ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

大人になるにつれ、かなしく(20)、 逃げ恥最終回20%越え

2016-12-21 10:37:21 | Weblog
入学して1ヶ月が過ぎたゴールデンウイーク明け。心理学部の印象でまず感じたのが、女子学生が多いことだった。勿論、入学前から分かっていたのだが、改めて、その中に入ってみると、自分はここに居ていいのかとさえ思う。ただでさえ法学部や経済学部に比べて、脇に置かれている学部である。

「もしもし誠、大学生活はどうだ。楽しいか?」
受話器から藤沢の少しからかいの混じった、楽しそうな声がする。

「ああ、楽しいね」
ネガティブな言葉を並べたら、どこか負けのような気がした。

「それは良かった。彼女は出来たか?」

「いや、まだ」
どうも口が重い。

「そうか。隠し事はなしだぞ」

「心理学科は女子学生が多くてね。もう少し男が多い方がやりやすいよ、いろいろと」

「贅沢言うなよ。羨ましい環境じゃないか」

「俺も最初はそう思ってたんだよ。まあ、少ない分、男たちの結束は固いけどな」

「ほお、それは良かった」

「それより孝志こそ、新しい彼女できたんじゃないか?」

「ああ。できたよ」

「それは良かった。おめでとう」
心からそう思った。嫉妬よりも、嬉しさのほうが勝った。藤沢がもてないはずがない。

「ああ」

「孝志の彼女だから可愛いんだだろうな」

「そりぁ、可愛いよ」
藤沢の言葉に力がない。オウム返しのような言葉。何となく気がかりだ。

「孝志、お前もしかしてまだ有紗のことが・・・」
禁句を口にしてしまったと思った。僕はそれ以上言葉を続けられなかった。

「馬鹿いうなよ。あいつの事はとっくに忘れたよ。今が楽しいからさあ」
少し怒気を含んだ力のこもった声だった。藤沢はまだ有紗を忘れていない。それがはっきり分かった。

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逃げ恥、20%越え!凄い。もしかしたらとは思っていたけれど。ドラマが始まった頃に、この数字を予測した日とはおそらくいなかったのではないでしょうか。この手のドラマは、例え良作でも低視聴率に終わることが多く、逃げ恥も初回は最終回の半分の10%。2話目からは一桁に落ちるのが常でした。登場人物が、皆マイノリティーですからね。

しかし、その流れを変えたのがガッキーこと新垣結衣のドラマのエンディングで流れる恋ダンスでした。「可愛い」と話題を呼び、動画再生回数もとてつもない事になり、社会現象にまでなりました。ガッキーの可愛らしさなくして、この高視聴率はなかったですね。

菅野美穂とは別の意味で、新垣さんも役の人格に忠実になりきろうとする女優だと思います。ただ、どうしても可愛らしさばかりが目立ってしまう。何年か前に見た「情熱大陸」。ガッキーという可愛くて明るい女の子というイメージとはかけ離れた、むしろ人見知りで、マイナス思考で悩んでいる姿が印象的でした。今回のドラマは、世間のステレオタイプなガッキー像を受け入れながらも、女優として役を全うしようとし続けた彼女へのご褒美だったのだと思います。新垣結衣の代表作が出来ましたね。

世間的に2016年を代表する曲は、朝ドラ主題歌の宇多田ヒカルの「花束を君に」と、「逃げ恥」でガッキーとダブル主演だったとも言える星野源の「恋」ではないでしょうか。紅白でもまた二人の再会を期待したいところです。


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