今週もとっても面白かったVICTORIAシリーズ2エピ5でした。
ナポレオン以来戦争を続けていた英仏が、スペイン女王の結婚をめぐってまた怪しい雰囲気になっています。
スペインと同盟を結ぶ国はヨーロッパにおいて国力を増し、結べなかった国は取り残されるので、スペイン女王が英仏どちらかに近い夫を選ぶかで勢力の均衡が変わるからです。
フランスは時にナポレオンが退位し、ルイ・フィリップ王が君主、スペイン王女と自分の息子を結婚させて革命以来不安定なフランス王家よりもスペインの王家とのつながりで子孫の安定を図ろうという画策ですね。
一方、イギリス王家のヴィクトリア&アルバートは2人共ドイツのコルボーク公国の血を引いているため、2人の叔父のベルギー王レオポルドの息子をスペイン女王と結婚させたいこともある。だがそれよりもまず、フランスがスペインを手に入れるのをイギリス政府は許せないわけです。
ヴィクトリアは、年若く摂政の母親に決定権を握られるスペイン女王に「poor girl」と自らの過去に重ね同情しつつも、首相ロバート・ピールの懸念に対して「私が話してみましょう」とフランス行きを決行します。
さて面白いのがこれからで、ドーバーを船で渡りフランスへ旅立つご一行の浮かれた様子で、当時からフランスがイギリスにとって敵ながらも華やかな国としてみんなが楽しみにしているのが伺えます。アルバートと衣装係長バッカルー公爵夫人以外は。
ヴィクトリアが旅支度をしている時から「絶対持っていく!」と言っていたのがこちらの愛犬ダッシュの刺繍入りのバッグ。
なんて愛らしい!イギリスも日本のオタク趣味に近いですね。
・・・しかしこのワンコバッグも、港に迎えに来たフランス王側近の婦人達の目には「あまり趣味のよろしくないもの」と映ったようで、「あのバッグ見ました?」「ありえませんわね」みたいなこと言われてましたwww
いつの世も、流行最先端というのはある程度パターンがあって、そこから外れるものは「オシャレでない」という烙印を押されてしまうようで。
そしてそして!そんな自分を見る目に気づいたヴィクトリアは、フランス人のおしゃれを取り入れて、お化粧をして晩餐会に現れましたが、フランス王やアルバートの兄エルンストが彼女に賞賛の言葉をかけたのと逆にアルバートは無言。
実直な性格なので素直に褒めるのが恥ずかしかったのか?と思ったら、なんと化粧そのものに拒絶反応を起こしていたアルバート!!
イギリス人の貴族ってお化粧はしてなかったの?と私もびっくり。髪型やドレスには気を使っても、どうもイギリス人たるもの、顔にペイントを施すのは人工的という考えだったようで・・・後のエリザベスなんて1050年代に真っ赤な口紅ですし一体いつから変わったのでしょう。
で、この怖いものでも見たようなアルバートの表情とセリフがおかしくておかしくて。
ドイツ人のアルバートにとっては、イギリス人以上に「自然に反するもの」は耐えられないものだったのか、それとも彼の性格なのか。
そしてフランス滞在中はフランス文化が「洗練されているはずであるが笑えるよね」的に描かれていて、それを主張するイギリス人の頑固さ、イギリスの食事にこだわる様子が自虐ネタに。例えばトーストが食べたい公爵夫人はフランスパンをつまんで「妙なカタチだこと!」と言い捨てるし。
そしてそして!
フランス文化に辟易していたアルバートが、美しく手入れされた庭園でのピクニックを抜け出し、フランス王子と森に散歩に出かけた時のこと!池を見つけて服を脱いで飛び込むアルバートに誘われても、「冷たいし濡れるし文明的でない」と断るフランス王子に追いついた、イギリス勢の若者2人の明るい顔と言ったら!
おもちゃを見つけた子供のような2人の顔!
すっぽんぽんで池ではしゃぐ3人の男と言えば、「眺めのいい部屋」から「戦場へのラブレター」までイギリス映画の十八番なのでしょうか。3人に次いで水に飛び込んだのはアルバートの兄エルンスト。彼は父亡き後、公国の君主となったというのに。王家だろうが公家だろうが池を見ると入らないではいられない男たち。。。
を木陰でタバコを吸いながら尻目に見ていた王子の結婚のライバルは、アルバートやエルンストの従兄弟。
子息とスペイン女王の結婚を考え直すよう説得に来たヴィクトリアにフランス王が言ったのは、
「美男子のコルボーグの王子達がヨーロッパ中の女王をさらいコルボーグ帝国を築かせるわけにはいかん」
これは本音だろうと思いますが、ヴィクトリアはこれに対して
「私はさらわれたのではなく、愛しているから結婚したのです」
美男に惚れて結婚したこととさらわれたのは意味が違うのは、彼女が全ての決定権を持つからでしょうか。私には同じ意味に思えましたけど。
でも、自分の本当の父がレオポルドであると父の葬儀で聞いてきたアルバートが、ついに自分たちの結婚と子供達は正統でないかもしれない苦しみをヴィクトリアに打ち明けた時のヴィクトリアの言葉、
「あなたが自分を誰なのかわからなくても、私にはわかっています」
これには胸を打たれ、愛してないと言えないよなぁと涙が出ました。その時スクリーンでもアルバートの頬を涙がつたっていました。。。
ナポレオン以来戦争を続けていた英仏が、スペイン女王の結婚をめぐってまた怪しい雰囲気になっています。
スペインと同盟を結ぶ国はヨーロッパにおいて国力を増し、結べなかった国は取り残されるので、スペイン女王が英仏どちらかに近い夫を選ぶかで勢力の均衡が変わるからです。
フランスは時にナポレオンが退位し、ルイ・フィリップ王が君主、スペイン王女と自分の息子を結婚させて革命以来不安定なフランス王家よりもスペインの王家とのつながりで子孫の安定を図ろうという画策ですね。
一方、イギリス王家のヴィクトリア&アルバートは2人共ドイツのコルボーク公国の血を引いているため、2人の叔父のベルギー王レオポルドの息子をスペイン女王と結婚させたいこともある。だがそれよりもまず、フランスがスペインを手に入れるのをイギリス政府は許せないわけです。
ヴィクトリアは、年若く摂政の母親に決定権を握られるスペイン女王に「poor girl」と自らの過去に重ね同情しつつも、首相ロバート・ピールの懸念に対して「私が話してみましょう」とフランス行きを決行します。
さて面白いのがこれからで、ドーバーを船で渡りフランスへ旅立つご一行の浮かれた様子で、当時からフランスがイギリスにとって敵ながらも華やかな国としてみんなが楽しみにしているのが伺えます。アルバートと衣装係長バッカルー公爵夫人以外は。
ヴィクトリアが旅支度をしている時から「絶対持っていく!」と言っていたのがこちらの愛犬ダッシュの刺繍入りのバッグ。
なんて愛らしい!イギリスも日本のオタク趣味に近いですね。
・・・しかしこのワンコバッグも、港に迎えに来たフランス王側近の婦人達の目には「あまり趣味のよろしくないもの」と映ったようで、「あのバッグ見ました?」「ありえませんわね」みたいなこと言われてましたwww
いつの世も、流行最先端というのはある程度パターンがあって、そこから外れるものは「オシャレでない」という烙印を押されてしまうようで。
そしてそして!そんな自分を見る目に気づいたヴィクトリアは、フランス人のおしゃれを取り入れて、お化粧をして晩餐会に現れましたが、フランス王やアルバートの兄エルンストが彼女に賞賛の言葉をかけたのと逆にアルバートは無言。
実直な性格なので素直に褒めるのが恥ずかしかったのか?と思ったら、なんと化粧そのものに拒絶反応を起こしていたアルバート!!
イギリス人の貴族ってお化粧はしてなかったの?と私もびっくり。髪型やドレスには気を使っても、どうもイギリス人たるもの、顔にペイントを施すのは人工的という考えだったようで・・・後のエリザベスなんて1050年代に真っ赤な口紅ですし一体いつから変わったのでしょう。
で、この怖いものでも見たようなアルバートの表情とセリフがおかしくておかしくて。
ドイツ人のアルバートにとっては、イギリス人以上に「自然に反するもの」は耐えられないものだったのか、それとも彼の性格なのか。
そしてフランス滞在中はフランス文化が「洗練されているはずであるが笑えるよね」的に描かれていて、それを主張するイギリス人の頑固さ、イギリスの食事にこだわる様子が自虐ネタに。例えばトーストが食べたい公爵夫人はフランスパンをつまんで「妙なカタチだこと!」と言い捨てるし。
そしてそして!
フランス文化に辟易していたアルバートが、美しく手入れされた庭園でのピクニックを抜け出し、フランス王子と森に散歩に出かけた時のこと!池を見つけて服を脱いで飛び込むアルバートに誘われても、「冷たいし濡れるし文明的でない」と断るフランス王子に追いついた、イギリス勢の若者2人の明るい顔と言ったら!
おもちゃを見つけた子供のような2人の顔!
すっぽんぽんで池ではしゃぐ3人の男と言えば、「眺めのいい部屋」から「戦場へのラブレター」までイギリス映画の十八番なのでしょうか。3人に次いで水に飛び込んだのはアルバートの兄エルンスト。彼は父亡き後、公国の君主となったというのに。王家だろうが公家だろうが池を見ると入らないではいられない男たち。。。
を木陰でタバコを吸いながら尻目に見ていた王子の結婚のライバルは、アルバートやエルンストの従兄弟。
子息とスペイン女王の結婚を考え直すよう説得に来たヴィクトリアにフランス王が言ったのは、
「美男子のコルボーグの王子達がヨーロッパ中の女王をさらいコルボーグ帝国を築かせるわけにはいかん」
これは本音だろうと思いますが、ヴィクトリアはこれに対して
「私はさらわれたのではなく、愛しているから結婚したのです」
美男に惚れて結婚したこととさらわれたのは意味が違うのは、彼女が全ての決定権を持つからでしょうか。私には同じ意味に思えましたけど。
でも、自分の本当の父がレオポルドであると父の葬儀で聞いてきたアルバートが、ついに自分たちの結婚と子供達は正統でないかもしれない苦しみをヴィクトリアに打ち明けた時のヴィクトリアの言葉、
「あなたが自分を誰なのかわからなくても、私にはわかっています」
これには胸を打たれ、愛してないと言えないよなぁと涙が出ました。その時スクリーンでもアルバートの頬を涙がつたっていました。。。