https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190110-48303061-gooday-hlth
1日に1時間以上歩く高齢者は、肺炎やインフルエンザで死亡するリスクが低いことが、日本人を対象とした大規模な疫学研究で明らかになりました。
●65歳以上の日本人2万人以上を12年間追跡
肺炎は、先進国における死因の上位に位置しており、特に65歳以上の高齢者に肺炎による死亡が多いことが知られています。
11.9年(中央値)の追跡期間中に死亡した人のうち、1203人(男性731人、女性472人)の死因が肺炎またはインフルエンザでした。参加者を、心筋梗塞と脳卒中の経験の有無によって3つのグループに分け、1日の平均的な歩行時間が0.5時間のグループを参照群として、肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクの検討を行いました。
・心筋梗塞と脳卒中の経験がない人たち
1日の歩行時間が0.5時間のグループと比較して、1時間以上歩行していたグループの肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクは10%低くなっていました。反対に、歩行時間が0.5時間未満のグループのリスクは、参照群より33%高くなっていました。
・心筋梗塞の経験者
1日の歩行時間が0.5時間のグループに比べ、1時間以上歩行するグループの肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクは34%低いことが分かりました。
・脳卒中の経験者
1日1時間以上歩行していたグループに、参照群と比較したリスク低下は見られませんでした。一方、1日に0.6~0.9時間歩行するグループの肺炎リスクは35%低くなっていました。なぜこうした結果になったのかは、明らかにならなかった、と著者らは述べています。
以上の結果は、心筋梗塞歴のある人を含め、高齢者が1日に1時間以上歩くと、肺炎またはインフルエンザによる死亡リスクが下がる可能性を示しました。