Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

VICTORIA 0307

2019-02-26 00:00:00 | トム・ヒューズ
0307 "A Public Inconvenience"

このタイトル、ちょっと変なんです。

Public Convenience だと「公共の利便」転じて「公衆トイレ」の品のいい呼び方なんですけど、Inがついて逆の意味になり「公共の不便」とは・・・?

シリーズ3は全8話ですので7でいよいよ佳境です。

史上有名な出来事が2つ起きています。

ひとつめは、パーマストン卿の歴史に残る名演説「ドン・パシフィコ事件」。



実はギリシャとの争いの中、イギリス国籍のユダヤ人を救うという名目での国際駆け引きだったらしいのですが、議会で賛同を得るための演説がイギリス人の自尊心をうまく満たしてパーマストンは国民的英雄へ。



この頃にはヴィクトリアも彼の人気に一目置いて、新聞などメディアでは批判されているのに国民は彼を慕っているのはなぜだろうと考え始め、

それまで彼女自身は評判をとても気にして、小娘と言われたり家政婦のような仕事をしている絵が新聞に載るのは、女王の威厳を損ねると思い込んでいたのを改め始めます。

そして、先週アルバートと喧嘩して自分はもう夫に愛されてないのだと思ったヴィクトリアは、なんとか彼が喜ぶことをしたいと努力します。

国政もプライベートも謙虚になってウェリントンやパーマストン、ソフィー(それはどうだ?)にアドヴァイスを素直に求める姿は美しい・・・

ちょっと血迷って軍の司令官ならアルバートの理性的な資質がピッタリ!と勧めてみたりするのですが、

当の本人は万博をなんとか実現したい夢で頭がいっぱい。

実はヴィクトリアはその予算的、実質的な困難に苦しむ様子を見て、「もし失敗したら彼が傷つく」と心配してのことだったのですが、

アルバートも、ギリシャとの国際問題解決に博打に出たパーマストン同様、自分の存在をかけて万博開催に打ち込んでいたのでした。

うーむ、このあたり、「安全パイで行きたい妻」vs「夢見る夫」パターンですね。

しかもアルバートは結婚した時から妻の方が地位が上、自分が国の役に立つのだという証明がかかってますから、全存在をかけていたと言ってもいい。

ヴィクトリアの方も自分の間違いに気づき、ずっとシリーズ3を通してすれ違っていた夫婦の性格がやっとまたお互いを認めるようになって、ああよかった・・・



ヴィクトリアは実は喧嘩していたのはアルバートだけでなく姉とも対立していたのですが、「敵を味方につける」作戦に転じ、それは上辺だけじゃなくてちゃんと相手のことを考えてあげたらなんだかうまくいく、

これは時空を超えて、人は力で押さえつけても同じ力で反抗してくるけど、助けてあげると期待以上の実を結ぶという、人間関係の基本。

ソフィーとジョゼフの関係はついに悪魔の夫の罠にはまって最悪の事態ですが、奴らには同情はできない・・・「ほらな」と言うしかない・・・

そして、来週の最終回は、アルバートの夢の万国博覧会、きゃー華やか、紙吹雪!
ロンドン万博が大成功に終わった歴史を知る後世の人間はただただ楽しみです。

ただ、その後のアルバートをも知る後世の人間は、ずっと喜んでもいられないのですけど。