鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

バイトの思い出(6)

2015-06-06 | エッセイ

家庭教師のアルバイトをしたことがある。

教えたのは、鹿児島で少し名の知れた飲食店を経営している家庭の、小学生の男の子だった。

自宅は、22歳くらいのお手伝いさんが住み込んでいる、鹿児島では上流家庭といっていい家だった。

男の子は、4年生にして早くも算数でつまづいており、はっきり言ってあまり出来のいい子ではなかった。

だからこそ家庭教師を頼んだのであろうが・・・

 

中学2年の兄と高校3年の姉がいたが、姉のほうが

「ここ、教えて」

と言ってくることがあり、時々彼女にも教えた。

体をくっつけるようにして一緒に机に向かい、勉強を教えるときは、少しどきどきした。

ちなみに、姉は東京の有名お嬢様大学へ進学した。

 

その後何十年かして、テレビで「鹿児島のおいしい店」を紹介する番組があり、その店が紹介された。

年老いたお父さんと若旦那が映された。

若旦那は、長男ではなく私が教えた次男のほうだった。

私は、立派に店を継いでいる次男の姿を見て

「あの出来の悪かった子が・・・」

と感慨深いものがあった。

コメント (6)
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