ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

朝ドラと日本人

2017-04-08 00:18:38 | Weblog
NHK朝のテレビ小説は「べっぴんさん」が終了し、今週から「ひよっこ」が始まりました。「べっぴんさん」は初めの方しか見ていませんが、3月に入ってから20%を割るという状況から見て、うまく視聴者をつかめなかったとみていいでしょう。

「ひよっこ」はいいですね。脚本家が違う。朝ドラでも「ちゅらさん」や「おひさま」を手がけた名手・岡田恵和です。彼のドラマをどれだけ見てきただろう。「若者のすべて」「イグアナの娘」「あいのうた」「最後から二番目の恋」。

「べっぴんさん」の失速を受け継いでのスタートとなり、今のところ20%に届いていませんが、このドラマは数字的には尻上りになると予想します。

ヒロインみね子の父が出稼ぎから帰省の折、ふと立ち寄った洋食屋で、宮本信子演じる女主人にかけられた言葉。「自慢していいんですよ」「どうか東京を嫌いにならないでくださいね」。茨城に帰った父の「土はいいなあ」。台詞が生き生きとしています。

主演の有村架純は、どちらかというと童顔で、セーラー服や、昭和の農村の娘がよく似合っています。桑田佳祐の「若い広場」で始まり、増田明美のナレーションというのもなかなか新鮮です。岡田さんは女優を輝かす名人。有村さんにとって、忘れられない作品になるでしょう。

朝ドラの長期低落傾向を回復させた作品は、有村さんも出演していた「あまちゃん」ではないでしょうか。視聴率そのものというよりも、新しい朝ドラの視聴者を掘り起こした貢献がありました。その後の作品は軒並み高視聴率ということからも「あまちゃん」の存在は大きかった。

旧来型の朝ドラは「おしん」に代表される耐える女。「今は豊かだけど、日本にもこういう貧しい時代があったんだよ」という作品が多かった。しかし、近年は「ひよっこ」を見ていても感じますが「昔は良かったねえ」というノスタルジアを刺激する形に移行したと言えそうです。朝ドラは女優の甲子園であり、時代を映す鏡でもあります。今は老いた日本が、かつて輝いていた頃の自国の姿に、胸を熱くする時なのだと思いますね。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする