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旅行記、世相独言

コルドバのグラサン犬 -コルドバ-(異文化体験30 灼熱のアンダルシアの旅4)

2013年05月11日 11時42分28秒 | 異文化体験_西欧
(写真はクリックで拡大します)

コルドバのグラサン犬 -コルドバ- 97.07.25-07.26
 
 オキシデンタル・ホテルはコルドバの中心から約5km郊外にある。その分、緑も多く、暑いアンダルシアでは大いに気が休まる。早朝のホテルの庭園を散策する。

            
(左)涼しげな朝のホテル庭園の散策、昼ともなれば.....  (右)オキシデンタル・ホテル(ルームキー)

 コルドバはB.C.169ローマ帝国の貴族植民地から発展し、イスラム時代の10世紀頃には人口100万人、モスクは300以上と最も栄えたかつてのイスラム・スペインの首都である。その分、イスラム文化の影響が今なお色濃く残っている。


  
(左)カエサル時代の橋(ローマ橋)の向こうにカテドラル (右)LA MEZQUITA-CATEDRAL(BONECHI社アンダルシーア)

 グアダルキビル川に架かるローマ橋を渡ると、そこがメスキータ。もともとここには西ゴート王国時代にカトリックの聖ビセンテ教会があったところ。イスラム侵入によりモスクとして使われ、後ウマイヤ朝を興したアブド・アッラフマーンⅠ世は784年に新たにモスクの建造を始め、10世紀までその拡張が続き、結果2.5万人収容の巨大モスクとなった。レコンキスタ後はキリスト教の大聖堂に転用。16世紀に中央部を壊してゴシック様式とルネサンス様式の折衷の教会堂が造られ、現在の姿になったようだ。

 アルミナルの塔(塔上に大天使ラファエルの像)

 「アルミナルの塔」横のムデハル様式の「免罪の門」から「オレンジのパティオ」、更に「シュロの門」からモスクに入ると異様な光景が目に飛び込む。「円柱の森」と言われるイスラム独特の無数の馬蹄アーチが立ち並ぶ薄暗いかつ幻想的な空間が広がっている。

 モスク内オアシスに林立する800本もの円柱 

        
      モスク内キリスト教カテドラルの(左)見事な木彫内陣席  (右)祭壇

  見事な木造装飾のカテドラルを過ぎると、壁面の緻密な装飾が素晴らしいミヒラブ(ムスリムがマッカ(メッカ)の方角を知るためにモスクに設けられたもので、聖書コーランが納められた最も大切な場所)がある。音響効果が素晴らしく天井は一塊の大理石を彫像したものだそうだ。

            
(左)ミフラブ(メッカの方角に設ける壁がん、最も神聖な場所)(右)ミフラブの天井(貝形のキューポラ、一塊の大理石作品)


 「夏のアンダルシアはフライパンの底」とはよく言ったもの。この日の気温は43℃。もう、外を歩くのは沢山なのだが迷路のようなユダヤ人街を歩いて昼食レストランへ。
 ユダヤ人街には路地のような狭い道に白い壁の住宅が並び、沢山の花鉢が白壁を飾っている。小路の奥には「アルミナルの塔」が見える。

                 
(左)とある民家の中庭パティオを拝見        (右)雰囲気の良い昼食レストラン

             
(左)白壁に花一杯のユダヤ人街の小路(後方にアルミナルの塔)(右)街のどこからでも顔を見せるアルミナルの塔

 「花の小路」はまさにそのような中でもとりわけ美しい小路である。その小路にはお土産店もあるが、その奥まった所にある小さな広場に1匹の犬が伏せている。さぞかし犬も暑いことだろうと思い近づくと、何と!サングラスをしている。日射の強いアンダルシアでは、犬も目の保護をしているではないか。まあ、これは土産物屋の主人のお愛嬌だろうが、この日射しの強さは最終訪問地のバルセローナで思い知ることになる。

 「花の小路」奥のグラサン犬、目は大切だよ!と訴えている


  
(左)グラナダへの道中に立ち寄ったアンダルシア名物「白い村」 (右)車窓に広がるひまわり畑

 コルドバ観光の後は、一路グラナダへ。約3時間のバスの旅である。オリーブやヒマワリ畑に加え、時々白壁の家々が城塞のように密集したアンダルシア名物「白い村」が視界に入ってくる。アンダルシアのコスタ・デル・ソルに近づくとこの風景がより頻繁に見られるという。



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