体育館からの帰り道、慶太はバイクをすっ飛ばしながら、ふと空を見上げた。
キラッ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/46/3abcb67eb611360c139dfa6670ce47bd.jpg)
明るい星空に、一条の光が差した。
流れ星だった。
「星も俺のことを祝福してくれたんだな。」
慶太は満足感と達成感で胸がいっぱいだった。
「今日俺は、プロボクサーになったんだ。」
この日の行われたプロテスト実技試験。
試験官の見ている前で、受験者同士3分×2ラウンドのスパーリングを行う。
その大半の時間、慶太はぼこぼこに殴られていた。
でも立ち続けた。
反撃のパンチもヒットさせた。
鮮血にまみれながらも勝ち取った、プロの称号。
学生生活における夢を、この日やっと叶えたのだった。
翌日、親友の正也にプロテストの合格と、昨日の流れ星のことを話した。
「なんか運命的だよな、プロになった日に流れ星なんてさ」
すると、友人の正也は言った。
「確かにそうだね、夢を叶えた日に流れ星って、運命だよ。
だけどそれだけじゃない。
流れ星って、実はけっこう頻繁に流れてんだ。
慶太は試験を受ける日まで、過酷な練習を積んできただろ?
そんなきつい毎日だったから下ばかり向いてて、
たとえ流れ星が輝きを放っていても、気づかなかった。
でも昨日やっと合格して、晴れ晴れした気持ちを持ったから
空を見上げれるようになったんだ。
大きな試練を乗り越えたからこそ、
今まで見えなかった、新たな世界が見えてきた。
そういうことじゃないかな。」
その夜、慶太は街が一望できる山にバイクで一人登った。
空が一番近い場所。
「痛ツッ!」
春風に吹かれて、プロテストで被弾した目の上の傷口が痛む。
しかし慶太にとっては、そんな痛みですら、むしろ誇らしかった。
一週間後、プロ初戦に向けてつらく厳しい練習がまた、始まる。
終わり
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キラッ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/46/3abcb67eb611360c139dfa6670ce47bd.jpg)
明るい星空に、一条の光が差した。
流れ星だった。
「星も俺のことを祝福してくれたんだな。」
慶太は満足感と達成感で胸がいっぱいだった。
「今日俺は、プロボクサーになったんだ。」
この日の行われたプロテスト実技試験。
試験官の見ている前で、受験者同士3分×2ラウンドのスパーリングを行う。
その大半の時間、慶太はぼこぼこに殴られていた。
でも立ち続けた。
反撃のパンチもヒットさせた。
鮮血にまみれながらも勝ち取った、プロの称号。
学生生活における夢を、この日やっと叶えたのだった。
翌日、親友の正也にプロテストの合格と、昨日の流れ星のことを話した。
「なんか運命的だよな、プロになった日に流れ星なんてさ」
すると、友人の正也は言った。
「確かにそうだね、夢を叶えた日に流れ星って、運命だよ。
だけどそれだけじゃない。
流れ星って、実はけっこう頻繁に流れてんだ。
慶太は試験を受ける日まで、過酷な練習を積んできただろ?
そんなきつい毎日だったから下ばかり向いてて、
たとえ流れ星が輝きを放っていても、気づかなかった。
でも昨日やっと合格して、晴れ晴れした気持ちを持ったから
空を見上げれるようになったんだ。
大きな試練を乗り越えたからこそ、
今まで見えなかった、新たな世界が見えてきた。
そういうことじゃないかな。」
その夜、慶太は街が一望できる山にバイクで一人登った。
空が一番近い場所。
「痛ツッ!」
春風に吹かれて、プロテストで被弾した目の上の傷口が痛む。
しかし慶太にとっては、そんな痛みですら、むしろ誇らしかった。
一週間後、プロ初戦に向けてつらく厳しい練習がまた、始まる。
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