SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

パントマイム演奏・・・?

2007年01月17日 00時07分28秒 | オーケストラ関連
★ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番・パガニーニ狂詩曲
            (演奏:ラン・ラン(p) 
                 ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 キーロフ歌劇場管弦楽団)
1.ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
2.パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
                  (2005年録音)

暫く前に「顔面演奏」などという記事を起し仲道郁代さんにはいささか申し訳ない気がするので、罪滅ぼしにもっとおぞま・・・否、画期的な演奏姿の御仁をご紹介したいと思います。

彼、ラン・ランの演奏の様子はNHKでラフマニノフ第3番コンチェルトの模様を見たときに、私自身も確認しています。

言葉もありません。凄いです。ぶっ飛びます。
彼の顔面の様子・・・あれは表情なんてものではありません。
仕草も含めて動物的感性を感じます。バナナを投げたら飛びつくのではないかと思われるテンションです。
きっと彼はラフマニノフの音楽を全身全霊で感じきって、それを指先に託すのに必要な作業のすべてを見るとあのような景色になるのでしょうね。

表題の“パントマイム演奏”は仲道さんのときと違って、私のオリジナルです。
結構いいあてていると思います。
ご存知の方は多分ご賛同いただける命名ではないかと、自負しておりますです。はい。

そしてその効果は・・・?
視覚的には、極めて強い印象を見たものに与えるという臨床実験結果があります。

被検者A(うちのかみさん)の場合
・私が件のNHKの番組を見ていたとき、聞き覚えのある曲なので部屋に来訪。
・画面を見入って5秒で顔が引きつり金縛り状態になる。
・20秒後全身の筋肉を突っ張らせたままぎこちなく部屋を退出。
・番組終了30分後、部屋から番組の余韻が消えたのを確認して部屋に再訪。
・犯人が犯行現場へ戻ってくる心理に類似する心の働きがあったと推測される。
・「終わったの?」と尋ねられ「終わったよ」と答えたところ、やっと緊張が解ける。
・さらに5分ぐらいして悪夢を振り返るように「ダメ。あーいうの・・・」と発言。
・私より「引いてたねぇ~」と問いかける。
・「うん。あれ見てたらとても音楽なんて聴いてられない!」としみじみ言明。

そして音楽的な効果は・・・。
これが素晴らしいヴィルトゥオーゾ的な演奏でした。
別にブラウン管の向こうでオトコが何してようが興奮したりしない私は、第3番の演奏のうちの屈指のものだと思って見てました。

NHKのリサイタル番組を今まで見たうちでは、ピーター・ゼルキンと準メルクルのブラームスの第1番のコンチェルトと双璧ではなかろうか?
(これも素晴らしい演奏でした。何年か前、番組(N響アワー)における年間最優秀の演奏として紹介されてましたね。)

そのような経過を辿って、冒頭のとおりゲルギエフ指揮のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のSACDを入手したわけです。ゲルギエフもラン・ランのことを絶賛しているようですが、さすがそれだけのことはあるピアニストというのが聴いた実感です。

ロシアの憂愁もそうですが、燃え上がるような迫力を秘めたオケに対して、ピアノの前で百面相している情景を推し量る気はさらさらありませんが、出てくる音は迫力でも雄弁さでも決して引けを取っていない。
むしろ東洋人であることから、我々日本人にシンパシーを感じさせる何かを内包しているのかもしれないと思わせるようなフレージングもときおり・・・ある。
それが何かわかりませんが・・・。演奏姿でないことだけは確かです。
いまひとつのコクみたいなものが乗った日には、最高の演奏といってもよいかもしれません。

名前がラン・ランなんていうもんだから何かふざけたヤツみたいに思ってしまいましたが、本当に失礼しました。アンタは第一級のピアニストです。私が認定します。権威ないけど・・・。

ちなみに私が持っているピアノ協奏曲のディスクで枚数が一番多いのは、このラフマニノフ第2番であります。といっても8枚ですけど。
聴いたことがあるのはもっとずっと多いですが、最も好きな演奏におけるピアニストの名前は故あって申し上げられません。
その人は、ロシア出身で現在アイスランド在住。3回ラフマニノフのコンチェルトをピアニストとして全集録音していて、ティボーデをソリストに迎え指揮者としても録音を果たしています。
ショパコンでハラシェビッチに敗れたなどというとわかっちゃうので、それは言えません。
私が最も好きなのは3回目、ハイティンク指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウと競演したときのものです。
ピアノ・オケともに「これで決まり」的な快演だと思います。

しかしこのディスク、パガニーニ・ラプソディも素晴らしい演奏で文句ないんですけど、内ジャケの殆どの頁にピアニストの写真が出ている。それも演奏しているところ(ピアノの前に座っているところ、この人の場合ちゃんと断っておかないとわからないから・・・)は白黒のちっこいのがひとつあるだけで、分厚いライナーの1頁まるごとカラー写真というけしか・・・否、臆面もな・・・もとい、大胆なものまであるではないですか。

仲道郁代さんのショパンのディスクのみたいなのなら許すけど、これはなんじゃぁぁぁ!!!


さらになんぢゃぁぁぁ~~!!!どことはなく誰かに似ている気もするし・・・。


これ輸入盤だから欧米でもこのテのが出回ってるって言うことかい。
需要があるんだろうか・・・。
我が国の韓流ブームみたいに、中国人をこれからの世界の景気を支えてくれる民族として待望する空気でもあるのだろうか?それも女性に・・・!?

どうでもいいけどマーケティング間違ってません!?
少なくとも私はそう思いますけど・・・。
ラン・ランの音楽に大ファンになったけど、これはちょっとやりすぎじゃない!?

ラン・ラン君のこういったところがたまらなく好きというかたがお読みになっていたとしたら、たいへん申し訳ありません。
彼の本職の部分である音楽性については、上記のとおり大絶賛を奉ずるものですのでなにとぞ許してやってくださいませ。

最後にこの記事が、仲道郁代さんの傷口に塩を塗っただけという結果になっていないことを祈らずにはおれません。