桜乃記-さくらのき-

九州に住む、しがない若手サラリーマンが書きつらねた現代の随筆。
日本名刺研究会(会員数2名)の代表でもあります。

電車内暴行事件について思う

2007-04-24 | 社会事象
asahi.comから事件の引用です。
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「36歳男が特急車内で女性乱暴容疑 乗客、制止せず」

 JR特急電車内で女性に乱暴したとして、大阪府警淀川署は21日、滋賀県湖南市石部南、解体工植園貴光被告(36)=強姦(ごうかん)罪などで公判中=を強姦容疑で再逮捕した。

 調べでは、植園被告は昨年8月3日午後9時20分ごろ、福井駅を出発した直後の特急「サンダーバード」の車内で、20代の女性の隣に座り、「殺すぞ」「一生つきまとってやる」などと脅して体に触り、その後トイレに連れ込んで乱暴した疑い。

 同署によると、当時、同じ車両には約40人の乗客がいたという。一部の人は異状に気づいたが、植園被告から「何を見ているんだ」などとすごまれ、制止や通報ができなかったという。

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嘆かわしい事件ですね。
勿論加害者の行為は万死に値するものですが、問題なのは異状に気付きながらも何も出来なかった他の乗客達です。
信じられない話ですね。

しかしなぜこのようなことが起こるのでしょうか。


この事件の場合では、多くの乗客がいたために、「責任の分散」が起こったのですね。
すなわち、
「誰かが助けるだろう」
「皆何もしないんだから、俺一人が悪いわけではない」
と皆が思ってしまったわけです。
都会の人が一般的に冷たいのは、このためもあったのですね。

ともかくこの事件の場合、もし逆に乗客が一人しかいない場面だったなら、その一人は意を決して立ち上がったかも知れません。


しかしながら、誰一人としてかよわい女性を助けようしなかったのは事実。
非常に恥ずべきことです。
助けに行って、たとえ二発三発殴られたとしても、それで女性が助かるのなら本当に安いものだったはずです。

被害者の心情を考えると、なんともやりきれません。
確実に人間不信に陥っているはずです。


イギリスの政治家、チャーチルにこのような言葉があります。

『金を失うことは、小さく失うことである。

 名誉を失うことは、大きく失うことである。

 しかし、勇気を失うことは、すべてを失うことである。』


勇気だけは、本当に勇気だけは失いたくないものですね。

十人組手

2007-04-23 | スポーツ
十人組手。

それはフルコンタクトの空手家が黒帯になるのに、避けて通れない試練です。
昇段試験の一部として課され、最大の鬼門となります。

うちの流派の場合は、昇段受験者は1分×10ラウンドの組手を行います。

条件がよければ、相手役の黒帯、茶帯も10人揃います。
つまり受験者は、生きのよい10人と1分ずつ連続して闘わなければならないのです。

当然のことですが、後の方になるとスタミナも切れてくる上に、ダメージも蓄積するので動けなくなってきます。


今回僕は、昇級、昇段を受験する選手達の応援に行ってきたのです。


さて、昇段には他支部の若い女性も挑戦していました。
さすがに茶帯、体も柔らかくて蹴りがメチャクチャに上手い。

「始めー!」
審判の号令でついに十人組手スタートです。

3人目...
4人目...
5人目...

人数を重ねるごとに、彼女の動きがだんだん落ちてきます。
それに対し、怒濤の攻めを見せる相手選手達。

「まだ大丈夫だ、がんばれー!!」
僕は心の中で必死に叫びました。

声に出すと、それと同時に涙までこぼれ落ちそうだったからです。

8人目...
9人目...

明らかに苦悶の表情で、もう見ていられません。

そしてラスト10人目。
気力を振り絞り、前蹴り、ハイキックなどで見事に応戦します。

ここでタイムアップ。
見事に十人組手を成し遂げました!

よ、よかった~(T_T)


さて、休む間もなく次はうちの道場の男の先輩が挑戦でした。

やはり重量級の闘いだけあって、迫力がすごい。

バシバシ!
ゴフゴフ!

しかしやはり、人数を経るごとに動けなくなってきます。
相手役の茶帯、黒帯も猛者ばかり。

「ファ、ファイト~!!」
また泣き出しそうになりながらも、僕は応援していました。

そして10人目も闘い、見事完遂!
汗まみれの道着が、闘いの激しさを物語っていました。


いやはや、無事に済んで本当に良かったです。


黒帯の重さを実感した一日となりました。


質問することの意義

2007-04-13 | マナー、気遣い
車の工場見学に行ったことはないでしょうか?

車の工場は社会見学の定番でしょう。
その工場見学では、ひととおりのラインを見た後、工場案内役の人にこう聞かれるはずです。
「では、質問があればお願いします」
と。

それに対しては、いろんな反応をする人がいるでしょう。

・下らない質問をする人。
・そもそも車に興味がなく、だんまりの人。
・「御社の競争力はそもそも~…」などと鋭い質問を投げかけてくる人。
・恥ずかしがり屋で手を挙げられない人。

しかし、質問って誰のために、なんのためにするのでしょうか?
少し考えてみてください。


僕は質問をすることは、以下3つのためだと思います。

① 自分の好奇心を満たすため。
② 相手のため
③ 場の空気のため

では番号ごとに説明していきましょう。


① 自分の好奇心を満たすため。

これは皆さん理解できると思います。
疑問に思ったことを解決したいのは、人として当然の心理でしょうから。


② 相手のため

少し説明が必要でしょう。
質問を投げかけた人が一番悲しい状況というのは何でしょう?

それは、何も質問が出ない状況なんですね。
このような場面を経験してみると分かりますが、正直結構キツイ。
本当にいたたまれなくなります。
質問がないということは、この工場見学の場合では「車には関心がありません」「あなたの工場には興味がわきません」ということです。
悲しいですね。

だから下らない事でもいいんです、相手の心境を思えば、とにかく質問するべきのような気がします。


③ 場の空気のため

よく「空気を読め」などと言われますが、質問した方が場の空気が盛り上がるんですよね。

「では質問ある方!」
と工場の人に言われて、
「しーーん。」
となって場が凍るのと、

「はい!」
「はいはーい!」
「はい!」
と、我勝ちに手が上がるのでは、雰囲気が雲泥の差です。

場の暖かい空気をともに作っていこうという気配りの心が、手を上に挙げさせるのかもしれませんね。


マニュアル人間

2007-04-08 | ビジネス、経営
自分の頭で考えようとせず、決められた作業をただこなすだけの人間は、マニュアル人間などと呼ばれますね。
物事に柔軟に対処できない人間ということで、決まって否定的な意味で使われます。


よく例に挙げられるのは、マクドナルドの場合でしょうか。

客が一人でハンバーガーを買いに行きます。
「チーズバーガー20個お願いします。」
と店員に話かけると、
「こちらでお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか?」
と聞かれるという、あれです。

実際にあった話なのかどうかは知りませんが、よくマニュアル人間を風刺する話として出てきます。


さて、では実際はマニュアル人間ではなくて、どんな人間が望まれているのでしょうか?
マニュアルという言葉を使って、僕は勝手に以下4段階の人間レベルを考えてみました。


<レベル高> ①マニュアル化人間
  ↑
        ②脱マニュアル人間

        ③マニュアル人間
  ↓
<レベル低> ④マニュアル前人間


みなさん「なんのこっちゃ?」と思ったでしょうから、解説していきましょう。


④「マニュアル前人間」
これはマニュアル通りに行動できない人間です。
要領が悪かったり、やる気が無かったりで、決められたことをそのまま出来ません。

③「マニュアル人間」
マニュアル前人間の次のレベルにいるのが、このマニュアル人間です。
自分では何も考えずに、必要以外の事は何もしません。
しかし形式化されたことはちゃんとやるので、そこは④のマニュアル前人間よりだいぶ優れています。

②「脱マニュアル人間」
このレベルになってくると、マニュアルを完全に習得しつつも、その場の状況により、マニュアルに縛られない臨機応変な対応が出来ます。

①「マニュアル化人間」
そして一番高いレベルにいるのがこのマニュアル化人間です。
これはマニュアル化"された"人間ということではなくて、物事をマニュアル化"する"ことの出来る人間ということです。
上記の②~④はマニュアルに従う側でしたが、①はマニュアルを作り出す側なので、劇的な違いがあります。
なぜこの①が一番高レベルなのかと言いますと、マニュアルを作り出すには観察力、分析力、問題整理の能力、説明能力、文章力など、様々な能力と、その対象への深い理解が必要となってくるからなんですね。



皆さん、「目指せ、マニュアル化人間!」ですよ~(*^_^*)

のび太の結婚前夜

2007-04-05 | その他
のび太と静香ちゃんが将来結婚することは皆さん知っていると思います。
そのドラえもんからの名言をご紹介しましょう。


結婚式前夜、静香ちゃんのパパは、親の元を離れてのび太のもとへ嫁ぐのを逡巡する静香ちゃんに、こう話しかけます。

「のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ。
 あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。
 それがいちばん人間にとってだいじな事なんだからね。
 彼なら、まちがいなく君を幸せにしてくれると僕は信じているよ。」

いや~、名言ですね。
のび太は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことの出来る人間であるが故に、静香ちゃんのハートを射止めたのですね。