桜乃記-さくらのき-

九州に住む、しがない若手サラリーマンが書きつらねた現代の随筆。
日本名刺研究会(会員数2名)の代表でもあります。

あれから63年、終戦の日

2008-08-15 | 社会事象
今日は終戦の日ですね。
戦争終結から、早63年ですか。

今回はその戦争の事実を風化させないために、
おばあちゃんの短歌を載せてみましょう。



ぼくの祖母は元々広島に住んでいました。
しかし当時日本の占領下にある満州へ、軍人の祖父ともども渡りました。
満州統治のためです。

そんな祖母の、戦時下を思い起こして詠んだ短歌をいくつか抜粋してご紹介しましょう。

出典は雑誌「LIFEwork 第4号 100人のライフワーク」
です。
歌のあとの【評】はこの本の編者が、解説の意味も込めて書きそえた文です。




① 国敗れ五グラムあるやなしやの塩持ちて北鮮の野をさまよえり


【評】一握りにも満たぬ塩を命綱にして荒野を逃げ惑う状況を、ありったけの想像力を掻き集めて思ってみる。戦争の悲惨さと命の重さに圧倒されるばかりである。




② かつて我も難民となりし敗戦下異国の凍土に餅ひさぎたり


【評】この国にこうした歴史があることを私たちは忘れてはならない。しかし女性とはなんと逞しいのだろう。凍土にひさいだ餅が家族の命を支え続けた。




③蹄の音高く鳴らして大陸の広野を駈けし若き日の夫


【評】昭和前期の歴史の波に翻弄される歳月の中にも、青年の夢と壮年の充実の日々があった。作者の記憶に残る夫の耀きは、作者自身の若き日々の耀きでもある。


当時の過酷な生活がしのばれますね。
皆さんも、是非祖父母がご存命ならば戦時中の話を聞いてみてください。



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