フルタイムバイトの傍ら素人アーティストとして生きているので暇さえあれば絵を描きたいのですが、アウトプットを続けていると頭が真っ白になったり単純にiPadを見つめ続けるのは体に良くないので、気になるアーティストの絵は重い腰を上げて見ることに決意した今年です。
意外にまとめて見たことがなかったマリー・ローランサン。彼女の活躍した時代はシャネルなど女性ファッションデザイナーも出現して(それまで女性はお針子中心でサロンに自分の名前を出す人はいなかった)ピカソやコクトーなど美術界の巨匠たちとコラボしてバレエのステージを作り上げるなど現代の走りのような時代だったのでそれを包括的に展示していました。
逆にいうとローランサンの絵は見足りなかったけど、どちらかというと甘めの絵が得意な私にとっては「そのテイストはもういいよ」な気分でした。彼女の描く人物も目が大きくて鼻の存在が希薄、少女マンガの大先輩、しかもドラマチックというよりキャンパスマンガのような単純な線が、当時の西洋ではすごく新鮮だったのではないでしょうか!!
彼女の絵を見ていて思い出したのはフジタで、同じ時代のパリの雰囲気ですが、フジタは器用な日本人らしく細い面相筆の黒い線を使ったのがフラットな色塗りにいいスパイスだったんだなあ!と改めて思いました。
もうひとつはこれ
ローランサンに比べたら激しくダイナミックですが、繊細な柄きちっと描いた線の絵はとても好み。
激しく暗い色使いの油絵はよくわからないけど、彼の世界の線を捉える目はいいセンスだなあと思いああいう美しい線と形を少しでも描けるようになりたいと思いました。
しかし100年前のスペイン風邪のせいで亡くなったとは初めて知り、28歳で亡くなったなんて惜しいなあ。もっと長生きして年取ってからはどんな絵を描いたのかも見たかったです。
彼の時代のウィーンのポスター、パリのアール・ヌーヴォーとも違うけど、ちょっぴり「字をデザインする/絵の一部として描く」という点が共通してて、グラフィックデザインと絵画のミックスみたいで刺激的でした。パリに比べて圧倒的に暗くて線も太く前衛的なのは意外でした。ウィーンも華やかな空気のイメージがありましたので。