督&ヤン美術らしいシャープでクリーンな「線」の印象のイスにもたれた俳優さんたちが現れました。

やはり、近いです最前列!ステージとの距離は、C列ということから想像するに、AとBも無理やり作ろうと思えば作れるギリギリの空間しか空いてません。

ロンドンのアルメイダなどは、いわゆる小劇場のつくりなので近いのも自然だったのですが、本格的な2階席もある劇場だと、俳優さんが演じている空間内に自分が座っているような気がして「スミマセン」って感じでした。

でも顔の表情が普通に見えるのは私は大好きです。バレエと違って「字幕」を読まなくてはいけないので(オランダ語上演)俳優さんたちの顔と字幕と交互に見るのが忙しかったですが、やはり顔は大切です。

そして今回の内容で期待していたのはオセロー(黒人、ムーア人、アラブ人とされている)役が白人の俳優なこと。

人種差別に敏感な昨今にとてもタイムリーな配役ですよね。

オセローは白人社会で有色人種ながら成功した理性的な軍人というキャラクターですが、それが白の中にひとりだけ黒の存在だと内面の特質よりも肌の色の違いの方がインパクトが強く、人間性が色で誤魔化されるような気がしていたからです。

それで今回の配役だと、人種だけは白人ながら特質は原作通りなので、オセローが中年であることや、軍人らしい身のこなしや冷静な振る舞い、妻が裏切ったと思い込んだ時の暴力的な表現が目に飛び込んで、彼の感情が理解しやすかったです。

反対に、最近感じつつあった、シャイクスピア時代の女性の理想像がまた鼻についたところがあり、女性差別撤廃の今日この頃に、西洋諸国でその辺に誰も違和感を感じないのかと不思議です。

「父に従い、結婚したら夫に従う」などのセリフの事です。


あと、演出で面白いな〜と思ったのは、やたらと役者さんたちが服を脱ぐ事です。まず最初からして裸で、セリフを喋りながらみんなが着衣していくんですね、オセローはたるんだお腹も隠せない下着姿のおっさんで、軍の制服を着た途端にピリリとカッコよくなりますので、観客にはオセローは中年、という印象が強くスタートするんです。

オセローだけではなく若いキャシオーやロドリーゴも脱いでいるので対比になります。

そして女優さんたちも同じで、一番豊満な体型のエミリアは脱がないんですが、デズデモーナとビアンカはもうギリギリまで脱いでます。私の両脇に中高年の男性が座っていたので、その二人にも見せるのはもったいない、と勝手に思ってました。と言ってもデズデモーナはとても華奢な役者さんで全然おっさん受けはしない少年のような体つきで、髪はショートでクルクルだし本当に天使のようでした。


今回、美術がとても気に入ってまして、オープニングの青い幕が、舞台が変わると嵐のように流れて床に落ち、舞台が奥の壁と袖の左右にとても広がるんです。特に奥行きの距離感がすごいです。その壁は劇場そのものの壁で、通常は描き割りなどの美術セットで見えない壁のはずなんですが、床、壁と黒いので剥き出しでも全く問題ないのがカッコよかった。

俳優さんにとっては、なかなか袖に引っ込めないので後ろ姿の演技の時間が長くなって大変かもしれません。

そうそう、始まってから割とすぐ、舞台の客席に近い方で、ワインのボトルが倒れて液体が結構こぼれたんです。半分くらいは床に広がってしまい、私の眼の前だったので、そこで役者さんが転んだりしないか気が気ではありませんでした^^;

でも俳優さんもなかなかうまくそこを避けて演技はしているものの、イアーゴがその上に転がることがついに起きてしまい、それでもそこは割と修羅場だったので、髪乱れてぐちゃぐちゃになったイアーゴの制服についたワインの染みはストーリーにあってはいました。

それにしてもイアーゴ役の俳優さんがうまかった。私が過去に見たオセローでは、ローリー・キニアのイアーゴだったので清潔感がありすぎて、今回のいかにも悪が顔に出てる風体のイアーゴを見て、やっとこの役のことが理解できました。本当に不潔感まで漂うような男だったのに、カーテンコールでは紳士になってましたから。

カーテンコールといえば、なんとイヴォ監督も出てきてくれたんです!これには嬉しいびっくり!!一緒に来日されているとは知りませんでしたので。すらりと背の高い、ベルギーの人らしい控えめで知的な方ですが、スターに出会えた高揚感に包まれ盛り上がっちゃいました!