Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Parade's End報道劇

2012-08-20 01:12:00 | パレーズ・エンド
[[youtube:lBw0A9y-L24]]

新BBCドラマParade's Endの放映に合わせた記事&インタヴュー&写真猛攻撃を
ドラマは日本からは見られないのに、刻一刻と見て読んでいたこの数日でした。
は~、ネット社会ってば情報に国境は随分となくなり、24日にイギリスで
テレビ放映始まったら、今度はその内容がどっとネット上を駆け巡るわけですね。
肝心のドラマは見られないのにね~~!しくしく。。。

主演俳優の新しい写真を見てうっとりし、
英語の報道記事をやっとこさ頑張って読み終わった~~と思う間もなく、
ベネディクト・カンバーバッチ「ポッシュな役ばかりオファーされるんだ。
アメリカに引っ越したくなっちゃうよ。」発言でさらに読み物が増大してしまいました。
えええ?!バッシング?!

私自身は、それを読んで「ああ、また彼のあまのじゃくだな。
パブリック・スクールからオクスブリッジに行きたくなかった時と一緒ね。
ふーん、アメリカねえ。今でも撮影でかなり海外暮らしでしょうに。
でもやっぱり外国に住むというのはしがらみから解放されて楽しいんでしょうね。
2年くらい住んで、それでロンドンに帰ってくるんじゃないかしら。
インタヴューで『やっぱりhomeと呼べるのはここなんだよね』なんて
言うんじゃないかしら・・・」と思ったものでした。

きっと私が日本に住んでるから、イギリスでもアメリカでも彼がいい仕事を
してくれている限り作品を鑑賞できるということには何も変わりがないので
そう思ったのだと思います。どこかに存在してくれることが嬉しい。
それにposhというレッテルを貼られるのを嫌がってるというのは
役者として同じ役柄で定着したくないというのは自然なことかなと。
まあ、ファンというのは、何したって許しちゃうものw

でもその「ポッシュ」発言がイギリスで物議を醸し出したというのは、
それだけ階級社会があの国で根の深い問題なんだと思い出しました。

日本にいると、イギリスの階級差というものは文字通り「遠い国の話」ですので
全くの他人事です。自分は蚊帳の外ですから。
でも、外国人の私でも、ロンドンに住んでた時は意識していましたよ。
だって貧富の差がね、日本の比じゃないのですもの。
普通にお給料いただいて生活する労働者階級はかつかつです。
お金持ちはお金あるのに何やらコネで色々特別なものを安く入手する特権もあるし
逆に失業者とかシングルマザーとかは住宅も無料でベネフィットもらって
生活してるのに、オーガニック・カフェ行ったり子供にブランド靴履かせてるの。
その金はつつましく暮らしてる労働者(つまり自分)の税金からまわってるかと思うと、
上にも下にも「なんだよ~」と言いたくなるのです!

あ~、そしたら、私が今ロンドンに住んでたら、
「Poshなおぼっちゃんが何贅沢言ってんだよ」って思ったのかしら。。。??

でも当地ファンサイトの管理人さんツイートにこんな一文が。
「素晴らしい皆様、ベンの現在の報道にはさぞ心配なことでしょうが
もちろん執筆者達には敬意と礼儀を徹しましょうね。」
んん、やっぱりイギリス人でもファンはファン。
それにしてもファンとしての品位を保とうという呼びかけに心打たれました。

でも、もし私がファンでなかったら、
「どうも最近女子にモテモテのカンバーバッチが、またBBCの主役だぜ。
シャーロックはまあ面白かったけど、何?ふーん今度は時代劇で金持ちの話か。
え?・・・そういう役はいやだって?じゃあ役受けるなよ。何様だよ。
さっさとアメリカでもどこでも行けよ~」(なぜか労働者階級の男)
と思ったかもしれません。

この「Parede's Endの露出」→「発言へのバッシング」後、またカウンター記事が出、
その中でさらにベネディクト・カンバーバッチの経歴や過去発言が現象を振り返るという
意味で紹介されていました。イヤイヤ発言のせいで余計に経歴を注目されるとは。
でもその中で、ベネディクトが悪口を言ったともうひとつのバッシングのネタである
「ダウントン・アビー」の製作者ジュリアン・フェローズの書いた文が100%擁護的で
こんなにいい友人(親の友人)にも恵まれているなんて幸せ者だなあと思いました。
(だけどそれがまた嫉妬の元なんだろうなあとも思う)
ダウントンのことを知らない方は過去に書いたこんな文を参考に・・・
ついでに「シャーロック」の初めてのブログ記事も「ダウントン」と一緒に書いてました。

個人的には天然っぷりも愛すべき性格だと思いますが、世間は甘くないようです。
バッシングに一番傷つくのは本人ですからそれが辛い。
発言が真実でなかったらマスコミ嫌いになるだろうし、
発言が真実だったらそれが無自覚が原因だったと認めるもの辛いだろう。
ぜひともこれはいい仕事で世間を見返してね。名誉挽回してね。
頑張って~~、あなたにはその力があると信じてるから~~

報道の質はともかく、今週末に始まるドラマの注目度は倍増、
放送後にも記事&ツイッターが渦巻くんだろうな~~
そして自分は見られないんだから、ネタバレもいやだし、
しばらくこの件には目と耳をふさいでおこうと決心しています。
あ、でも心配で見たくなっちゃうかも!あ~~どうしたら?!


追記:8/20 14:00
文字媒体だけでなく、テレビのBBCニュースでスタジオのゲストや街の人が語ったり、
ラジオの番組でアクセントの異なるゲストに討論させたりの動画を
今朝YouTubeで見つけて唖然としてしまいました。
一流新聞や公共放送まで巻き込む大問題になるなんて。
クラス、アクセント、バックグラウンドの問題は英国民の重大な関心事だという証拠。












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2 コメント

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Unknown (yk)
2012-08-20 18:16:59
しましまさんの洞察、深い~。これってエッセイ集にして出せるよね?イギリス考的な・・・。
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Unknown (しましま(=sofiaandfreya))
2012-08-22 11:09:45
ykさん、そんな~~!!ほんとにもう新聞や雑誌の記事がネットに溢れていたんですよ!!あれ読んだら、きっとそう思いますよ!だって、たかが芸能人の一言でしょう?!でも芸能人でも世間からは「高貴な出」と思われてるから、発言がねえ、厳しくとられちゃって・・・やはり高貴な人には責任がある、というイギリス的な考えが背景にあるとも思っちゃいました。
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