私はマット・デイモンが特に好きではありません。主人公に感情移入できないと映画はあまり楽しめないので、当初見るつもりはありませんでした。
しかし、
1 私は「2001年宇宙の旅」が好き
2 物語がディヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」ぽいな。
3 ジェシカ・チャスティンは好きだな
4 あ、リドリー・スコットなんだ!しばらく見てないけど「エイリアン」と「ブレードランナー」は好きだし。
というわけで大きいスクリーンに間に合いました。
耳に入って来ていたのは
「どんな状況にも明るく前向きに対処する主人公を見て元気が出る」
というような評判が多かったのですが、私の場合は
スコット監督の罠にまんまとはまり、リアルっぽい描写に本気で主人公ワトニーとヘルメス号クルーが心配で手に汗握るわ、硬直して筋肉痛になりそうだわでどっと肉体的には疲れてしまいました!
実際に原作執筆時点からリアリティを追求する物語だったことが製作関係の話を聞いてわかりました。映画化にあたってもNASAの職員の監修のもと科学的な真実はかなり追求されたようです。*一部をのぞく
という作りのせいか、「2001年宇宙の旅」で味わった、フィクションだとわかっているけど、つい本物っぽいので本気で怖い、という体験ができました。ディズニーランドのスペース・マウンテンに乗る時はいつも頭の中は2001だったのですけど、これからは火星人になりそうな予感。
火星人と言えば、原題はThe Martianですから、もともとは「火星人」と言う意味で、本の邦題は「火星の人」なんですね。ワトニーは植物を育てたから火星に「植民」したので火星人となったし、その地でアメリカの領土外のものを奪ったので理論上「海賊」「宇宙海賊」だそうで。そのへんの理屈がたいへん楽しい。
それで、じゃなぜ邦題がギリシャ神話の「オデッセイ」になったのかな。
と思ってちょっと検索したら、ありとあらゆる「旅」関係でこの名前は流用されてますが、アーサー・C・クラークによる「2001年宇宙の旅」の原作はこれが第1話となるシリーズもので、そのシリーズ名がオデッセイなんですね。ですから、日本版製作チームの人も私のようにキューブリックの映画を連想して邦題をつけたのかもしれませんよね?!「火星人」よりも偉そうだし。
そしてそして私がキュンとなったのは、ジェシカ・チャスティン演じる指揮官ルイス准将。
彼女はキャプテンです。コマンダーです。
当ブログの唯一の取り柄はラジオドラマ「キャビン・プレッシャー」を全訳したことなんですが、お読みいただけた方にはピンと来るものがありませんか?!
彼女がクルーを置き去りにしてしまった苦悩は、一般の観客よりもキャビン・プレッシャーファンにはおわかりになることでしょう!
「キャプテンは、例え沈み行く船からクルーを逃がしても、自ら船を離れるものではない」とナポレオンの時代から決まっているのですから。
詳しくはコチラ。
と言うわけで、いかにワトニーが救出されるか、という大筋は船、海賊、大航海時代の西洋のロマンから決まっていたストーリーの基本の基本なんだなあ、とラストの感動にひとりニヤニヤいたしました。
西洋ロマンでも、今どきらしく、地上の頭脳スタッフには色とりどりの人種の科学者が活躍してました。チュイテル・イジオフォーさんとか、アントマンでもいい味出してたマイケル・ペーニャとか、中国の宇宙局とか。ジョナサン・アリスもNASAで働いてたけどNASAのIQ値は大丈夫だっただろうか。
しかしワトニーが助かったのは、火星人や海賊になれたのは、優秀な頭脳を持ち、特に理系の知識があり想像力にも富み、身体が丈夫だったからですよね?!
路線が中止になる前は、死ぬまでにコンコルドに1度は乗るのが夢だった私ですが、夢は宇宙に近かったけど理系に弱い人間はいざと言う時生命力ないよな~と落ち込みます。
ボウイの曲は、宇宙船から離れて宇宙に取り残されてしまう歌詞の内容がぴったりな「スペース・オディテイ」ではなく宇宙人で地球に来たがっている「スターマン」が使われていました。こちらの曲も大好きで、最近毎日のように口ずさんでいたので嬉しかったです。内容がまんまではシャレにもなりませんしね~!
普通、こういうストーリーだと山場を創るためなのか、足を引っ張る人だとか悪意を持った人が出てくるものですが、そういうのがなくてみんな一丸となって一つのことに向かっていくと言うのが清々しくてよかったなーと思いました。
マイケル・ペーニャいいですよねえ。
彼が画面に入っているだけで明るくて。なにかアクシデントがあっても、彼がいるだけでなんとかなりそう・してくれそう感があります。ラストのほうもマイケル・ペーニャだから大丈夫と安心して見てました。
<<足を引っ張る人だとか悪意を持った人が出てくるもの
そういわれてみれば?!
あの宇宙開発の偉い白人のおじさんが多少じれったかったくらいですね。
ジャマする人なんていなくても、
宇宙が相手だとそれだけで大物ですから、
たんたんと自然と戦って生きて帰るだけでハラハラドキドキがすごかったです。
マイケル・ペーニャ、終わって調べるまで
アントマンに出てたかわいい人と同一人物か自信なかったんですが
やっぱり彼だ!とわかって嬉しかった。
独特の存在感ですよね~かわいい、かわいい。
マットさん、この映画では文句のつけようもなかったです。
と言うことは、単に食わず嫌いなのかなあ・・・
ジュード・ロウに釣られて見た「リプリー」くらいしか見てないし。
アイアンマンになれてよかったですね。
しかし指輪ネタ、なんだったかな?
いろいろ「クスっ」となる話はあったけれども
すでに色々忘れてます。
もちろん、ジャガイモは食べましたとも!
しかもケチャップつけて^^v